三毛田
2025-06-15 19:58:38
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24 024. 胸が痛むその理由を

24日目
知らなかった。でも、知ってしまった

24 024. 胸が痛むその理由を

 俺が独り占めしていい理由などないのに。
 そのはずなのに、彼が人々に囲まれているのを見ると、胸が痛い。
「たーんこ。どうした?」
「っ。お前こそ、どうした」
「お前の元気がなさそうだから、心配になったんだ」
「穹の勘違いじゃないか?」
「そんなことないって。俺が丹恒のことちゃんと見てるって、もっと自覚持って」
 そんなことを言われたら、変な期待をしてしまう。
 けれどそれは、ただの仲間としての心配だ。
「わかった。もし、これ以上駄目だと思ったら、お前に頼るとしよう」
「約束だぞ」
「ああ」
「ん」
 小指を出してきたので、そっと絡める。
 まるで子供同士のようなやり取りだが、痛みが広がった胸はゆっくりとその傷が癒やされていくようで。
「指切り。ふふ。丹恒がしてくれたの、嬉しい」
「それはよかった」
 唇を緩めると、穹はさらに嬉しそうに笑って。
「うんうん。次からちゃんと俺を頼ること。いいな?」
「わかったから、何か他に用があるんじゃないのか」
「うーん。あったけど、忘れちゃった!」
「お前……
「それくらい許してよ!」
「いつものことだなと思っただけだ」
「そういう俺は嫌い?」
「嫌いになる理由はないからな」
「たんこ〜」
「っ。飛びついたら、危ないだろう」
 慌てて支えると、嬉しそうに頬擦りして。
 だが、まあ。
 こうして頼られるというのは悪くない。
 穹相手に限るが。
……
 また、だ。
 彼には彼の付き合いがある。それは、きちんとわかっている。自覚している。
 でも、でも。
……て、欲しい」
 俺だけを、みて欲しい。
 だけど、そんなわがままを、面と向かって口にするわけにはいかないのだ。
 そんな資格はないし、ただ、彼の友でしかない俺には。
「丹恒」
「っ」
 両手で頰を包まれ、穹の方を向かされ。
 見つかった。
 別にやましいことをしているとか、感情を抱いているわけじゃないのにスッと血の気が引く感覚。
「俺に言えないこと? そんな苦しそうな表情で、俺を見てさ」
「それ、は……
「俺が、お前に対して疾しい感情を抱いているからか?」
「ぇ」
「お前が、俺以外に頼られているのを見てヤキモチ妬いてるから?」
「き、穹?」
「丹恒、お前が好き。必要な時以外は、俺だけを見ていて」
 真剣な瞳で射抜かれ、呼吸が一瞬詰まる。
「なあ、丹恒。お前の一番にして」
 言葉と同時に、唇が重ねられ。
……
 気づけば、彼からの口付けにとろとろにされていた。
「ふふ。丹恒、可愛い」
 とろとろにされて、動けない俺の頭を撫でてくる。