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千聖
2025-06-01 14:50:56
6101文字
Public
腐ロセカ
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7/13巡るいつかのSTAGE!での無配
神山高校2年生
体験授業
必須:牧場見学&乳しぼり体験
選択:ー、ー、ー、
日時:〇月〇日
昼食:BBQ(食材持ち込み不可)
服装:華美でなく、動きやすい服装
集合時間:9:00(現地集合)
解散時間:15:30(現地解散)
補足:おやつは勝手にしてください
お知らせ用紙を見ながら司は荷物の準備をしていた。1週間前から支度をするなんて恐らく真面目な司くらいしかいないだろう。お知らせには牧場での牛のお世話について学び、乳しぼりを体験させてもらい、お昼は横のBBQ会場が午前の日程である。午後からは乗馬体験、羊の毛狩りなど自由に見学することが可能であると記載されているし、事前にアンケートも取られていた。後日レポート提出さえすれば午後からは不問にするといったゆるゆる行事である。
「そういえば
…
類は選択なににしたのだろうか」
司は思わずメッセージを送った。まだ22時前だし流石に寝ては居ないだろうと思っての事だ。
『もしもし?類か??今大丈夫だろうか?』
『おや、司くん。こんばんは。こんな時間に珍しいね』
『あぁ、体験授業の準備をしていて
…
類は当日何か選択したのだろうかと思ってな』
『フフ。準備が早いねぇ。えっと、体験授業の選択だったよね?それなら体験は選ばずに少しづつ見学する予定だよ』
なるほど、類らしいなと思った。観察してそれを発明に活かそうとするやつだからこそ敢えて選択はしないとは
…
。
『司くんは?』
『オレも選択はしてないんだ!選びきれなくてな!』
仮の人数確認でのアンケートで、全てに丸をして提出したら教師にダメだと返却されたので最終的に当日空いているとこを選ぶかと選択せずに提出をした。
『司くんらしいね』
『その、良かったら一緒に回らないか??』
『特に回る相手もいなかったからいいよ』
『すまんな!ちゃんと類も支度はするんだぞ!』
『わかっているよ、お母さん』
『誰がお母さんだ!』
軽い冗談も入ったけれど、また明日と通話を切る。
(よし!!よくやったぞ!天馬司!!)
実は仲間である類に恋をしている司は少しでも何かきっかけが無いかと思って機会を伺っていた。そもそもなぜ恋愛感情を抱いたかと言うと全ては類の行動のせいだと思う。吊り橋効果かもしれないが、司を使った数々の実験という名の(実験の為の採寸等)身体接触、(演技の練習、エチュードだと言いながらの)告白シーンやデートシーンの数数!それらのどれもが継続されて行われれば司とて意識せざるを得ない。
昼は一人の時間を好んでいた司だったが、ランチの時間はほぼ一緒に食べることになったし、最初は類の家に行くなんてどんな人体実験をされるかと冷や冷やしたが、部屋が汚いのに目を瞑れば面白いものだらけで居心地は良かった。ショーに対する熱意も同じくらい盛り上がるのも楽しい。楽しいが続くと1人になった時になんだか胸にぽっかりと穴が空いたような寂しさが増えてくる。調べれば恋らしく、恋愛小説、恋占い、様々なものを調べていった。まさか自分が神代類に恋をしているとは思わず、では次にすることと言えばお付き合いをすることだ!と今お世話になっている恋愛指南書~大好きな人を射止めよう♡これをすれば100発100中♡あざと仕草500選!~を熟読した司は類の喜びそうな仕草をピックアップしていた。
「校外学習は恋が成就しやすいとこの恋愛指南書にも書いてあったからな
…
待ってろよ!類!」
そんな司の意気込みはさておき当日。
「なんか神代すげぇ牛に好かれてねぇ??」
「やっぱり牛も顔がいいやつに惹かれるのか?」
「そしたら天馬は
…
」
「うるさすぎて避けられてるな
…
」
類の周りには牛が集まっており、乳しぼりも上手に絞っていた。ちなみに司は下手なのかコツが難しく牛をやや怒らせていた。
(くそぅ
…
あんなにうまいのもオレの体をあんな目にあわせたからじゃないか!類の初めてはオレなんだからな!)
と謎の嫉妬心で類の方を睨んでいた司に、周りは嫉妬すんなよ天馬~!とちゃちゃを入れていた。
あんな目というのは普段のボディタッチで体をまさぐられ捲ってはいるものの、あの連絡をとった翌日から乳しぼりを練習したいと司の胸を更にいやらしい手つきでまさぐり、揉みしだき、1週間好き勝手されたのだ。最終的に牛とは違うから感覚が分からないねとなぜか牛のロボットを作ろうとしていたのを止めた。全力で。そもそもそんな行為もおかしいだろ!と止めない司も司であるのだが、本人はいけない扉を開きかけ胸を揉まれることに快感を見出しつつあったためこれがそもそもおかしい行動ということにも気づけていなかった。行為を1週間続けた体はついつい期待をしてしまっているし、類への思いも吊り橋効果でどんどんドキドキが増してしまっている。
「午後から
…
午後から頑張るぞ」
自分に喝をいれて午後からのデートをものにしようと張り切った。BBQはクラスごとなのでクラスメイトと食べていたら
…
「なぁなぁ!天馬!牧場のくじやってるぜ!」
「特賞でかぁ!!」
お土産屋でよくある1000円でハズレ無しのくじが置いてあった。司も最初は同じように見ていただけだったが、友人たちが面白がって引きはじめ、同じように引こうぜ!と誘われたものの一瞬悩んでまぁ咲希が喜びそうなぬいぐるみだなと下の小さなぬいぐるみのラインナップばかりみて1度だけなとお金を店員に支払った。
当然下のラインナップから選んでる友人を見ているので特賞のことなど見ておらず
…
。
「おめでとうございまーす!!特賞の牧場オリジナル、モーモー牛乳瓶ドデカ抱き枕になります!!」
「は?」
周りの友人も開いた口が塞がらない。それはそうだろう。ドデカもドデカ。140cmもある抱き枕なのだから
…
小柄な女子なら絶対に持って帰られないほど大きい。
「でかっ
…………
」
友人の1人がやっと口を開いたことで皆が口々にデカイやばい!流石天馬!と大騒ぎする羽目になって教師にも呆れた顔をされた。
「持って歩けぬが
…
」
「お帰りの際までお預かりできますよ!」
と、とりあえずお願いして類との待ち合わせ場所に向かった。
「おや、司くん。なにやらそっちは物凄く盛り上がっていたけれど何かあったのかい?」
「あ、あぁ
…
くじをひいたんだが
…
特賞を当ててしまってな」
「それは凄いじゃないか!何が当たったんだい?」
「抱き枕
…
だな
…
物凄くでかい
…
」
「フフ。司くんが言うなら持って帰るの苦労しそうだね」
「なっ⁉オレよりは小さいわ!そもそもオレと同じくらいならお前でも持って帰るのは苦労するからな!」
そうだねと類はパンフレットを開きながらどこから向かうんだい?と話をそらす。
「むむ。まずはヒヨコふれあい広場にいこうではないか!!」
「随分と可愛らしいとこに行くんだね」
「お昼を食べすぎたからな
…
腹ごなしにふれあいの方がいいかと」
「あぁ。なるほど、いいよ。それじゃあ行こうか」
類はそのまま前を向いてこっちだねと歩き出す。その手を思わず握りたくなった司だったが勇気が出ず自身の手をきゅっと握って我慢をし、後ろをついて行った。
「見ろ!!ふわふわもこもこで愛らしいぞ!」
似たような髪色の彼が似たような毛色の生き物に囲まれている図はそこそこ面白く類は微笑ましそうに眺めていた。黄色以外の謎の色のヒヨコもいたが恐らく泥水で遊んだだけなんだろう。そうなんだろうと類は一旦スルーをした。
なんせ彼の周りにはヒヨコ達が群がり頭や肩にまで数匹乗っており、それの頂点を陣取っているのがその謎の色のヒヨコなのだから。といっても飛べないので他の黄色いヒヨコを乗せたのは類なのだが
…
。乗せてもいないのにあの謎の色のヒヨコはどうやって
…
いや、考えないようにしよう。そう、自問自答をしていれば司はヒヨコに語りかけていた。
「む?類の方へ行きたいのか?」
両手を広げた所によちよちと歩いていたヒヨコは類の方へと向かって嘴を出す。まるであっちに連れていけと言わんばかりだ。
「類、手を出せ」
「はい、どうぞ」
両手と両手がピタッとくっついて類は思わず目を見開いた。
(どうだ!類!さりげなく触れるとドキッとすると指南書に書いてあったぞ!)
ヒヨコは何も気にせずトコトコと類の掌へと移動をする。
「可愛らしいね
…
司くん?」
「ん?あ、あぁ!可愛らしいな!」
司が注意深く類を見ていると顔はいつも通りなのに耳は真っ赤な類がヒヨコを愛でておりもしかしてこれは
…
脈アリなのでは⁉と胸がキュンと高鳴った。
(司くんも耳と首が真っ赤だ
…
僕も驚いたけど仕掛けた本人がこれって
…
可愛いなぁ。ここでキスなんてしたらもっと驚いちゃうよね)
類だって司への恋心を持っている。そもそも持っていない子に乳搾りの練習をさせてほしいなどと言わないし普段からボディタッチで体をまさぐらない。そんな所も含めて好きだなと思っているし、もっと意識してくれればいいのにと無茶振りもするし、隙を見せて触れてきてくれたらいいのにと思っていたので今のボディタッチは本当に嬉しかった。
「る、るい!そ、そろそろ次へ行かないか??」
触れていた手はとっくの昔に離れていたが、つんっと類の服の裾を掴んでいる。
「
…
っ、次はどこへ行こうか?」
「次はポニーを見に行こう!すぐそこだぞ!」
「いいね。そういえば乗馬体験もあったけれど
…
乗らなくて良かったのかい?司くんなら乗りたいとそっちに行くかと思っていたよ」
「乗れるなら乗りたかったが、別に昔から乗っているし今更というとこもあるな」
「
…
そうだね。司くんの家ならありえるよね」
なんなら持ち馬がいて名前はペガサスワールド号だぞとか言われてもおかしくはないなと類は思った。
「丁度ご飯をあげるとこみたいだな」
「うわぁ
……
」
食べているところは可愛いがポニーが食べているものは人参である。
「類
…
お前
…
」
「可愛らしいけれどね。野菜は見たくないよ」
そっと食べ終わるのを待つように司の肩に顔を埋める。ピクっと司の体が跳ねたが何も言わずにガチっと固まってしまう。
「司くん?」
「
……………
そろそろ食べ終わったようだぞ」
顔を馬の方に向ければ飼育員達も片付けを始めていた。
「ん~もう少しだけ。ちょうどいい高さだね」
傍から見たら高身長男子が何してるんだと思われるかもしれない。だが、変人ワンツーフィニッシュかぁ~で流されるほど神高の生徒達はスルーである。それを逆手にとった類は腕の中に収まる司とこの心地良さをもう少し堪能していたかったからの発言だ。一方司はそれどころではなくかなり頭がパニックだった。
(こういう時のあざとい仕草
…
あざとい?ってなんだ?え?オレはどうすればいいんだ??なんかもう類の匂いも体温も近くて心地よくて力が抜けそうだ。そう。例えるならいつものお泊まりで類と抱き合って寝る時みたいな感覚だ)
一瞬でもこのままでいいかなんて考えを一蹴して慌てて司はペシペシと類の頭を軽く叩いた。
「オレは枕ではないぞ!枕が欲しいなら例の特賞をやる!」
「
…
それは遠慮しておくよ」
グイグイと頭を押されてしまえば離すしかなくて類はそっと抱きしめていた腕を離した。その時に一瞬だけ司の腕が動いた気がしたが気づかないように腕をおろす。わざと手と手が触れるようにして。手の甲と甲が触れ合っている状態とそれだけの距離感であとは司が勇気をだして手を握れば良いだけなのだが司はこんな時ばかり勇気が出ずこのままの状態も悪くないなと自分に言い聞かせた。
「次は羊の見学だな。毛を刈るとこを見させてもらえるそうだ!なんなら体験もしてみたかったものだな」
あのまま手も繋げずピタリと横にはついて歩く2人。そこら辺のカップルよりはくっいている気はする。
「わかるよ。簡単そうに見えるけれど皮膚との境目を刈るのは中々至難の業だと思うんだよね」
「確かに!一歩間違えたら羊を怪我させてしまうのか
…
」
羊の毛は見てる分にはふわふわで気持ちよさそうだったが、毛を刈ってる飼育員は汗だくになっていたので羊毛はやはり暑いのだろうかと考えてしまう。
「そういえばセカイには羊のぬいぐるみはいただろうか」
「どうだったかな?ショーの主役になるお話を考えればでてきてくれそうだけれど」
「ふむ
…
羊が主役か
…
眠れない人を助けて回るお助け羊なんてどうだ?悪夢を食べてくれる獏と争うんだ!悪夢を見てくれないとお腹が減る獏と皆に笑顔で楽しい夢を見て欲しい羊!」
「司くんの考えるお話はいつも楽しくて良いね。演出のしがいがあるよ」
「そうだろう!そうだろぅ!っけほっ
……
むぅ。少し喉が渇いたな」
昼からノンストップで見学をして回れば喉も渇くだろう。辺りを見回して近くのショップで飲み物を買い少し休憩することにした。
「な⁉なんだこれは!牧場数量限定のスーパーウルトラミラクルスターミルクだと⁉類!!これにしよう!!」
「うーん。僕はこっちのミルクセーキにするから大丈夫だよ。それにそれ最後の1本だし」
「むむっ⁉い、いいのか?」
「僕のことは気にしないで。きっとそんな特別なミルクなら司くんの身長も伸びると思うしね」
「おい。さらっと嫌味を言うな
…
」
買った2人は外にあるベンチに座ってごくごくと飲んでいき一息ついてから類の方からポツリと言葉が漏れた。
「ふぅ
…
結構見たね」
「あぁ!すごく充実したデ
…………
」
「で?」
「いや、あの、そ、それはだな!」
「どうかしたのかい?」
司にしてはしどろもどろと目線をキョロキョロと泳がせながら口をパクパクとさせるだけで言おうか言わまいか悩んでいるようだった。
(充実したデートみたいで楽しかったなどと口走りそうになってしまった!しかし類といるといつだって楽しくてふわふわした気持ちで類も同じならば良いのにといつも思ってしまう
…
ぬぉぉぉ!漢を見せる時だぞ!天馬司!!)
決心したのかいつもの声量で類を呼ぶ。
「類!!」
「うん?何かな?」
しかしその声量もすぐに也を潜める。
「るい
………
好きだ」
「っ
…
!!」
小さな小さな絞り出すような声で好きだとストレートに告白をした。類はといえば、いつもの澄ました顔ではなく少しだけ瞳孔を開いて驚いている顔をしていた。
「えっと
…
すきって
…
」
「恋愛の好きだ
…
友情の好きではないぞ」
「フフ。分かっているさ」
うぅ~と顔を真っ赤にしながらやや俯く司の顎を急に掬ってちゅっとキスをする。
「好きだよ。司くん」
「な⁉
…
お、お前今!!」
「ダメだったかな?」
「っ
…
めじゃない
…
」
「晴れて恋人同士よろしくね」
するりと手を取り恋人繋ぎをするように手を絡める。
「こちらこそよろしく頼むぞ!!」
ずっと繋ぎたかった手に司はぱぁっと顔を明るくする。そして繋がれた手を嬉しそうに強く握り返した。
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