三毛田
2025-06-03 22:15:22
1070文字
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12 012. 雲の隙間から射し込む光

12日目
ちょと眩しいけど悪くない

「眩しい……
「さっきまで暗いところにいたから余計だろう」
 外に出たら眩しくて、手で目を隠す。
 ずっと曇りだったのに、急に雲の隙間から光が差し込むのは、ずるいだろう。
「これで曇りではなく雨だったなら、虹が見えた可能性はある」
「へー。虹の仕組みって?」
「光の屈折だ」
「丹恒。今、説明するの面倒だと思っただろ」
「そうだな」
 俺が指摘すると、悪びれることなく彼はそう告げ。
 ムッとして腕をつつくと、頬を引っ張られた。
「ひゃんほ~」
「ふっ」
 頬を引っ張られたまま喋ると、彼は楽しそうに笑って。
 それから、キスをくれた。
「丹恒ってさ、突然こちらをキュンとさせる行動をするよな」
「惚気~! ウチに対する嫌がらせ?」
「違うってば! だって、聞いてくれそうなのって、なのしかいないから」
「そう言われると、拒絶できないウチがいる……でも、丹恒との話をいちいち報告しなくていいから!」
「はーい」
 お詫びに、二人で出かけた時に買ったお菓子を渡すとすぐに機嫌が良くなった。
 俺が言うのもなんだけど、ちょっとチョロくない?
「穹。また三月を困らせたのか」
 どうやら、ラウンジでの一部始終を見ていたようで。丹恒へ会いに行くと、そんなことを言われた。
「見てたの」
「パムに、休憩用の軽食を取りに来いと言われたからな。すぐに戻るつもりだったから、お前には声をかけなかった」
「恋人なんだから、かけてよ~!」
 寂しい! と飛びついたら、口に飴が。
 唇を開いて、大人しくそれを舐める。
「この間虹のメカニズムを訊ねてきたな。お前の端末に、わかりやすい資料を送っておいた。読みやすいように漫画を選んだから、呼んでいろ。読み終わる頃にまた声をかける」
「はーい」
 それならば、大人しく読んでいた方がいいだろう。靴と上着を脱いで、丹恒の布団に寝転がって目を通す。
 確かに、丹恒の言う通りこれなら俺でも理解がしやすい。
 雲の隙間からああやって光が射し込む現象も、名称があるのだと知ることが出来た。
「それで、今日はどうする」
 俺がスマホをスリープモードにした瞬間、声がかかる。
 後ろにも目があるのか?
「一緒に寝る!」
「いつもだな」
「俺のベッドで! 一緒にゲームして、ちょっとだけ夜更かしして、丹恒の胸枕!」
「夜更かしはちょっとじゃないだろう。いつもだろう」
「えへへ」
 誤魔化すように笑うと、おでこを撫でられた。
「お前は可愛いな」
「可愛いのは丹恒だってば~!」
 むすっとしながら告げる。とキスをされた。