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nogirota
2025-06-03 12:59:08
2438文字
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【アゼ&エメ小話】アゼム幾回目のやらかし【〜漆黒5.5】
ヒカセンが、光のエーテルに耐えられるのではと、期待したのはなんでかな。の、話。
「あ・い・つ・は、また
…
!」
十四人委員会の定例会が終わるなりカピトル議事堂からずんずんと大股で出てきた男、エメトセルクに周囲の市民は驚きや「またか」といった呆れのような視線を向けた。
「やあやあエメトセルク。お怒りみたいだね。アゼムのことだろう?」
周りが近寄りがたそうに開けた空間に、のんびりと青年が歩いて入る。
そのワクワクした声色を聞いて、仮面で見えないもののエメトセルクの眉の皺がさらに深くなる。
「ヒュトロダエウス
…
知っていたな
……
?」
刺々しい声色を向けられた青年は、いつもの事と流して肩をすくめる
「君の別件が落ち着くまでは秘密にしててって頼まれちゃっててね。言伝を聞いてるよ」
懐からぴらりと出されたメモをひったくって破れそうな勢いで開いたエメトセルクは、文字にざっと目を通すと
「あの
…
馬鹿は
…
!!!!!」
堪えきれなくなったように一言吼え、呼び出した使い魔に乗って駆け出していった。
「おっと。行ってらっしゃーい〜
…
ふふふ、帰ったらたっぷり土産話を聞かせてもらわないと」
楽しそうにその姿を見送ったヒュトロダエウスの元に、投げ捨てられたらしいメモが落ちてくる。
「まったく、君は用意がいいんだか、行き当たりばったりなんだか」
手に取ったものをあらためて一読し、丸めて懐にしまい直すと、彼は彼で自分の持ち場へと帰っていった。
『ハーデスへ
君がこの文章を読んでいるころには、例の土地で起こったエーテル爆発事故については収束しているだろう(アゼムである俺がなんとかするから!)
そして、君がこれを読んでいるという事は後処理に手間がかかっていてなんか大変になっている!
そこでお願いだ、助けてくれ😭
フォロスより』
ーーーーーーーーーー
…
エーテル爆発事故。1月ほど前に大量のエーテルを使用していた学者が、エーテルを暴走させ、周囲の環境を破壊してしまった。
幸い近隣の人手で結界を張る事ができたため影響範囲は限定的だったことと、エーテルが濃すぎて、その場に行くだけで体内エーテルを乱すため慎重な対策を
…
と十四人委員会で決定したはずだったが。
「何故独断で突っ込む
……
!」
別件の用事を済ませてアーモロートに帰還した直後に行われた今日の定例会。
アゼムの代理としてやってきた使い魔の伝言としては
……
アゼムがエーテルの暴走について対処した。環境の回復は住民によって行われる。対処した本人はもうしばらく帰る気はないから、報告書とかは待ってて
……
のことだった。
あの考えなしのことだ、どうせ無茶な方法をとったに決まっている。
何が『助けてくれ😭』だ。召喚術で呼べばいいものを、 こういう中途半端な危機には全く音沙汰がなくなる。
あいつが呼ぶのは生命の瀬戸際か、くだらない用事の時だけだ。
そろそろか、とアゼムを探すために視界をエーテル界にずらすと、異常にエーテル濃度が高い小さな点が見えて面食らい、思わず「はぁ?」と声が漏れた。
そのエーテルの塊が
「エメトセルク〜!助かるよ〜!!」
と慣れ親しんだ明るい声で叫んで手を振ってくるものだから思わず額に手をやらざるを得なかった。
アゼムの魂が覆い隠されるほどに光のエーテルを溜め込んでいる。本来の青と金にギラギラ眩しい輝きも目を凝らさねば見えもしない。
いくら旅人のための護りによりエーテルの変質が防がれているとはいえ何があってもおかしくない状況なのは一目でわかる。
「馬・鹿・者・が!!!!何をどうしたらそうなる!!!いいや、理屈は予想できなくはない、が、何故そうしたのか、まっ
……
たく理解不能だ!!!」
使い魔の背の上から言いたいことを一息で叫んだあと、すでに疲れた様子で飛び降りる。
叱りとばされたはずの男
…
相変わらずフードの端から青い長髪が垂れてだらしなく、戦斧を担いでいるアゼムは、ヘラヘラとなんでもなさそうに笑っている。
「火山の時みたいに散らそうと思ったんだけどさぁ、この量を一箇所で散らしたら影響でそうだし〜
…
クリスタルにすると運ぶのも大変だし
……
じゃあいったん自分ごと運べば良くないって思ってぇ〜
…
やってみちゃった!」
「みちゃった、で済むか!!!」
巨大な停滞の力が肉体を変質させようと渦巻いているが、器用にも魂や本質的な部分のエーテルは保護しているらしい。意識して行っているのか、感覚的に偶然出来ているのか分かったもんじゃあない。
いよいよ両手で顔を覆って大きくため息をつく。全く、いつもいつも
………
「で
…
どうするつもりなんだ」
「待ってました!」
なんでそんなに元気なんだお前は。
呆れている間に、アゼムは懐をゴソゴソして何かを取り出し「ばばーん」と効果音を口で言いながら高々と掲げる。高すぎて全く見えん。
「これから、闇のエーテルが活発な土地を巡りながら魔法生物を創って討滅するぞ!」
「
…………
」
掲げていたのは、光の魔法生物のイデアか。またヒュトロダエウスから借りたな
…
「説教は帰路でするとして
……
手早く終わらせるぞ」
「もっちろん!」
ーーーーーーーーーー
……
で、手早くと言いつつ何日もかけて影響の少ない土地を巡り
……
土地に戦いの傷をを与えたくないと駄々をこねるアゼムに折れて空中戦をして
……
アーモロートに帰った後ヒュトロダエウスの爆笑を聞きながら経緯を説明し、長々と説教をしたのだった。
…
あいつは器用なものだった。土地のエーテルの様子を教えてやれば、影響の出ない程度のエーテル量で魔法生物を作り出せた。しんどいしんどいと文句は言うものの、何日も光のエーテルを体に溜め込んだ状態で平然と討滅に撃って出て、普通に戦い
…
全く後遺症も残さず帰還した。
だから、もしかしたらと。
思ってしまったんだ。
冥い水底に沈むアーモロートを眺めて
エメトセルクは、ありし日のせいでしてしまった期待を捨てた。
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