ガイベル
2025-06-06 07:05:00
1760文字
Public お話
 

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突発短時間作成☀️🌻散文

6月、某日。


今日はバジルが久々にサニーと一緒に寝ようね、と約束した日だった。紆余曲折あって一緒に住むようになったはいいものの、お互いの生活リズムがなかなか合わず、まだ指で数えられるくらいしか二人で眠ったことがない。だから今日を心待ちにしていたバジルは、すごく浮かれていた。

何を話そうかな。久々だから……たくさん喋りたいこともあるし、聞きたい事もあるし、それに……
もしサニーが許してくれるなら、いつもよりすこーし積極的にくっついてみたり……
思い切って、腕枕でもねだってみようか。

別に他意はないけど、先ほどのバスタイムにはいつも以上に気をつかって念入りに泡風呂に浸かり、シャンプーやドライヤーをした。仕上げに、前にサニーの反応が良かった就寝用の香りもすこしだけ身にまとってベッドメイクをした。準備は万端だ。いつでもこい!

と、いうように待つこと……数時間。

待てど暮らせど、なかなか寝室に現れないサニーに、バジルは完全に待ちぼうけを食らっている。この夜をすごく楽しみに備えていたから、すでに眠くてたまらない、というわけではないけど。……でも、確認のために再び時計を見れば、普段の自分ならとっくに眠りの中の時刻を指している。
……約束、忘れてしまったのだろうか。ううん、まさかそんなこと……

でも、さすがに限界だった。痺れを切らし、サニーの気配がするリビングに向かうことにした。


⌛︎⌛︎⌛︎


はたと目が合った瞬間、サニーの顔にはすぐに焦ったような表情が浮かび、そして"しまった"、と言わんばかりの雰囲気になった。彼もたった今、バジルとの約束を思い出したのだろう。

……しかし一方でバジルも彼の手元にあるものを見て、気づいてしまった。そういえば今日は、新しいゲームのハードの発売日で……、それも、サニーがずーっと楽しみにしていたこと。しかも結構抽選ハードルが高い商品で、世界的に見ても品質も良い、保証つき……ときている。
厳正なる抽選の末にそれが当たった時、すごく嬉しそうな様子で当選報告してくれたのは、バジルもよく覚えていた。時間が合えば色々一緒に遊ぼう、とも。

そしてそれが今日。運悪くその発売日、そして到着日と……自分との予定がブッキングしている事に、お互いが全く気づいていなかったのだから、仕方がない。

仕方がない、と思う。経過した時間は巻き戻らないし。しかし、複雑な心境のバジルの背後には、いつのまにか天使と悪魔のような二つの人型が現れ、囁くような声でそれぞれ勝手に言いたい事を言い始めた。

花冠をつけた明るいカラーの天使のような小さなバジルが、率先してサニーを庇う。
『仕方ないよ。サニーくんも悪気があったわけじゃないし』

それに対して、真っ黒い影のようなバジルが反論する。
『でも、ひとこと言いに来てくれればよくない?』

花冠のバジルは少し困った様子で、それでも兄弟のような影のバジルをなだめる。
『ううん……でも届いたら嬉しくて、そのまま電源を入れてしまう気持ちとか、リリースされたタイトルを触りたくなるのもよくわかるでしょ。プレイしていたら、つい時間を忘れちゃう事もあるよ』

理解はできても、納得ができない様子の影バジルが続ける。
『でも……ぼくは彼と約束をしてから、今夜をずっと楽しみに、待っていたのに』

影バジルの白く光る目の部分から、ほろほろと光りながら雫が落ちる。それを見た花冠のバジルが、しばし考え込んでから……屈託のない表情で提案した。

『じゃあ、今からちょっと拗ねて、わがまま言ってみようよ!』

……え?』


──天使と悪魔の言動は、必ずしも見かけ通り……
というわけでは、ない。






⌛︎⌛︎⌛︎





某時刻、ゲーム内チャットログ


『おす!OMOおかえり!時間ヤバい?』

ううん。
ちょっと家の大事な……うさぎが、起きて。

『そっかー。無理せず、大事にな!
……あれ?OMOが飼ってるのって、猫じゃなかったっけ?』

うん。
でも── 寂しがり屋のうさぎもいるんだ。
……今は膝の上で寝てるから、大丈夫。



end.





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2025.6.5
Switch2未当選:(