三毛田
2025-05-27 14:27:24
1065文字
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05 005. 冷たい態度とうらはらに

5日目
俺たちにはとても甘くて優しい

 常に冷静で、俺となのがふざけていても淡々と言葉を向けてきて。
 厭味ったらしいわけでもなく、ただ事実を口にしているだけなので、特に反発するつもりもないのが現状。
 なのはそれが気に食わないのか、時々反発して噛みつくようなことを言っては返り討ちにされている。
 人を寄せ付けない冷たい態度とは裏腹に、一度懐に入れて信頼した相手に対しては、ゲロ甘なのが丹恒先生。
 その証拠に、なのを返り討ちにしても心を折るまではしない。じゃれついた子猫をあしらう親猫のような感じだろうか。
「丹恒のばか〜!」
「三月が悪いのだから、俺にそう言われても困る」
 今日も今日とて丹恒に絡みに行っては軽くあしらわれていて。
 懲りないのかな?
 俺? 俺は今夜予約を入れたので、かまってもらえる。
「空き時間を有効活用したいのなら、これだな」
「なに、これ」
「ビーズアクセサリーのキットだ。ハサミやピンセットなどの道具は別途必要だが、作成するための素材はすべて揃っている。お揃いがいいと騒いでいたから、全員分選んである。暇つぶしにはちょうどいいだろう」
 パッケージを見てみると、アクセサリーとは言っていたけれど、どれも簡単に作れるストラップだ。
 難易度は簡単で、初心者向け。
 ほら、なんだかんだで優しい。
「手伝ってくれないの?」
「俺はこれから穹と過ごすからな。邪魔をするな」
 スッと腕に手を添えて、肩に頭を寄せ。
 うわ。出たよバカップルモード。という声はスルーしておく。
 せっかく丹恒先生が甘えてくれているんだ。その機会を逃すわけにはいかない。
「じゃあ、行こうか」
「ああ」
 腕を組み、ラウンジを後にする。当たり前のように俺の部屋へ向かっているけれど、いいのだろうか。
「資料室は一応共通スペースだ。だから、確実にお前と二人きりになれる方がいい」
 俺の考えを読んだのか、それとも顔に出ていたのか。彼は恥ずかしかったのか、ボソボソとした声で。
 ああもう。可愛すぎるだろ。
 部屋に戻り、鍵をかけてから丹恒をベッドに押し倒す。
「穹……
「そんな顔されたら、我慢できなくなる」
「そんな顔って、どんな顔だ?」
「わかってるくせに」
「ふ。お前の好きにしろ」
 そんな事言われたら、我慢しないしできない。
 でも。
「今日のご飯、丹恒が前に美味しいって言ってたやつだから、我慢する」
「据え膳食わねば男の恥。だが?」
「お前は、デザートだよ」
 そう告げれば目を丸くし。だけど、すぐに優しく細められて。
「そうか」
「うん」