ゆいしろ そう
2025-06-08 21:43:04
497文字
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ベク遊へのお題は『泣くくらいだったら、笑ってやる』の小話


ーー目の前で母上が倒れ、そのあと父上も。
その光景を見ていた前世の俺はどんな気持ちだっただろうか。
ドン・サウザンドがいなければ、今頃……ーー

「ベクター、大丈夫か?」
「あ、れ……ここは」
「俺とのデュエル中に倒れちまうなんて、珍しいな」
「俺様だって、色々考えたくなるときもあるんだよ。
遊馬くんにはわからないだろうけどぉ~」
「ああ。でもお前って、そういうとこ見せないよな」
「見せてどうすんだよ。カッコ悪いだけだろうが」
「でも俺くらいには」
「なぁーに? 特別な存在とか思っちゃってるわけ~?」
「誤魔化すのやめろって」

ーーしゃがみ込んで、話しているのが嫌になってくる。
不幸なんて昔っからだよ。現世も前世も、ずっとずっと。
それなのにこいつときたらーー

「あーあ、落ち込むのが馬鹿らしい。てめぇの顔を見てたらよ」

ーー泣くくらいだったら、笑ってやるぜと思っていたけど。
たまには泣いてみるのも悪くねぇかーー

「うわーん、遊馬くぅん」
「おい、こんなところで抱きつくなよっ」
「じゃあ、場所を変えましょう」
「え」
「ほら、急いで!」
「そういうことじゃねーっての」