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しゃどやま
2025-05-26 19:21:29
1062文字
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【浄紫未満】感染経路
レディバグおもしろすぎるから浄さん書いた。紫苑くんは出ません。戴天さんは居ます。
「少々お待ちを」
高塔はそう言うと、俺に背を向けて書類ケースを開いた。長い金髪がふんわりと背中を滑り落ちる。
俺はコーヒーに口をつけながら、見るともなしにその金髪を眺める。男の髪に興味はないが、よく手入れされている長髪は美しい。明るい色の金で、艶があり柔らかそうだ。
――
深水より色が淡いな。
髪質は深水に近い、ふんわりと空気を含んだものだ。一本一本が細いのだろう、くせがついている。深水はもっとヒヨコのように色が濃い。暖かみを感じさせる、濃い金色だ。本人のあどけなさもあり、雛鳥の愛らしさを感じさせる。
今でこそぴよぴよと跳ねている深水の髪だが、高塔のように伸ばしたら大人しくなるのだろうか? ふわふわの髪を背中まで伸ばした深水を想像する。髪をなびかせ振り返ると、太陽の光が波打つ。輝く髪に負けない笑顔で俺のことを見上げ、照れたように笑い「浄さん、似合いますか?」と小首を傾げる。その仕草に合わせて、髪が頬に触れて、俺はその髪を指先で直してやりながら「天使が光に包まれてるみたいだよ」と囁く
……
。
いや。なんで口説いてるんだ、俺は。深水は男で、ただの後輩だ。髪を伸ばしたとしても、男は男。だいたい俺は別に、ロングヘアの女性だけを守備範囲にしているわけじゃない。可憐な首筋を引き立てるショートカットだって素敵な髪型だ。女性が髪形を変えても、どちらも褒めつつそのお洒落への努力と探求心を賞賛するのが大切だ。
――
だから深水が伸ばした髪をいじりながら「浄さんは、髪が長いぼくと短いぼく
……
どっちが好きですか?」といじらしい上目遣いで尋ねてきた場合も冷静に、ごく冷静に返せるはずだ。
ふんわりとフェミニンなロングヘアの深水も素敵だ。しかし活発さと素朴さを引き立てるショートヘアの深水もまた可愛らしい。俺は冷静に「どんな髪型も深水の愛らしさが引き立つよ。でも、俺の好みで独占していいのなら
……
」と抱き寄せて耳元に
……
。
いや、なんで俺は、深水を口説いているんだ。口説いたって仕方ないだろう。たとえロングヘアになったとしても、男であることには変わらない。
コーヒーを啜る。冷静になれ、俺。いやしかし、向こうがもし求めてきた場合、俺はスマートに断れるのか? 傷つけず、涙を流させずに。
「
――
浄くん、お待たせしました。少し手間取ってしまって
……
申し訳ありません」
「い、いや。君に見とれていたらあっという間だったよ」
「は?」
高塔が鋭い目を丸くする。俺は、コーヒーカップを静かに置き、そのまま頭を抱えた。
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