Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
-鳳梨邸-
Public
RS2R
Clear cache
Customize name
1444291
Customize name
【RS2R夢】2.皇族なんて知らない
RS2R最終皇帝男夢。夢主視点。
夢主と終帝男女は名前変換可。変換しないとデフォルト名になります。
レイ
レイ
レオンハルト
レオノーラ
レイ
はじまりの理由なんてどうでもいいのかもね。
私の前世がどうであろうと、前世の記憶があろうとなかろうと、私は私で、するべきことは変わらない。
私は私の大事な人たちと共にこの世界で在りたい。
そのためなら何だってやる。前世の知識を余すことなく使ってだって。
…
そう思える程、大事な人にこの世界で出逢ったのだ。
その大事な人が、私が思っていたよりもずっと前から想っていてくれていた、なんて知ったの最近だったけどね。
・・・・・
レイ
はかき鳴らしたギターの音を止めた。余韻を残した後、拍手が巻き起こる。
認められたと感じられるこの瞬間がたまらない。一礼を返し、ツーネックギターを背負う。
アバロンの噴水広場で歌いたくなって一曲。噴水を背にツーネックギターを奏で声を乗せる。思いの外聴いてくれる人がいた。
詩人で女性はいないから、珍しさが勝ったのかもしれない。
噴水広場から石畳で出来た階段を昇り、その先にある王宮をヴェールを少しずらして見上げる。
「ここが、兄さんのいる宮殿
…
」
バレンヌ帝国、首都アバロン。その中央にある宮殿は、外観は中世のドイツのお城みたいだ。騎士の城みたいで、華やかさに少し欠けるように見えるがなんともご立派である。
中世?ドイツ?ああ、私の中にもともとあった誰かの記憶の中にそんな言葉があるのだ。
私の中にはこの世界とは違う世界で生きた誰かの記憶が、生まれた時から存在している。
詩人さんが言うには、その誰かは前世の私の記憶らしい。このことを知っているのは詩人さん、ジュウベイ兄さん、亡くなったおじいちゃんと
…
先帝陛下のあの人だけだ。
「
…
」
未だにあの人が亡くなっただなんて信じられない。そして、その人の後を継いで私の兄が皇帝となったということも。
旅をしていた私が、兄さんから手紙を貰ってアバロンへ来た理由はそれだ。皇帝となった兄さんを手伝うために、足りない知識を得たい。
兄さんの傍で手伝えて、知識を得られる。その両方を満たすことが出来るのがアバロン大学だった。
入学手続きは終えたので、兄さんに久し振りに会いに来たのだが
…
目の前にはどどんと大きな城門。
これ表から入ったら目立つんじゃない?裏口でも探そうかな。
「そろそろ皇族の方が見えるぞ」
「了解した」
門番の二人の話が聞こえてきてしまった。
…
うん。裏口探そう。手紙で兄さんと待ち合わせた日時と皇族来訪とのタイミングが一致すると言う事は、つまりそういう事だ。
兄さん、何で?
考えつつ裏口を探していたら、何故か術法研究所から地下水道を通って地下牢を通る羽目になった。モンスターいるよここ。そして、後で匂いのエチケット必須。
兵士に驚かれると思ったのだが、地下水道にはシーフギルドもありそこからシーフファイターが地下牢を通ってアバロン宮殿に情報を届けていることもあるそうで、あっさりとした対応だった。
兄さんは兵士に私が来ることを末端まで伝達してくれていたようで、地下牢を守る兵士は私のヴェールを見て判断して兄さんに取り次いでくれた。
玉座の間で久し振りに見た兄は、兄のままだったことに安堵する。
「
レイ
!」
「兄さん、お久し振り」
玉座から立ち上がり、こちらへずんずんと強く歩んでくる兄さんから怒りを感じる。
「何で表から来なかったのだ。紹介する方々がいると前もって伝えていたであろう!」
手紙には確かにそう書いてあった。けれどそれが皇族だなんて書いていなかった。
「皇族だなんて会いたくない」
ヤウダがかつて王国だった時。アト王にさんざ振り回されて来た。兄さんも、おじいちゃんも、誠心誠意仕えているのに酷い扱いを受けてきた。
おじいちゃんは
…
アト王の立ち回りが良ければ死ななかったかもしれない。その気持ちが拭えない。
武士として、責任の取り方があるのは解っている。頭では。
「理不尽に、家族が嫌な目に遭うのは懲り懲りだよ
…
」
兄さんは私がそう言うのを理解してくれている。はずなのに。
「
…
彼らはアト王とは違う。帝国のことを考えて動くことのできる人達だ」
「
…
」
兄さんを信じない訳じゃない。それでも過去から来る、権力を持つ者に対する不信感は完全には拭えなかった。
・・・・・
目まぐるしく時は過ぎていき、私が大学に通い始めて三ヶ月が経過した。
兄さんに保証人になってもらって、私好みに建て直した住まい兼、寄宿舎兼食堂がやっと出来たので居候となっていたアバロン宮殿からこちらに引っ越してきたのが最近の話だ。
根が庶民の私には宮殿暮らしなんて似合わない。料理人もいるから厨房は使えず料理も自由に作れないので、作りたい派の私にとってはストレスだった。
そんな簡単に建物なんて建築出来るのか?という問いに関しては、実はこの建物は元々別のものが作られる予定でほとんど出来ていたのが大きい。
アバロンの金持ちが何かしら作ろうとしていたようだが、お亡くなりになって、継ぐ者がいなかったから帝国で引き取ったようなものだと兄さんから聞いた。
この建物は一階が食堂になっており、二階と三階が大学生が住む居住区になっている。私は四階にいくつかある部屋の一部を使用している。
寄宿舎で共同生活を営むもよし、四階にある個別の部屋で一人暮らしやルームシェアするもよし、と多様性を考えて作った。
そして住み始めてから一階の食堂が軌道に乗るだろうというところで、夜に兄さんが私を訪ねてきた。食堂がヤウダの食事メインのお店なので、ご飯目当てなのも知っている。
食堂は昼メインで夜は行っていない。夜は大学生がいるからね。
だから私が料理の腕を振るっているのである。ご飯、味噌汁、塩焼き魚、彩りと栄養を考えた煮野菜、簡単な漬物とシンプルなものだったが兄さんはとても喜んで食べてくれた。私も席に着いて、手を合わせてから食べ始める。
アバロンの料理とヤウダの料理は全然違う。西洋と東洋って感じだから、前世の記憶がある私はともかく、アバロンの料理はヤウダ出身である兄さんには慣れないものがあるようだ。
兄さんは今、空を移動する手段を探しているという。七英雄ワグナスの居城であるハクロ城が遥か上空へと浮上してしまったからだ。
チカパ山に住むイーリスという種族が空を飛べるので、何か方法がないか探りに行ったのだが門前払いを食らってしまった。終いにはワグナスをなんとかしろって言われたという。そのワグナスをなんとかするために会いに来たのに
…
本末転倒だ。
「イーリス、か」
食べ終わった食器を下げて、湯を沸かした際にぽつりと呟く。
詩人さんが昔、イーリスの村に行った話を聞いたことがある気がする。どうやって入ったんだろう?
ヤウダの麦で作ったお茶を淹れて兄さんに渡すと味わって飲んでくれて、ほっと一息ついてから話題が変わった。
「話は変わるが、大学で
レオンハルト
殿と
レオノーラ
殿には会ったか?」
誰だっけ?ああ、そういや伝承法を初めたというバレンヌの皇帝レオン帝と、その子であり伝承法で力と意志を受け継いだジェラール帝の子孫が確かそんな名前で大学に通ってるんだっけ。
兄さんが私に会わせようとした皇族の二人だ。
「会ってないよ」
「何?」
そんなに驚くことを言っただろうか。
「そもそも大学で他人とは最低限しか話さないよ」
あとは共通の科目がなければ会わないだろうし。そもそも誰が誰だか知らないし、私には
見えてない
・・・・・
もの。
大学に入って初めての試験が終わった頃、試験結果を見たアバロンの貴族が突っかかってきて、そこから人は全く寄らなくなった。
お貴族様が言うには、私の試験結果が割と高得点だったから、皇帝である兄さんに成績を融通してもらっているんだろう、だって。
兄さんが私に融通を利かせるわけないじゃん。むしろ、自他共に厳しい兄さんは私に試練を課すタイプだ。知らないっておっそろしいわ。
一人二人に言われるならまだしも、同じ科目に出ているアバロン貴族には似たような嫌味をすれ違いざま言われている。
特に女の子に嫌味を言われる事が多いんだよね。最初に突っかかって来た子もアバロン高位貴族の女の子だった。
最初は嫌味を気にしていたが、今は聞き飽きすぎてしまって、嫌味に捻りがないと評価してしまう程だ。
兄さんのお仲間である帝国兵士の人達も同じアバロンの貴族なのだが、嫌味なんぞ言われたことがないし色々教えてくれたり助けてくれる。何でこうも違うのかな?
「
…
大学で友人とか作らぬのか?」
友人ねえ。
大学は広く門戸を拡げているとはいえ、派閥が存在する。私はアバロン貴族からは他地域寄りに見えているらしいし、逆に他地域の貴族からはアバロン寄りに見えているらしい。
貴族という階級が存在しない地域や平民は、我関せずという感じでそんな私に近寄ることがない。私から話しかけようにも近寄るだけで避けられる。関わると碌でもないとか思われてるんじゃないかな。
思ったよりも少ない大学の席は、私の隣に座るだけで罰ゲームだろうな。
そんな中で私に話しかけてくる人間なんて、派閥に入れて皇帝である兄さんに融通を利かせようと画策する不埒者か、余程の物好きかというところだ。
声を掛けられてそういった対応に追われるのは、せっかく大学に勉強しに来ているのに時間がもったいない。なので術を使って早々に人からは離れている。
この状況下でまともに大学で友人を作れると思えない。
大学外ではそこそこいる。兄さんのお仲間である帝国鍛冶職人の跡取りのフィアラル、ヤウダの忍者アザミ。
彼女らとは大学の休みの合間に会ったり、講義を終えた後に家に呼んだり呼ばれたりお茶したりしている。
「大学、友人作れるほど暇じゃないよ。覚えること多いし、試験も難易度高いし
…
」
まあ前世ほどじゃないかもね。あちらはレポートだの研究発表だの寝る間も惜しんでやった。今はちゃんと睡眠時間を確保出来ているし、趣味で音楽や料理も出来ている。
人間関係は家族である兄さんもいるし、兄さんのお仲間である帝国のために働く人々は私の目を見ても臆することもなく普通に接してくれる。先程も言ったように友人だっている。
これ以上望んでも、ねえ。
「でも、充実してはいるよ」
私がそういうと兄さんは複雑そうな顔をした。何で
…
?
今までの話で考えてみて、兄さんは私にバレンヌ皇族と関わってほしいように聞こえる。バレンヌ皇族側はどういう考えなのだろうか。
皇帝である兄さんなら、無理に会わせることも出来ない訳ではないだろうが、そこは私に気を遣ってくれているのだろう。
「少しずつ、バレンヌ皇族の彼らに歩み寄ってはみないか?」
「
…
ん。どうだろう、ね」
曖昧に返すしか出来なかった。変えたい気持ちはある。
兄さんのお仲間には、権力を笠に着ることなどしないカンバーランドの王族の兄妹がいるのだ。
私が旅をしていた頃に、彼らとはカンバーランドのフォーファーで出会って色々あったのだが
…
私は王族に関わりたくない一心からその地を立ち去った。
アバロンに来てから彼らが兄さんのお仲間であると知り、あの時黙って去ったことに怒られるかと思ったのだが、二人が先に私に告げたのは感謝の言葉だった。
…
私はその時、王族と言うより権力を笠に着る人間が嫌いだということに気付いた。
そして、私が礼を失していたということにも。
兄さんの反応から考えると、バレンヌ皇族もカンバーランドの王族兄妹と同じ感じの人達なのかもしれない。話したことも姿を見たこともないので分からないが。
「ところで兄さん。私に何か用があったんじゃないの?」
「そうだ。来週末の交流会に出席せよ」
「はい?」
交流会
…
レッツパーリー?何で?
「バレンヌの皇族貴族、周辺地域の貴族や他地域の長達を招いて交流会があるのは知っているであろう。それに私のパートナーとして出よ」
大学でも通達されたから知っている。パーティ参加者は準備もあり講義が一部免除されるが、試験は変わらずあるので妙にざわついていた気がする。勉強は別である。
パートナー、何で私なのだろう。その答えは単純だ。妹だからだ。
兄さんに婚約者はいないので、家族がダンスのパートナーを務めるのは普通である。
派閥に属している者を選べば肩入れしていることになるし、かといって派閥に属していない者を選べば、帝国を支援、協力している者を蔑ろにしていると見られるだろう。
面倒な話だが兄さんが苦労しているのも知っているので、そう口には出さない。
そういえば衣装どうするの、と聞いたらもう準備済みだと言われた。ひえ、国費じゃんそれ。
待って、兄さん私のサイズ知ってたっけ?
…
あーあれかな。この間アザミに会った時に、やたら引っ付かれたあれだ。忍者だもん、朝飯前だよね。
「明日から私とダンスの練習だ。お前は講義を休まないであろう?大学が終わったら迎えを寄越す」
それ自体に問題はない。兄さんが私の事をちゃんと考えてくれてすごく嬉しい。その時はそう思っていた。
・・・・・
…
前言撤回。兄さん、お迎えにインペリアルガードの人たち来させるのは勘弁して。大学の門でユノーさんとんでもなく大学生の視線浴びてるよ。
綺麗で強くて格好いい女性だし憧れるよね。分かる。問題はそんな凄い人と一緒に歩くのが私だと言うことだ。
「モウシワケアリマセン」
全方位に謝りたい。そんな気持ちになった。
「謝ることは何もございませんよ、
レイ
様」
「ユノーさん、その、様付けや敬語はやめてもらえますか
…
?兄が皇帝ですが私は一般人なので
…
」
「そうは参りません」
キリッとした声で却下された。
周りを歩く大学生から、感嘆の声や素敵
…
という声がちらほら聞こえる。私もそれを言う方になりたかった。
移動術作るかな。テレポートみたいな瞬間移動するの作れないかな
…
考えよう。
通常の移動として風、瞬間的に移動するとして光のような速さとして天、時の流れを司る水の合成で考えてみよう。
ユノーさんに送られて、アバロン宮殿で兄さんとダンスの先生と合流するのが最近の流れであった。
そんなこんなで始まったダンスの練習は、兄さんと足を踏み合って覚えました。多分私の方が多く踏んだ。ごめん兄さん。
まあ他の人と踊ることはないからいいか。
この時はそう思っていたのである。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内