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夢篠
2025-05-24 19:02:43
1988文字
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性癖パネルトラップ⑥
寄り掛かる雑渡昆奈門
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
何だか、疲れた。長期の忍務が一段落して、事後処理も落ち着き漸く屋敷に帰って来れた。久し振りに、疲れたなあと思った。沓脱で、ぼんやりと座り込んでいる。嗚呼、この後湯浴みとか、食事とか、しないといけないんだっけ。面倒だな。
「昆奈門さま!おかえりなさい!」
隠さない足音が近付いて来て背後から顔を覗き込まれる。私が座り込んでいるから必然的に
ナマエ
が上から見下ろす形になる。さらりと落ちて来た滑らかな髪から香る柔らかな匂いが私の心の弱い所を擽る。帰って来たのだと感じる。
「
……
ナマエ
、ただいま」
まだ湯浴みをしていないから、抱き着くのは憚られるけれど、それでも
ナマエ
には触れたくて、白い手の甲に指を這わす。
ナマエ
が穏やかに微笑んで私の手を握ろうとする。
「おかえりなさいませ。まずは湯を浴びられますか?」
近くで微笑まれると心臓がぐるりと一回転するのが今でも分かる。一緒になってからもそれなりの時間が経ったけれど、
ナマエ
と初めて出会った時から、私の心臓は些細な事で直ぐに裏返る。百人を従えていても、そんな物だともう諦めている。
「そうだねえ。そうしようかな。じゃないと
ナマエ
に触れられないし」
「
……
あらまあ。本当に、甘えん坊さん」
私の手とは幾分も大きさの違う手が、控えめに頭を撫でる。頭巾の上からだからその感覚は直には感じられないけれど、柔らかな指から伝わる「優しい」感覚が私は好きだった。
「一緒に入りたいけど今日は止めておくね。帰って来たら、甘えさせてネ
……
」
ふらふらと湯殿に向かう私を見送る
ナマエ
が小さくくすりと笑った。背後から「待ってますね」と小さく聞こえた。
湯浴みは最低限、汗と汚れを落とすだけだ。正直、疲れ果てて指先一本動かすのも億劫だ。でも
ナマエ
に触れたいその一心で、なんとか身を清めた。身体を拭くのも面倒で、多分ぽたぽたと歩く背後を水滴が残っていた
「
ナマエ
、戻ったよ」
「あらまあ、本当にお疲れですね。拭かないと。ご飯の準備も出来ていますけれど、」
「今はいらない
……
。取り敢えず、
ナマエ
に甘えさせて
……
」
距離を詰めて
ナマエ
の隣に腰を下ろす。座っても私とは大きさが随分違う。
ナマエ
が私の濡れた髪に手拭いを滑らすのを感じながら、すり、と頼るように
ナマエ
の身体に頭を寄せる。自重をいきなり掛けると危ないから、無理な体勢で少し身体が痛い。でも、
ナマエ
の香りが強くなって、安心する。心臓が少しずつ、ゆっくりと落ち着いて打つのが聞こえた。
「昆奈門さま、重いです」
「ええ、頑張って来た私を労ってよ~」
すりすりと頬擦りしながら徐々に自重を掛けて行く。
ナマエ
が潰れるような声を上げる。くすくすと笑う声は本当に私から出て来ている物なのだろうか。
「こん、な、もんさ、ま
……
!重い
……
!」
私の重みに抵抗も出来ず
ナマエ
と二人で倒れ込む。
ナマエ
が頭を打たないように身体を捻ってその下に腕を置いてやる。私の下で驚いたように目を丸くしている
ナマエ
に微笑んで見せた。口吸いしたら、多分止まれなくなるなと思ったから口吸いは止めておく。代わりに
ナマエ
の柔らかい胸に頭を乗せる。彼女の静かな呼吸の音が聞こえた。とても落ち着く。
「昆奈門さま?」
「くるしくない?」
「平気です。でも、眠いのなら寝室に、」
私の頭を抱く柔らかい腕が心まで包んでいるような気がした。帰って来たのだと、今一度感じた。
「いいんだ。ここで。
ナマエ
と一緒にいる事が大事だから」
ナマエ
の鼓動と呼吸が聞こえる事の方が大事だ。柔らかい胸に頬擦りするとその鼓動が大きくなった。
「いま、緊張している?」
「ふふ、少し。だって大好きな方が私の腕の中に寄り掛かっているのですもの」
「
…………
そう。
ナマエ
は、私を翻弄するのが上手だね」
私の鼓動の方がずれる気がした。
ナマエ
は気付いていないのだろう。くすくすと声を上げて笑いながら、私の頭を抱いた。
「本当に、おつかれさまです。無事に帰って来てくださって、嬉しいです」
「ああ
……
、うん。待っていてくれてありがとう
……
。こうやって、抱き締められると帰って来たって感じる」
重い腕を動かして
ナマエ
の身体を抱く。小さいのに大きく感じるこの存在とずっと一緒にいたいと思った。私はきっとそのためなら、どんな事をしたって帰るのだろうな。そう思ったら、口にしていた。
「これからも、私のことを待っていてよ」
幼子のように
ナマエ
の胸に頬を擦り付ける。
ナマエ
が小さく息を吐いて笑った。幸せだな。そう思って目を閉じた。答えは聞かなくても、分かっていた。
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