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ミリメートル
2025-06-11 21:59:33
1265文字
Public
爆紙袴
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爆ジニSS🎗️
やや湿っぽいです。
「爆豪は、年上が趣味なのか」
「え」
珍しく俗っぽいジャンルの雑談に少々面食らう。年上が趣味なわけでもないし。爆豪が好ましいと思っている人物は話題を提供してきた袴田張本人であって、年上なら誰でもいいということはまったくないのだ。それをなんと説明しようか。
「高校生特有の万能感というやつだ」
「
……
は」
「なんにでも敵う気がして、立ち向かってしまう。大抵は自信に見合う実力が伴っておらず、壁にぶつかっては心が挫けるんだ。そういう若者を何人も見てきた」
「ヒーローの話しとんのか」
「ヒーローに限らないよ。私は、君が傷つくところを見たくないんだ」
回りくどいと思った。爆豪を守りたいと口では言いながら、袴田の本心は袴田自身を守りたいような態度だった。
芯を食わない説教の連続に、不思議と腹は立たなかった。この男を宥めすかしてやりたいとさえ思う。
「随分年上なんだろう。君みたいな若い子に好きなんて言われてうんと返すようなやつはろくな人間じゃない。いずれにせよ、やめておきなさいということを言いたいんだ」
「へぇ。なんか言い聞かせてるみてーだな」
「は?」
「アンタがアンタに怒ってるみたい」
袴田は、それきり黙り込んでしまった。時間にして三分程度だったが、二人きりの事務室にはじゅうぶん剣呑過ぎる空気が漂っていたと言える。口火を切ったのは爆豪の方だった。努めて穏やかな声と本当の気持ちで、この臆病な大人を安心させてやりたい。
「テメーにそんな心配されなくても、俺は強いし、それは経験に裏付けされた実力だし、壁にぶつかったこともある」
「
……
君が、弱味を見せるのは珍しいな」
「弱くねーよ。強い男だって悩むことあるだろ。オールマイトだって、つまんねぇギャグが滑って泣いてたぞ」
「オールマイトが」
「オールマイトがな」
袴田が、ふ、と笑う姿がいいなと思った。そう。こういう所作や、俺という人間に心を砕いてくれるところや、ちょっと変わってる趣味だとか。そういうところに惚れたのだ。
「好き」
「え?」
「アンタが好きだよ。どこで俺が年上趣味だとか聞いたか知らねーけど、別にそういうわけじゃない。アンタしか好きじゃない」
「
……
な、尚更だめだろう。ここで私がうんと言ったら、本当にろくな大人じゃない」
「そういう建前はどうでもいいよ。アンタが俺のこと少しは好きで、それを年齢だなんだ眠てぇ綺麗ごとでうじうじ悩んでやがるなら、いったん全部聞くから。そんでぶっ壊すから」
「
……
私が君のこと、好きということになっていないか?」
「そうじゃねーのか」
袴田は再び黙り込んだ。案外、迫られると弱いとかそういう癖があるのかもしれない。もっと知りたいと思った。彼が怖いものや好きなもの、その日一番嬉しかったこととか。いつかなんの飾り気もない袴田の本心を、聞かせてもらえるようになりたい。
「
……
そういえば。俺が、年上趣味って誰が言ってた」
「
……
君の、同級生の子と、話す機会があって」
「誰?」
「セロファン」
「あとで潰しとくわ」
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