トウメイ希望
2025-05-31 13:31:40
2424文字
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ひたすら効果音について語っているだけ


モアナ映画の効果音が好き。音楽未満で、字幕にも楽譜にも乗らない、アルバムになれば消されてしまうような効果音が大好き。
モアナ映画にはたくさんの自然の音が出てくる。
波の音。おだやかな波の音、波の泡がはじける音、
風の音。叩きつけるような風、帆が風を受ける、風を切る。
砂の音。蹴られて跳ねる乾いた砂、波に流される砂、塊ごと巻き上げられる重い砂。
開放的な空間では、音はすぐに散っていく。閉鎖的な空間では、何度も跳ね返って長く響く。
そういう多種多様な音の効果が、平面なはずの画面の映像に空間の分厚さを足してくれる。
昼なのか、夜なのか、空間が広がっているのか、閉鎖的なのか、カラっとしているのか、じめじめしているのかを、効果音が伝えてくれる。
五感を複雑に組み合わせないと感じ取れないはずの臨場感を、効果音が支えてくれる。

中でも大好きなのは、「光の粒子が打ち合う音」だ。
当然光に音は無いから、現実にはそんな音は聞こえてこない。
現実には存在しないからこそ大好き。これこそがディズニーが表現する、リアリティを越えた魔法の世界だと思う。
現実で似ている音を探すなら、クリスタルやガラスの小さな粒が打ち合う音、かなぁ。あくまでもイメージだけど。
楽器だったらウィンドチャイムが近い気もするけど、ちょっと音階が規則的過ぎるかな……。人間が演奏するんじゃなくて、風が鳴らすウィンドチャイム、が近いかも。あ、だからウィンドチャイムっていうのか。あとあんなに音の余韻が長くない。
擬声語にするなら、キラキラキラ……になるのかなぁ。

この光の粒子が打ち合う音は、だいたい青い光の粒とセットで鳴っている。
例えば夜の海が語りかけてくれる時とか、そんな時。神様が星々の魂を溶かしこんだような、あの神秘的な青い光の音。(現実だったら夜光虫とかっぽいのであんまりいいことじゃなさそうだけど、そのあたりは深く考えないことにする)
あとご先祖様が力を貸してくれる時もこの音が鳴る。ご先祖様の周りにはつねにこの光がただよっている。
この音が儚さ、清らかさ、神秘性を表現してくれている。精霊の音、という感じ。もうホント好き。
特に激しく鳴っているのは、モアナが復活するとき。この時ばかりは光の色は力強い金色で、だから音の粒は同じでも、粒子の打ち合い方が激しくて強い。(ちょっと顕著すぎて儚さは無いけども、モアナ復活! という場面ではこの力強さが適切だと思う。きたきたきたきたーッ! って高揚させてくれるから)
刺青が入る時にも入っているけど、この時には少し炎がはぜるような音になっていて、だから光のイメージも熱い。

そしてこの魔法の音は、「味方の音」でもある。だから、神々の通り道を抜けてナロからの贈り物を差し向けられた時、モアナは水平線から寄ってくる青い光を見て祖母だと勘違いするけど、この「光の粒子が打ち合う音」は鳴っていない。効果音ではなく祖母と会う時のメロディーラインが流れ、光の粒子が打ち合う音が鳴るかと思った瞬間、ナロを彷彿とさせる帯電の音に変化していく。

同じ魔法の音でも、マタンギはこの音を立てない。
彼女ははためく風の音だと思う。迷え! 歌唱シーンでも、結構波が立ってるけど、波の音は極力消されている。代わりにマントが風を受ける音が動きに合わせて鳴る。風を受けて止まったり、方向転換したり、そういうマントが立てる風の音のおかげで彼女の体重の無さ、浮遊感が表現されている。
同じ「風を受ける音」でも、船の帆が風を受ける音とはまた違う。マントの場合は風が逃げていくので、バサッという完結した単音が不規則に鳴る。船の帆は柱にくくりつけられているので、バサバサバサ……と連続して鳴り続ける。

ナロは嵐と雷の神様なので、電気の音を立てている。彼の魔法はパリパリ……とか、チリチリ……みたいな帯電の音が常にあって、それが緊張感を生み出してくれる。そして襲ってくるときは、その音がついに弾けて雷になったり嵐になったりする。

マウイは味方の魔法使いだけど(なんかこの言いかただと怪しいな)、パワー重量系なのであんまり光の打ち合う音は立てない。儚さとは無縁の男なので……
彼は地響きの音、風を切り裂く音、みたいな、空間や地面を揺るがす音を立てることが多い。風の裂き方も、ヒュッという軽さじゃなくて、ビュンッと重たくて勢いのあるものが、空気の圧を強引に押し割っていく感じ。彼の立てる衝撃波を受けたら、ピッと肌が避けるんじゃなくて、押し寄せた空気の塊に張っ倒されるんだろうな、という重たい音がする。
力強さゆえに神秘性や儚さとは無縁な男マウイだけど、ミニ・マウイの動作音はこの光の粒子が打ち合う音なあたりが面白い。やっぱり味方の魔法の音、なんだと思う。
できるさ! チーフー内で力こぶの刺青をカーテンを開くがごとくあけるシーン、ぜひ見直してください。めっちゃキラキラキラ……みたいな音がしてるから。

余談だけど、無印のテ・フィティの心の光の音はこのキラキラキラ……音じゃない。キラキラ音は小さな音の粒が幾度もぶつかり合って鳴る、みたいな感じたけど、テ・フィティの心はイィィィィィン……みたいな一音が、抑揚をつけて鳴り続けている。絶え間なくあふれ出る命の光の音、はまた違うんだろうなぁという。彼女の魔法は別格なのかな。湧きいづる、みたいな印象。


こういう音の効果は、せっかくだったらメモとしてじゃなくて小説に昇華したいなぁ~とずっと思っていたけど、技量が無くて書ける気がしなかったのでここで供養。いつか自分の小説にもこの「魔法の光の粒子が打ち合う音」を入れたいのだけど……
小説に取り込む方法が思いついてどっかで似たようなこと言ってたら、「また言ってるなぁ~」って見なかったことにしてあげてください。好きなことなので、多分一度取り入れたら何度でも書いてます。