ふみか
2025-06-01 16:27:39
2203文字
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来世、来世。

現代転生パロのファイアナ(3.3までのネタバレ)展開が鬱すぎて供養。🌿は出てもいない。


ファイノンが生まれた時から前世の記憶があった。
崩壊寸前の世界を救うために始めた火を追う旅。助け合い、共に歩んできた恩師、親友、学友、天外から来た相棒が一人、また一人が去っていた。これは永別じゃない、再会が約束された暫しの別れだと自分にそう言い聞かせた。
仲間たちの血と涙と命と引き換えに手に入れた、あれほど待ち焦がれていた再創世を、ファイノンは1人で静かに迎えた。

再創世後、恩師アグライアの代わりにオンパロスの指導者になり、そして半神になったファイノンはひたすら頑張った。人々のために、いつか転生する彼等のために、オンパロスの繁栄を取り戻すために。
頑張って、
頑張って、
頑張って、
頑張って、






そして気が付くと、ファイノンはいつの間に現代に転生した。
この世界はタイタンも火種も元素もないようだ。神と呼ばれる存在はいくつもあるが、どれも聞いたことのない名前ばかりだ。以上の情報は全て母に雑にデーブルに放置された"スマホ"を拝借して調べた。"スマホ"は性能も扱い方もオンパロスの石板とにてて本当に助かった。うっかり壊してしまったらまた母に殴られてしまうから。

今世の親は良くも悪くも、ごく一般的な夫婦だった。
父は小さな会社で勤めてるサラリーマンで、母は専業主婦だった。2人は合コンで知り合って、半年後結婚したらしい。いわゆるデキ婚だった。



「遊びのつもりだったのに、一回つけなかっただけで子供を出来てしまったなんて。あの人を呼び出して、伝えたら顔が真っ青になった。そこからずっと地獄だった。妊娠中はずっと働かさせるし、重い腹を抱えながら仕事とかまじ最悪だった。子育てはあたしがワンオペだし、あの人は仕事とか残業とか言って、全然帰ってこないし。久しぶりに帰ってきたと思ったら、好きな人が出来た別れよう、とかありえない。人を孕ませといて、子供と家のことを全部あたしに投げて、挙げ句の果て『好きな人が出来た』だと?ふざけんな。
一体どこで間違えたんだ。ああ、そうだ。アンタのせいだ。アンタがいなかったら、髪はきっと昔みたいにツヤツヤはずだし、お腹もこんな弛むはずない。お化粧をしてキレイな服を着て、素敵な人に出逢えるはずだった。全部アンタのせいだ。」



父だった人から慰謝料をぶん取って、毎日浴びるように酒を呑んで泥酔した母の譫言を静かに聴いていた。
これはきっと罰だ。勝手に転生して、みんなが託してくれたオンパロスを置き去りして1人で楽になろうとした僕への罰なんだ。"父"だった人も、目の前の母もただ僕の巻き添えを食らった可哀想な人だ。母を助けたい、けどできない。なぜなら自分はまだ走ることもできない幼児だからだ。無力な自分が唯一できるのは精一杯いい子で演じることだけだ。


保育園に入学したしばらく経って、母は夜に出掛けてパートで働くようになった。夜に家を出て、朝になったら帰ってきて、自分を保育園へ連れて行く。放課後は迎えに来て、ファミレスとかで晩ご飯を済ました後、また仕事に出かける。この繰り返しが半年ぐらい続いた。
母が迎えに来る時間がどんどん遅くなり、迎えに来ても保育園の先生が見えないところで家の鍵と飯代を渡されて、「もう仕事だからこれでご飯を食べて家に帰って」とだけ言い残してその場を後にした。
そこからまた半年が経って、母はとうとう迎えにこなかった。
いくら経ってもこないから、先生が電話してみたところ、母の電話番号は既に解約され使われていないと。

今思い返すとヒントはいっぱいあった。母のパートの給料が唯一の収入源だったので、なんとかギリギリやってきた生活がいつの間に豊かになった。最後スーパーの半額惣菜を食べたのはいつだったんだろう。どこか汚れてる使い古いの小さなカバンがいつ高級ブラントのバッグになったんだろう。弛んでる身体とボサボサ髪を嘆いてた母は年齢相応の姿を取り戻し、若々しくなった、などなど。
こんなにヒントがあったというのに、自分は全く気付いていない。いや、気付いていたけど見てみぬふりをしたかもしれない。母に泣きついて、置いて行かないで捨てないでなんて、言えるはずがない。彼女は自由に生きるべきで、自分はその自由を奪ったんだ。だから彼女を恨んでない。

母の両親は大変厳しい人だったらしく、見知らぬ男と婚前性交渉どころか、授かり婚までするなんて家の恥だとファイノンが生まれた時既に絶縁された。
頼れる人なんて誰もいなかったので、ファイノンは施設に入れられた。同じ部屋の子供と仲良いごっこ、年長者からの新入りイジメ、施設の先生たちのご機嫌取りも前の生活に比べたらそれほど苦じゃなかった。



ファイノンは暇さえあれば図書館に篭って本を読んでいた。状況を把握するためにまずは世界歴史からだ。それからあらゆる本を読み漁った。人文学、社会学、生物学、そして一番大事なのは経済学だ。ファイノンはいずれ施設を出なくちゃならない。生きるために金が必要だ。今のうちに技術と知識を身に付かないと。そう思って、ファイノンはますます図書館に入り浸かっていた。










(ハッピーエンド予定なのに展開が鬱すぎるのと、🌿先生の性別が決められないので、これはもう供養するしかないと。)