三毛田
2025-06-13 22:12:42
1080文字
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22 022. 聴こえる音、聞こえる声

22日目
君の心音、君の声

「ふふふ」
「嬉しそうだな」
「うん! 丹恒がこうして、俺が体を預けても嫌がらなくなったから!」
 正確には、胸に顔を寄せても。かな。
 左胸に頬をつけ、心音を聴く。
 正しいリズムかどうかはわからないけれど、心地よい音。
 俺の鼓動は、星核に支配されてしまっていて、正しいというか元の音はわからないから。
 こうして丹恒の鼓動を聴いていると、安心するしタイミングによっては眠くなる。
 寝てしまって、涎を胸元に垂らして呆れた顔をされたのは記憶に新しい。
 でも、本を汚さなかったから怒られなかった。
「俺もお前の心音を聞きたいが、どうだろうか」
 本をサイドテーブルへと置き、俺へ問いかけてくる。
「丹恒が望むような物じゃないかもしれないけど、それでもいいなら」
 体を起こし、それから腕を広げると彼はそっと俺の胸へと頬を寄せ。
……
「た、丹恒?」
 頬を寄せた後、黙り込んでしまった彼に恐る恐る声をかける。でも、やはり返事はなくて。
「ありがとう」
 しばらくしたら満足したのか、そっと体を起こして。それから、優しく俺の頭を撫でてくる。
 どうやら、彼なりに色々と納得したようだ。
「心音を聞いている時は、静かな方が好ましいな。だが」
「が?」
「お前の声が聞こえないのは、少々寂しいと思ってしまったんだ」
 こつんと、肩へ額をくっつけてくる。
 そっと抱きしめると、優しく背中へと手が回り。
 触れ合う胸元からは、鼓動が。
 静かな部屋へ、二人分の鼓動。耳にも届く鼓動は、静かで。でも、力強い。
「丹恒、好きだ」
「俺も穹が好きだ」
 思いを告げ合い、唇を重ね。
「ご機嫌になったな」
「だって。丹恒トこうしてくっつく時間が増えれば増えるほど、嬉しくなるし」
「ふっ。単純だな」
「む。馬鹿にしたな」
「そうじゃない。お前が羨ましいと思ったんだ」
「むう。丹恒が相手だから、直ぐご機嫌になれるだけだし」
「わかっている。お前が俺を好きなことは」
 また頭を撫でてくれて、そっと胸へと顔を寄せて。
 ゆったりとした鼓動は、やっぱり落ち着く。
 確かに、鼓動を聴いている間は静かな方がいい。
 でも、声も聞きたい。我儘だ。
「丹恒。この後用事ある?」
「ないな」
「じゃあ、さ」
 胸をそっと揉み、それから太ももを撫でると。
「構わない」
 ぽんぽん背中を優しく叩かれ、それから背骨をそっと撫でられる。
「乗り気じゃん」
「乗り気な俺は嫌か?」
「ううん。積極的なところも、好き」
 顔を近づけると、キスを受け入れてくれ。
 そのまま押し倒した。