いを
2025-05-31 16:17:27
4247文字
Public タグ、掌編、その他
 

タグまとめ18

刀神
モイラと鼎と糸車
アカデメイア・プルート
ブツメツフツマ
ダーリンランデヴー!
それぞれフォロワーさんのお子さんお借りしています。

在り処(刀神/逸夜さんと政親|お返し)
「あ、絃識先輩。こんにちは。アドバイス頂いたこと、ナビ先に伝えたんやけど、〝君の関西弁おもしろいからそのままでいいよ〟やって。よう分からんけど、へんに入ってた肩の力抜けたみたいでよかったわ。あ、ちゃんとその方、無傷で帰ってきてくれたで。アドバイスありがとうございました」


滴らない愛がいい(刀神/白梅氷華さんと一葉)
「白梅、雪の季節が終わってしまったけど、あとみっつ季節が過ぎたらまた冬になるね。そのときまた一緒に雪を見て、雪が溶けたら白い梅の花を見よう。夏になったら……あ、かき氷がある。アイスと一緒に食べようね。やっぱり白梅はバニラやミルクのアイスが好きなのかな」


胎動の脂(刀神/蓮人さんと政親)
「今日はな、スパゲティにしようと思ってな。蓮人さんはトマト系のとクリーム系の、どっちが好き? ぼくはトマト系が好きやな。ナポリタンもミートソースもええ。あとなにあったっけ。あ、オイル系。ペペロンチーノな。真っ赤な唐辛子が好きやねん、ぼく。辛いのも好きやで。オトナやろ」


灰色の合掌(刀神/雪華冰さんと桂木)
「よお雪華冰殿。俺たちの異能で寒ぃ寒ぃって言う人間も少なくなってくる時期になったな。夏になりゃありがたがる人間も多いけどさ、寒すぎてもそれはそれでしんどそうだし。暑ければ俺も役に立つかもしれないが、寒けりゃ……まあ、着込めばいいか」


急がば回って望みどおり(刀神/橙輔さんと政親)
「このへんの道、ショートカットできるようなとこあればいいなって思ってるんですよ。どうして踏切の先に鳥居があるんや、ここ。どういう作りなん? やっぱ天照本部がある街は違いますわ。ひととおりこのあたりの道は頭に叩き込んださかい、ナビくらいはできると思います」


ゴースト・ウィズ・ユー(刀神/白仙華さんと桂木)
「前……っていっても二百年くらい前だけど、俺が奉納されてた神社でさ、神楽を見たんだ。俺へじゃなくて居候先の神どのへ、だけど。寒い冬の日だったな。雪が降ってきらきらしてて綺麗だったなぁ。白仙華殿も忘れられない風景とか光景ってあったりする?」


その名に結ぼる(刀神/ボボさんと菊司)
「鯉朽隊が着てる防具さ、あれもうちょっと弄って軽くできないかなって思ってるんだけど、やっぱ防御力落ちちゃうんだよね。重かったら咄嗟に動けないこともあるだろうし。……あれ、なんか今、僕すごい峰柄衆っぽいこと言ってる気がする。……左流どの、重量と防御力どっち取る? それとも……両方?」


ただ怖気づいているだけ(刀神/たぬさんと蓮)
「四月朔さん、ちょっとこれ見てもらえるか。……聞こえない? 悪いな。あ。いや、そんな屈まなくてもいい。腰が心配になる。声が聞こえるくらいでいいから。で、ここの…………。ええっと、ぽこ……さんだっけ。ケーブル囓ってるけど大丈夫か?」


変色(刀神/祭さんと月草)
 雪魄月草刀は、昔――いつだったか、忘れてしまったが映画を観たことがある。そのころは活動写真と呼ばれていて、音楽は生伴奏、活動写真の解説をする人間達のことを活動弁士と呼んでいた。今は色がつき、活動弁士もおらず、音楽は巨大なスピーカーというものから流れる。時代は変わるし、職業も変わるし、言葉も変わっていく。「どうかされましたか」そう、しずかな声が聞こえてきた。となりを見ると祭がこちらを見上げている。いいや、と答え、映画のポスターを見る。キネマ、古い美しさ。だが、その美しさは変わらない。変わらないものがある。変色したとしても、根底は変わらない。それが人間たちのいう「美」なのかもしれない。


夕凪(刀神/鉄斎さんと青嵐)
 薄いチョコレート。触れたらとたんに溶けてしまうものを、人間はきっと「儚い」と呼ぶのだろう。「甘いもの、お好きでしたか」彼がいう。手元には厚いグラスに苺の果肉とクリームが入っている。グラスが厚いので、向かい合う自分の顔が歪んで見えた。「ええ、好きです」と答えると、彼は銀のスプーンを持って苺をそのくぼみにのせた。今にも溶け出しそうな真っ赤な色。自身の手元にはチョコレートソースがかかったパフェ。こっくりと濃い茶色をしたソースを見下ろして、これがあの儚さとおなじ種類のものだと思うと不思議だった。「千葉さんは苺がお好きなんですね」と、笑いかける。「チェーン店のカフェにも苺関連の飲みものがたくさん出てきて困ります」彼は本当に困ったように笑った。「好きなものも、度を過ぎればなんとやら……ですね」彼は目尻をさげて「はい」、そう答えた。


慈雨(刀神/八雲さんと小夜子)
 最近首のあたりが煩わしい。髪が伸びてきたからだ。夏になるとさらに暑くなって、痒くなるのだろうかと思う。「どうしたの、小夜子ちゃん」髪の毛の先をじっと見ていると、八雲が覗き込んできた。「髪、切ろうかと思って」そう素直に伝える。「手入れ大変そうだもんね、長いと」彼はとなりに座って、足を組んだ。煙草を吸いたそうな雰囲気。「吸いたければ吸ったら?」髪から手を離す。ぱらぱらとまばらに背中に流れた。「残念ながら、このへんは禁煙なんだよね。喫煙者は肩身狭いよ」そういって肩をすくめた。足もとにちいさな花が咲いて揺れている。よく見ると花びらに水をたたえていた。小雨でも降ったのだろう。ベンチは相変わらずひとが少なくて、がらんとしていた。昼は賑やかなのだが。「もうじき梅雨ね」、何気なしに言うと彼も同じようなトーンで「そうだね」といった。


定義(刀神/橘ノ祝さんと政親)
 分からない、という。橘ノ祝は困ったようだった。手元には教科書、ノートとシャープペンシル。「刀神さんもわからんかぁ」食堂の机に突っ伏しながら、大きなため息をついた。「ウチ、そういうの圏外だから」すこし申し訳なさそうに彼女はいうが、刀神が「圏外」というのはなんだか面白かった。「ぼく学生やねん。天照の業務と掛け持ちって偉くない?」のそりと机から上半身をおこして、目を擦った。「えらーい」妙に間延びした彼女の言い方がやはり面白くて、ふっと笑う。「これで短大行くんやから、さらに偉いわなあ」シャープペンシルをくるくると回して、肘を突きながら教科書を覗き込んでいる橘ノ祝を見た。「ひめっち、短大行くんだ」そういったので、「おばけのおじさんが行っとけって」なんだか言い訳じみているけれど自分も短大は行くべきだと思っているので、よしとする。


円環の前触れ(モイラと鼎と糸車/夢見さんへ・大森)
「最近、眼鏡が合わなくなってきてしまっていて。硝子も厚くなるばかり……。あ、失礼しました。ところで夢見先生、こちら、見事な大木ですね。新緑も、まばゆいばかり。そろそろ田植えもはじまる時期でしょう。こうして緑を見ていると、目も休まる気がするんです」


散りぬる詠み人知らず(刀神/鉄斎さんへ・青嵐)
「おや、あんな高いところに蟷螂の巣が。今年は大雪でしょうか。……失礼。千葉さんは虫がお嫌いでしたね。聞かなかったことに。……話を変えましょうか。私の家、とうとうロボット掃除機を導入したんです。するとどうでしょう、式神の降魔がその上によく乗ってまして。ラクすることを覚えたようです」


いないいないばあの花束(アカデメイア・プルート/スズネさんへ・ルーシー)
「スズネ先輩、この前教えてもらった秘策、試した! なんと、赤点にならなかったんだ。えんぴつ転がして答え決めるの、いいかもしれない。でも、わかんないままじゃ、だめだな。今度は先生に教えてもらおう。おれ、歴史が苦手なんだ。いっぱいむずかしい言葉があって目が回るぞ……


瞬かない不文律(刀神/白夜さんへ・青嵐)
「認められていなかったものが認められるようになること、その成長や変化こそが人間として一等の喜びであり、快感である。あなたならご存じでしょう。ゲイン・ロス効果というようですね。認められたいものがあなたにはありますか? 私にはあります」


燃えない幾星霜たち(ブツメツフツマ/公紲さんへ・無告)
「幼い頃の夢、実は和菓子屋さんだったんです。誰にも言っていないことですけどね。その頃は、私の家が寺だということを同級生みんな知っていましたから、黙っていました。家にも。でも夢を見るくらい、その頃は自由だったはず。もう遅いことですが……。君の夢は、なんですか?」


枯れ枝の冠(刀神/戒靜さんへ・青嵐)
「この季節は日差しが強いですね。私のような者は屋外に出る気にはなれず……。十九渕さんも強い日差しを浴びたら肌が痛くなるのでしょうか。赤くなったり、とか。紫外線が強い日に、うまく遮断できるような符術でもあれば嬉しいのですが。ふふ、そうですね、今はなさそうです」


眼前にいる涯て(刀神/榊さんへ・青嵐)
「葛尾さんは占いにご興味ありますか。呪術ではなく、純粋な占いです。右足から出すか左足から出すか、たまに迷うことはありませんか。当たるも八卦当たらぬも八卦、といいますから軽い気持ちで聞いてみては? ――なんて、前線で戦うあなたを占うことは、野暮でしたね」


ワールズエンド・アクアリウム(ダリラヴ/葉山さんへ・水位)
「カウンセラーって、治しても患者から感謝されないよね。外科医はまあ感謝されることあるけど、助けらんなかったら遺族が責める。超両極端。けどまあ、俺らは特研になったんだからそれ以上のことするワケだけど。あはは。マウス代わりの人体実験、サイコーに痺れるね」


ベラ・ノッテ、綺羅めく常夜の夢(ダリラヴ/ショウさんへ・水位)
「青い糸と赤い糸、どっちがいい? けどまー、あんたらは縫うヒマもなく治っちまうんだろうけど。人間じゃあそうはいかんからな。……あ。マウスになってもいいなら俺に教えてちょうだいね。きっちりデータ余すことなく取って役立てるから。開くも閉じるもお手の物!」


ネバーランドゆき水中列車(ダリラヴ/ソーマさんへ・水位)
「地獄なんてモンがあの世にほんとにあるとはねぇ。チビんときは知らなかった。お前見てると地獄ってあるんだなって思うよ。俺、昔医者してたんだけど今じゃこーんなクソみたいな職業だ。俺も、フフッ、お前が行ってたトコと同じ、地獄行きだろうな。あ、ハンバーガー食う? 食いかけだけど」