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草枕
2025-06-07 02:18:27
1112文字
Public
syzygy
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syzygy_スケッチ①
本文最初のメモにお目通し願います。
【企画の方へ】
・かなり勝手な妄想とTLを練り合わせて書いた散文スケッチです。信じないでくださいね!
・特定の立場を取るお子さんへ、いいぞ!もっとやれ!と思っていますが、この文章では割を食ってるかもしれません。
【企画外の方へ】
・架空の戦争を扱った世界観をもとにした創作です。ただ創作を楽しむ意図しかありません。
・ご覧いただかないのが一番良いと思います。
*
syzygyは平和維持の組織である。
民衆にとって『人助け』の組織は、手放しで讃えて負い目のないものだ。軍隊ではない故に、人材の門戸も広い。多様性に満ち、問題解決のために様々なアプローチを図れる。
──という利点は、現状なんの役にも立たない。
上層は現場におらず、上位下達はほぼ機能していない。敵を撃つのを躊躇う者と、指揮を無視して和解策を講じる者、それらを唾棄し粛々と戦闘を行う者、仲間と自分の身だけは守ろうと武器を持つ者。混然としていて、まるで統率が取れていない。スタンスが同じ者たちだけで固まれれば幾分マシな動きもできるのかもしれないが、メロペイアのゲリラはそれを邪魔するだろう。
数を武力に変える兵隊としての軍事行動が本分のシルーには、syzygyは軍隊としてはもう瓦解しているように思えた。上部からの命令とは、個人の意思には関係のない号令として、大多数の兵が従うから、成立する。個々が信念や価値観を秤にかけ始めるような暇は、本来戦場に存在しない。
だから、シルーもここで、一度自分の思考というものを差し挟む。自陣の指示系統が瓦解しているなら、個人単位としてどう動くのが任務の遂行──ルクスの存続に寄与できるか。
(前線の保持。それから救護所の夜警だな)
青年隊員が、直接戦闘が難しくとも、補給班や文官として活動できるまでの決断の時間稼ぎ。ルクスの存続へ思いを巡らす成人隊員が妙案を浮かべるまでの時間稼ぎ。と喧伝すれば、それだけで戦意が湧く者も居るだろう。前線の保持は何をおいても必須だ。上手い言い回しなら、幸いにも頭の中に山と蓄積されている。
そして、救護所を強襲するという非人道な行ないは、正義の在処を求める隊員たちには劇薬になるだろう。下手人を捕らえる、あるいは戦闘行動を目撃するだけでも、義憤に火を点けることができよう。
シルーの望み、光を絶やしてやるつもりはない。この星で死んでやる気も。
遠く、空に戦闘の音が響いている。
雲のない、一面の晴れ模様である。
──二つが似合わないと思う人間は、何も知らない。
人間は、軍人は。どんなに美しい花畑に在っても、その花々をぐちゃぐちゃに踏み潰して、戦うものなのだから。
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