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三毛田
2025-05-30 22:05:02
1082文字
Public
1000字4
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08 008. 木立さざめく
8日目
通りを抜けて
街路樹がたくさん植わった道。並木道っていうのかな。
風が吹き、木々が騒がしくなる。
「ん。今日は風が強いな」
風除けにかぶっていたフードは、あっさりと外れてしまい。
柔らかな黒髪が、風に揺れ。
「穹?」
少し乱れてしまったそれを優しく撫でつければ、不思議そうに俺を見る。
「好きだ、丹恒」
「きゅ」
俺を呼ぶ声よりも先に、唇を塞ぐ。
「ふはっ。真っ赤になっちゃって、丹恒ってば可愛いな」
ほんのり熱を盛った頬を撫でれば、指に噛みつこうとして。
「おっと」
グルグル唸っているのが、俺の耳にだけ届く。
「丹恒、耳出ちゃってるよ」
「お前のせいだっ」
指摘しながら耳を撫でれば、今度は叩き落された。痛い。
「丹恒、ごめんってば」
フードを深くかぶり、耳だけじゃなく頭全部を隠してしまう。
それはそれで可愛いのだが、俺としてはきちんと顔を見ていたい。
「わっ」
また風が強く吹いて、木々だけじゃなく俺たちの上着も揺らして。
「きゅうの、ばか」
「ごめん」
「外でキスをするのは、嫌だと言っていたのに」
「うん。言い訳だけさせてもらうなら、丹恒が可愛かったから」
「お前は、いつもそればかりだ。俺のことを考えていない」
「そうだ。そうだな」
フードの頭を抱きしめ、それから撫でる。
背中に回った手が、ポスポス叩いてくる。いつもより力が弱いから、甘んじて受け入れる。それしか出来ない。
「もう、帰る」
「ごめん。うん、帰ろう」
「うう
……
」
珍しく、子供のように駄々をこねて。
唸りながら、ぎゅうぎゅう抱きしめてきた。
「お風呂でもベッドでも、どこでもお前のその暴力的な攻撃受け入れるから、今は落ち着こう。な?」
腰に回ってきた尻尾の先をそっと撫でると、睨まれてしまい。
とりあえず尻尾を隠してもらって、列車に戻り。
「おかえり。なんじゃ。喧嘩でもしたのか」
出迎えてくれたパムは、呆れたように俺たちを見て。
「俺が悪いんで、俺を叱ってください」
「きちんと仲直りすること。よいな?」
「
……
ん」
「はい」
丹恒の手を引いて、俺の部屋へ戻る。
でも、許してもらえるような雰囲気ではない。
「ん」
「丹恒先生?」
「お前が体を洗え」
「はい。仰せのままに」
服を脱がせ、ランドリーへと入れ。それから、頭のてっぺんから爪先まで綺麗に洗う。洗わせてもらう。
「水だったとしても、文句は聞かない」
「はい」
まあ、今日はシャワーだけで済ませてもいいだろう。
それで丹恒の機嫌が直るのなら、俺としては構わない。
「丹恒、好きだよ」
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