トウメイ希望
2025-05-26 23:40:35
4505文字
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日本語版と英語版の違いメモ(モア海無印)

普段は英語字幕版ばかり聞いてるけど、日本語版で聞いてみたら、予想していた訳と結構違ってたので自分用の覚え書きメモ。
そのうちに追記したり書き換えたりしてるかもしれない。
なお私の英語力は全然ダメで、耳で聞いても聞き取れないし英語字幕見ても意味が分からない。日本語字幕見て、英語字幕見て、自分なりの訳を予想している感じなので間違いも多いと思います。「こっちの意味の方が近いんじゃないかな~」というご意見あったらぜひ教えてください……解釈を深めたいよぉぉぉ

・マウイがオールにサインするシーン

英語
「When you use a bird to write with... it's called tweeting.」

字幕
「鳥で書くことを"ツイートさえずり"と言う」

吹き替え
「鳥のくちばしを使って"ツイッと"書く」

 吹き替え版、なんて秀逸な翻訳なんだ……意味合いだけで見たら字幕版の方が忠実だけど、音遊びの面白さは吹き替えの方が伝わる。
 原語から離れて翻訳した方がニュアンスが近くなるパターンもあるという面白さ。
 でもネタ元の青鳥王国は某Eロンさんによって滅亡してしまったから、後世の方にはこのジョークが通じなくなってしまうんだろうな……今はもうツイートじゃなくてポストだもんね……



・洞窟に閉じ込められたモアナがマウイを罵るシーン

日本語
「ちょっと! ここから出してよ! 大ウソつき! このもじゃもじゃ──」

字幕
「出して! このウソつきのクソ...」

英語
「Hey! Let me out! You lying, slimy, son of a

直訳
「ちょっと! 出して! うそつき、卑怯者、この...(絶妙なところで場面が切り替わっているが、この後「クソ野郎!」的なことを言おうとしていると思われる)」

英語版の方が品が悪くて笑う、モちゃあなた、サノバビッチって言おうとしたよね? それプリンセスが言っていいスラングなの? まぁダメだから切り替わるんだろうけども。
slimyって直訳だと「ぬるぬる(していて気持ち悪い)」になるけど、転じて「信用できない」「卑劣」「ずる賢くて気持ち悪い」「裏でこそこそしてそう」みたいなスラングになるらしい。
字幕では、Hey! とかYes!ぐらいなら結構省略される。まぁ、これぐらいなら耳で聞いただけで分かるでしょってことだと思う。短時間で読めるように文字数削らないといけないからね……
ここを英語版で聞くと、You lying,slimy,son of aのあたりがものすごーくリズミカルで楽しい。



・カカモラ戦後、お尻に吹き矢刺さる直前

日本語
「お姫さまなんだからさぁ、お姫さまらしいことしてろ! 海を渡るなんて──」

字幕
「船乗りじゃない 船乗りには絶対になれな...」

英語
「You are not wayfinder,You will never be a wayfinder,You will never be a...」

直訳
「お前は船乗りじゃないし、将来の船乗りでも絶対にないし、将来の──」

日本語版、こんなにお姫さま連呼してたの!? という衝撃。日本語版は箱入り娘扱いだけど、英語版は凡人(未熟者)扱いって感じ。どちらも「お前なんかにゃなにもどうせできないだろ、ぺっぺっ」って感じはするけど、まだ日本語版の方が紳士的……かな。こっちの扱われ方の方が、ムカつくけどちょっときゅんと来るよね、みたいなところある。英語版の言い回しは普通にむかつく。認めろや。
英語版マウイがお姫さまって呼ぶのは、「”伝統航海術”だ、お姫様」「素敵な服を着て動物の相棒がいたらお姫様さ」の時ぐらいしか無い。モアナを認めた後は、「お姫さまじゃない子」って呼ぶし。
余談だけど、日本語ではちょくちょく「お嬢ちゃん」って呼んでるけど、英語ではそれに相当する呼び方が無いようなしいて言うなら、ちょくちょく「girl,」って呼びかけてる感じがする。girlに対する具体的なイメージがあんま無いからかもしれないけど、ちとこの呼び方だと味気ない。なのでありがとう2でCurly呼びを提案してくれた人……
っていうかもしかしてだけど、girlの方が子ども扱いっぽい意味合いを感じるので、2でからかうときの呼び方がCurlyになったのって、マウイにとってgirlって呼び方が適切じゃなくなった=マウピがモちゃを大人として見ていることを示唆している……ってコト……!? ひえぇぇぇぇぇええええ!!!!!


・海がマウイに吹き矢を刺すシーン

日本語
「吹き矢がみごと命中か?」

字幕
「マジか? 俺のケツに吹き矢を?」

英語
「Really? Blow dart in my but cheek?」

尾上マウイはケツなんて言わない。
but cheekはお尻のちょっとくだけた言いかたらしい。スラングというほどではないけど、少しおちゃらけているというか、ユーモアを感じる言いかたというか。フォーマルな場ではNGだそうな。ケツっていうのは的確で良い訳なんだろうな。
でも尾上マウイはケツなんて言わない。
この後、英語版だと「You are a bad person.」ってシンプル悪口なところを「ほんと、悪い子だ」って言ってるし、尾上マウピはとことんモちゃをお嬢ちゃん扱いするねぇ!? 日本語翻訳班どうした!? マウモア過激派か!?




・喧嘩① 釣り針にヒビが入ったところ、引き返さなかったことをモアナが弁解するシーン

日本語
「私たちならできると思って
「できる?」
「ごめんなさい、そう思ったの

字幕
「私たちなら行けると
「”私たち”?」
「私なら行けると

英語
「I thought we could make it.」
「we?」
「I thought I could make it.」

直訳
「私たちならできると思ったの」
「私”たち”?」
……私ならできると思ったの」

ここ、日本語ではてっきりそのまま「私”たち”?」って聞き返してると思ってた。
英語版が「We?」の一音しか無いから、「わたしたち?」って五文字も発音するほどの間は取れなかったのかも。マウイの唇の動きもかなり変わっちゃうし。
結果、英語版の方がマウイの「お前が思い上がってたんだろ」的な嫌味っぷりや、モアナの「私の自信過剰でした」的自白感が強調されているという……英語版の方がグサッとくると思う。
この後の掛け合いでもそうだったけど、喧嘩シーンは全体を通して英語版の方がお互いにボロクソ言うてる印象。英語に対する感受性が低いからなんとかなったけど、これで英語が母国語だったらきつすぎて耐えられなかったかもしれない……





・喧嘩② マウイが釣り針が壊れるからもう行かないと言うシーン

日本語
「釣り針が無ければ、マウイじゃなくなる」
「そんなことないわ」
「俺には釣り針が必要なんだ!」

字幕
「釣り針がなきゃ凡人だ」
「それは違う」
「釣り針がなきゃ俺はゴミだ!」

英語
「Without my hook,I am nothing.」
「That’s not true!」
「Without my hook,I am nothing!」

直訳
「釣り針が無ければ、俺は無価値だ」
「そんなことない!」
「釣り針が無ければ、俺は無価値だ!」

英語だと、同じ言葉を全く違う言い方で繰り返している。
マウイは、捨てられた過去を告白するときも「They threw me in to the sea like I was nothing.(それで海に投げた まるで俺がnothingみたいに)」と言っていたので、nothingって単純に「無」って感じではなくて、ものすごく重たい意味を持つみたい。無価値、取るに足らない存在、存在価値のない、いらないやつ……みたいなイメージなのかも。字幕では過去告白シーンでもnothingをゴミって訳してた。いや意訳えぐ過ぎ。二文字で分かりやすいけども。日本語版の方がマイルド。
英語版の方が、マウイの釣り針に対する心理的依存と、失う事への恐れが強いセリフ回しかな。釣り針が無ければ(捨てられた赤ん坊の時と同じように)nothingに戻ってしまうっていう恐れを感じる。





・テ・カァ再戦、戻ってきたマウイがモアナの舟を戻すところ

日本語
「俺がついてるからな!」

字幕
「援護は任せろ」

英語
「I got your back,Chosen One.」

直訳
「背中は守るぜ、選ばれし者」

この日本語版からも字幕からももれてしまった「Chosen One」がとんでもなく大好きでぇぇぇ……
Chosen One は、マウイが前半で皮肉としてモアナを呼ぶ時に使っていたのですよ……! 具体的に言うならば岸壁を登っている時あたり。
これはかなり省略した意訳だけども、
「なんで人間達はお前を送り込んだんだ?」
「送り込んだのは人間じゃないわ。海が私を選んだの」
「海が? (省略)海がそんなに賢いなら、自分で心を返せばいい。それか俺に釣り針を。海は頭がおかしい」とかボロクソに海の悪口を言った後、「だが(約8歳で舟にも乗れない)お前(がわざわざここに来た理由)については納得だよ。お前は間違ってない。何しろ(あの頭がおかしい海に)選ばれし者、だもんなぁ!」みたいな使い方してた。この時の「You’re the Chosen One!」の言いかたが実にいじわるで嫌味ったらしいですよ!
あれ、前半の英語版マウピ、わりかし最悪では???? いえ、良いんです。だからこそ、マウイ自身がモアナを認めた後、心から「Chosen One」と呼んでくれる展開がアツくなるから!



・~・~・~・~・~


日本語版の方がマイルドで品がいい感じがする。英語版は結構言うてることエグい。
セリフ回しや声質と相まって、尾上マウイとロック様マウイでかなり印象が違う。
青空でも似たようなこと言うたけど、尾上マウイは「大人ぶった大人の子供がモアナを箱入り娘扱いしている」っていう印象。
ロック様マウイは「昔はすごかったけど今はダメな大人が、モアナ相手に大人げなくマウントとってる」っていう印象でした。どっちのマウイも好きだな~

ただ、やっぱりどうしても韻の踏み方や間の取り方が英語ベースで作られているので……日本語は特に、補語や目的語が文章の前半に来ちゃう言語だから分が悪い……
これが歌になると更に顕著で、英語だと一音で一単語いけるのに対して、日本語は一音でマジで一音しか発音できないので……かなり意訳になるんですよね。ワンフレーズごそっと削られたりもする。韻を踏んだ言葉遊びも失われちゃうし。
というわけで自分は英語派なのですが、それはそれとしてかなり制約が多い中で、意味が通るように翻訳してくれるプロの方々を心から尊敬します。そしてガッツリ削られた意味合いを、声の演技力でカバーする声優さんたちもすげぇや!

冒頭のタラおばあちゃんによるマウイ語りも結構違うなって思ったし、他にも比較検討したいところはあったけど、まとめてたら思いのほか時間がかかったので今日はここまで。いつか歌詞とかもしっかり比較したいけど、それは時間がかかりそうかな~