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ながひさありか
2024-10-30 22:40:33
1171文字
Public
STR-Mozeqiu
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モ椒:ハロウィン菓子を作るモゼと椒丘
お菓子と悪戯どっちがいいですか?ってモゼに夜聞くと思います
「ハロウィン?」
なんだそれ、と呟いたモゼに、椒丘は「僕も詳しくは知らないのですが」と答えながら、サンザシの赤い実をざるにこぼし、水に晒してよく洗う。
「昨日から街で会う子どもたちが『明日はお菓子を用意しておいてね』とやたらと言ってくるので、流行ってる遊びなのかと聞いたんです。
そうしたら、どうやら、カンパニーが『ハロウィン』なる催しを流行らせようとしているようです。先週からどうにも街にカボチャの装飾が多いと思いませんでしたか?」
椒丘の問いに、モゼはそういえば買い物に出かけた際に店頭に普段は見ないカボチャの置き物がおいてあったことを思い出した。他にもカボチャ味で人間の頭部を模したお菓子、シーツを被った幽霊や、デフォルメされた悪鬼のラベルが貼られたドリンクが屋台で売られていたこと、カボチャを模したランタンだのが街灯のかわりにかかっていたことを思い出した。
「カンパニーが言うには、随分と昔に滅んだカボチャ頭の悪戯好きな星神が年に一度死の淵から蘇り、現世の人々にお菓子を渡すか悪戯されるか選べと要求するんだとか」
「年一で戻ってくるなら死んでないんじゃないか」
「まぁ、どう考えても他の星神より遭遇率が高すぎると思いますが、おそらく存在しない星神なのでいいんじゃないでしょうか。ジャックなんて名前だそうですし。
——
さておき、子どもたちはそのカボチャ頭の使令として、亡者だの悪鬼だのの仮装をし、家々を練り歩いてお菓子を要求する祭りなんだそうです。店頭に置いてあるカボチャの装飾は信仰者の証だとか、そう言うことなんでしょう、きっと」
「それで、お前はそんなに飴を作ってるのか」
「そう言うわけです。暇なら種を取るのを手伝ってくれますか」
椒丘は乾いた紙で赤い実を拭くと、ヘタを取り、輪切りするように実に刃を当てながら、くるりと回す。切れ込みを一周させると、実を掴んで半分に割り、中心に埋まっている花のような形をした種を取り出す。
「暇じゃない」
そう言いながら、モゼは実を拭くための紙とざるを引き寄せて、拭いたものを椒丘へ渡した。二十分かけて実を全て拭くと、席を立って棚から竹串を持ってくる。
「五つずつにしてください」
椒丘は半分に切った実を二つ合わせて丸い形に戻すと、それを一つの串に五つずつ刺した。
モゼは言われた通りの数を串に刺し、二人で黙々と作業を続けた。
三十本は優に超えた串に、こんなに配る先があるのか? とモゼは少しだけ疑問に思ったが、余れば職員に渡すなり、自分たちのおやつになるだろう。
モゼは椒丘が串に飴がけしているのを眺めていたが、途中で飛霄から鍛錬の呼びかけがあった。
飴がけの終わったサンザシ飴を並べている椒丘に出てくることを告げると、帰りに砂糖とお酒を買ってきてください、と返された。
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