三毛田
2025-05-24 23:51:43
1080文字
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02 002. 温い風吹く午後


 くあ。と、口を大きく開けて欠伸。
 昼食を食べてちょっと眠い、午後の授業。
 先生が教科書を読む声は、とても心地よく。さらに、カーテンを緩く揺らす風が吹いていて。
 眠いなと思いながら、窓の外へと視線を向ける。
 あー……丹恒とキスしたい。そう思いながら、ペンを指先で回す。
「終わった~」
 授業終了を知らせる鐘の音。
 大きく伸びをしていると、頭を撫でられた。
「よく寝なかった。偉いな」
 丹恒の優しい声が、後ろから。
「このままずっと、学年が変わるまでこの席がいい」
「実を言うと、俺もそう思っている」
「え?」
 勢いよく振り返ると、穏やかな表情の丹恒が。
 眼鏡が似合うイケメンは、愛しそうな目で俺を見ていて。
 ヤバ。今すぐキスしたい。
「帰ったら、好きなだけしていい。だから、今は我慢しろ」
「は、はい」
 丹恒にそう言われたら、我慢するしかない。これは、ちょっと押せばセックスまで持ち込めそうだ。
……きちんとお前が準備すれば、いいぞ」
 こそこそと耳元で囁かれた。ちょっとやめてくれ。反応しちゃうだろ。
 ムラムラしたのを我慢しつつ、残りの授業を乗り切った。俺、頑張った。
「ただいま~」
「ただいま」
 帰宅して、夕飯の手伝いをして。みんなで食事をして。お風呂に入ってから、二人でベッドにダイブ。
 体を重ね合って、二人でベッドで見つめ合う。
「丹恒、好き」
「ああ、俺も好きだ」
 体力が有り余っているけれど、明日も学校だから我慢。
「週末だったら、もっとたくさん出来たよな」
「俺はこれくらいでいい」
「そう?」
「ああ。これくらいで、その後ゆっくりお前と過ごすのが好きだから」
「そ、そう? じゃあ、このまま寝ようか」
「そうだな」
 手を繋ぎ合い、体を寄せ合って眠る。
 翌日も、午後は温い風が吹いて適度に腹が満ちた状態では眠くなってくる。
 欠伸を噛み殺し、頑張って授業を受け。
 休み時間には、丹恒に褒めてもらう。そんな繰り返し。
「あんたたち、懲りないね」
 帰り道。
 なのは突然そんなことを言い出して。
「何が?」
「午後の授業の後、丹恒が頭撫でてるじゃん」
「ちゃんと寝ないで授業を受けているから誉めているだけだ」
「当たり前の事じゃん」
「お腹がいっぱいだと眠くなるんだってば。なのだってたまに寝てるだろ」
 人のこと言えないじゃん。と呟くと、ふいっとそっぽを向いて。
「た、たまにだもん!」
 と言いながら早歩きで先へ行く。
 一人にすると危ないので、丹恒と見つめ合って肩を竦めてから追いかけたのだった。