「ん〜」
唇を尖らせつつ顔を近づけると、ぐいっと少し強めに頬を押され。
「丹恒、痛い」
「俺は痛くないな」
なんて返される。
「キスしたい。お願いします」
「俺はしたくない」
何でさ! と叫びたいけれど、ぐっと我慢して腕を広げてから
「抱きついてもいいですか」
「それなら構わない。ただ、俺の動きを阻害しないでもらいたい」
「はーい」
問いかけて、許可をもらえたので抱きつく。
俺たちを守るために前に飛び出た時の背中は、あんなに広くて頼もしいのに。
こうして抱きつくと、俺よりも狭いというか、細い背中にちょっとだけ心配が募る。
時々手元を覗き込み、だけど見たこののない文字だったのでだんだん眠くなってきた。
何とか欠伸を噛み殺し、丹恒の首に顔を埋め。
水の匂い。でも、嫌ではないしずっと嗅いでいたい。
「穹、首元をに顔を近づけるな」
「なんで?」
「そこはくすぐったい」
「ん。じゃあ、抱き着くだけにする」
「そうしてくれ」
首が熱を持っている気がするのは、指摘してはいけない。
好きだなって思う。だから、もっとくっついていたいし、キスもしたい。そんな我儘。
「よし。穹、今からならいいぞ」
「どれ?」
「キスを、しても」
「お願いします!」
唇を尖らせつつ、顔を近づければそっと唇を重ねられる。
おねだりは成功。キスをしながら、丹恒の布団へ彼を押し倒す。
舌を絡め合い、口の中を撫でるように舐め回し。
下半身を押し付けると、胸を強く押された。
「それは駄目だ。明日、依頼を受けている」
「俺も同じ。だから、キスだけで我慢する」
顔中を舐め回すようにキスを落としていけば、抵抗はなくなり。
「丹恒、好き」
「俺も穹が好きだ」
唇へキスをし、そのまま布団の上で二人で寝てしまう。
「眠い
……」
「背中痛い
……久しぶりに丹恒の布団で寝たら、背中痛くなった」
「なら、今度から這ってでも自室へ戻れ」
「丹恒も来てよ」
「俺はここでも平気だからな」
と軽くあしらわれる。
ご飯を食べてから、それぞれ依頼へと出かけ。
俺が先に帰ってきたので、丹恒が戻って来るのを待って。それから部屋へと誘う。
「今日は、いいだろ?」
「ゆっくりしたいんだが」
「じゃあ、今夜はゆっくりしたら明日は、いいだろ?」
「仕方ないな」
と言いながら、後ろから抱きしめる俺にもたれかかり。
こうして信頼するように体を預けてくれるのが、とても嬉しい。
「キスだけはして」
「ああ。俺も、キスをしたいと思っていた」
押し倒すように唇を重ね、笑い合う。
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