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Ymi:no
2025-05-31 21:24:04
1369文字
Public
ビマヨダ小話
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ハッピー・ラッキー・スケベデイズ! ~マスターの幸せな奸計~
ハッピー・ラッキー・スケベデイズ!のビーマは知らない一幕。裏側で奔走するマスターの企みとは…?
「わし様〜? 聞こえる〜?」
「
…………
聞こえとるぅ
……
」
通信機越しに問いかけると、何ともゆる〜い返事が返ってくる。のんびりしている、というより呆然としているといった塩梅の声に、思わず苦笑が漏れた。
ドゥリーヨダナの報告によれば、今朝方ビーマと出会った際に、ビーマに押し倒されるという
事
・
故
・
にあったらしい。事故ということに立腹しつつも、満更でもない表情で胸を揉みしだかれ、ちょっとした希望を
見出
みいだ
したらしい。
希望も何も両想いなんだよなぁと思いつつ、二人の仲が確実に拗れないよう、立香は入念に聞き取りを行い計画を練る。二人から別々に相談され、想いを知っているからこそ、二人には堂々と幸せにゴールインして欲しい。そのために二年という月日をかけてまで、二人の相談に乗ることで関係性を誘導してきたのだ。甲斐あって二人ともいい感じに出来上がっているが、立香としても最後のひと押しを決めあぐねているところだった。そこにこの吉報である。
――
勝利の女神は立香に微笑んでいる。
「ドゥリーヨダナ、その原因分かったよ」
「本当か?!」
ドタンと大きな音を立ててドゥリーヨダナが叫ぶ。想い人との初の性的な接触に余程気を揉んでいたようだ。先程の腑抜け具合が嘘のように溌剌としている。音声通信なのをいいことに、にししと口の端を歪め、立香はドゥリーヨダナを唆すべく口を開いた。
「これはチャンスだよ、わし様。ビーマはいま霊基異常にかかってる。接触した
人
ひと
相手にラッキースケベが起こるんだって」
「ラッキースケベ
……
そうか、それで今朝は
……
」
ドゥリーヨダナの報告を受けた後、立香はビーマが医務室を訪ねるより前に、サンソンに協力を仰いでいた。ビーマの情報を横流しして欲しい、と。二年にも及ぶやんごとなき事情を聞かされたサンソンは、本当なら駄目なんだけど、と前置きしつつも了承してくれていた。それによって判明したのが、ラッキースケベという霊基異常だった。
こっそり文字通信でリアルタイムに送られた情報には、ドゥリーヨダナ限定と書かれていたが、焚きつけるには少し都合が悪い。なので立香の方でいい感じに
言
・
い
・
換
・
え
・
て
・
伝える。
嘘は付いていないし、何より二人のためである。心を鬼にして更に言葉を続けた。
「ドゥリーヨダナから見て、満更でもなかったんでしょ? なら霊基異常にかこつけてアピールすればいい」
「アピール
……
」
「抱きたいと思わせたらドゥリーヨダナの勝ちだよ」
「
………………
!!!!」
――
かかった。にんまりと口の端を吊り上げ、立香はひっそりと笑う。
「今なら何をしても霊基異常のせいにできる。リスクなくビーマにアピールできるなんて、またとない機会でしょ?」
「確かにその通りだな
……
! でかしたマスター!」
通信機越しに聞こえる豪快な笑い声に、今度こそ本心から笑い返して、もうひとつ情報を付け加える。
「どういたしまして〜。ところでドゥリーヨダナ、ついさっきビーマが医務室を追い出されたみたいなんだけど」
「なんだと?! それは早速のチャンスではないか! ではまたな、マスター!」
「はいはーい、いってらっしゃい!」
俄に慌ただしい環境音を聞きながら、立香は晴れやかな気持ちでドゥリーヨダナを送り出したのであった。
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