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しらかば
2025-06-16 12:28:45
2231文字
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「私は大丈夫だよ、お兄ちゃん」
朝霧桜。胸くそ展開注意
※本編3-1-21前くらいの、周りの市民が「騎士団は悪だ!」って叩いてる時の騎士団の妹の話
※つまり胸くそ悪いです
※誰か桜を救ってくれの気持ちを込めて
【「私は大丈夫だよ、お兄ちゃん」】
学校に行けばみんながレクイエムは正義だ、悪いのは能力者だって騒いでいて。時には石なんか投げられる。比喩じゃないよ、本当だよ?みんな正義の為にって悪人退治をしているんだと思う。
だから、私には居心地が悪かった。
でも、学校に行かないとお兄ちゃんに心配させちゃうから。お兄ちゃんにだけは心配させたくないから。
「騎士団の人間は悪だ」
「早く死ねばいいのに」
「あの黒騎士の妹なんて汚らわしい」
「あいつさえいなければ」
誰もが、お兄ちゃんを、私を悪者扱いする。
「お前の兄がこの国を腐らせてるんだよ!聞いただろ、あのレクイエムの配信!?」
私はそんなこと信じない。
だって、お兄ちゃんは私のお兄ちゃんだもん。
「
……
違うよ、お兄ちゃんは悪者じゃないよ」
私はぐっと堪えて、笑うんだ。大丈夫、大丈夫って言い聞かせながら。
そんなある日、友達は言ったんだ。手をきつく握って、勇気を出して。
「桜ちゃんは友達だから
……
あの、悪徳騎士団の黒騎士がお兄さんでも、能力者でも、正しい道に行けば救われるって。だから
……
」
ああ、私の心配をしてくれているんだって。いつも優しくて、私にも変わらずお話してくれるもんね。
「うん、ありがとう」
だから、私はその気持ちが嬉しかったんだ。
「でも!お兄さんは間違ってるんだよ!?レクイエムの教えこそ正しいことなんだよ!?」
その気持ちは本当に救われるんだ。
私の事を友達として、気にかけてくれたんだよね。
「
……
それでも、私はやっぱり一緒に行けないや。嘘でも、お兄ちゃんを悪者だなんて言いたくない」
でも、私はお兄ちゃんを取るよ。例え世界中が敵になろうとも
……
お兄ちゃんは、朝霧凍磨は。私の誇れるお兄ちゃん。
私だけは、味方でありたい。
一人で私を守ってくれたお兄ちゃんのように、私もお兄ちゃんを守りたいんだ。
「
――
私は桜ちゃんを守りたいだけなのに!あの悪党の黒騎士のどこがいいの!?なんで分かってくれないの!?」
強く机を叩きつけ、彼女は飛び上がるように立つ。
……
お兄ちゃんの事を分かっていないのはあなただよ。
お兄ちゃんを悪く言わないでよ。
「
……
違うよ。お兄ちゃんは
――
」
心の中にあるドロドロとしたものを飲み込んだ。
「このわからず屋!私はあなたを思って
――
」
「
……
うん、そうだよね。ごめんね、ありがとう」
ごめんね。私は笑いながらそう言う。
「その気持ちだけで、嬉しい」
ああ、辛い。苦しい。友達にすら辛い思いをさせる弱い自分が嫌だ。お兄ちゃんならきっと
……
もっといい方法でみんなを笑顔にしちゃうんだろうな。
「けど
……
これだけは言うよ。私のお兄ちゃんは、正義の味方なんだって、私は信じたいの。信じているんだよ」
それでも、私だけは。お兄ちゃんの味方でいるんだ。
お兄ちゃんはもっと辛いはずだから。
この涙は堪えるんだ。心配させたくないから笑うんだ。
「私は大丈夫だよ、ありがとう。ほら、次の授業に遅れるよ?早く行こう!」
本音はぐっと堪らえておく。
そして、家に帰る。
「あら、桜。おかえりなさい」
「遥ちゃんだ!ただいまー!」
にこりと笑い、私は誰もいない家に入る。
ふわりと、兄の優しい匂いがした時に私の目からはポロポロと涙が溢れた。
「
……
あ、あれ?私、なんで
……
」
一度自分の心に気づいたら止まらなくなった。
でも隣には遥ちゃんが家にいる、冷静にお水を流して私はそれを誤魔化す。
「
……
ッ、ぁあっ」
【桜】
今日も、お兄ちゃんは帰らないんだろうな。
お兄ちゃんだから、大丈夫か?なんて私を心配する。
「大丈夫じゃ、ないよぉ
……
バカ、お兄ちゃんの、バカ
……
」
お兄ちゃんの顔が見たい。
お兄ちゃんの声が聴きたい。
「お兄ちゃん
……
一人に、しないでよ
……
ねえ」
止まらない。
溢れ出す涙は何度拭いても止まらない。
この世界に一人きりみたいに、怖くなって。
「どうしてみんな分かってくれないの?お兄ちゃんは
……
何も悪い事してないじゃん!!ぁあっ、うぁああッ!!」
お兄ちゃん。
ねえ、今もきっと戦ってるんだよね。
バカみたいにお人好しなお兄ちゃんはきっと、みんなを助けてくれる。どんなに悪者扱いされても、お兄ちゃんはそれを抱えて戦うの。自分が傷だらけになって、死にかけても。
なんでみんな、お兄ちゃんを悪者にするの?
「
……
そうだよね」
お兄ちゃんが戦ってるんだ。
お兄ちゃんを一人にしたらいけないんだ。
だから、私も味方でいるんだ。
その為に、笑っていなくちゃ。
お兄ちゃんが心配しないように、笑わなきゃ。
インターホンの音が聞こえる。
涙を拭う。
「ねえ遥ちゃん、今晩はタコパしよ!」
お兄ちゃん、私は大丈夫。大丈夫だよ。
――――
しんどい桜案件でした。
桜ってハイテンションぶっとびガールだけど、凍磨の為に笑わなきゃって抱える部分もあって。
きっと、遥と未結がいてくれて、凍磨にも会えた桜は本当に支えられて乗り越えていくんだと思います。兄が戦うように、自分も力になれるように笑顔で。
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