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わらびもち
2025-05-23 17:28:22
1317文字
Public
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🟥誕生日おめでとうSS
VOIDげんみ✕
自探索者でる
「花屋だ。」
ただ見たものをそのまま呟いた、何の気もない言葉。
視線の先を辿れば、数日前まで工事中の無骨な内装だったその一角は綺麗に彩られ、明日にも店を開きそうな様相を見せている。
足を止めることはなく、しかししばらく視線で花屋を見ていた不破遥は隣を歩く赤星透也をちらと見上げる。
「トオヤさんは好きな花ってある?」
「⋯⋯そうだな、」
(検索:感情表現に適した人気の花ーー1位:桜、2位:バラ、3位:ひまわり)
時間にしてコンマ3秒。すぐに算出された結果を、しかし赤星は口にしなかった。
記憶メモリから花に関する検索が引っかかったためだ。
データとして残っているそれは不破遥が中学の卒業記念でもらった小さなプランターを抱えているものだ。常には表情の変化の乏しい遥も、黒田矢代や赤星透也からの祝辞に照れくさそうにしていた。
次いで、すぐに枯らすのは忍びないと水を与える姿や、枯れた花を見て少し寂しそうな姿もメモリからヒットする。
(画像検索:花の名前ーー)
「スイートピーだな。」
答えにかかった時間はほんの2秒ほど。人間が考えて回答するのに不自然はない時間だ。
しかし少し目を開く遥に、何かおかしかっただろうかと赤星は失敗を疑う。
「結構可愛い花が好きなんだ。何でスイートピー?」
「失礼だなぁ。いいだろ綺麗なんだから。そういう遥は何が好きなんだよ。」
「⋯⋯考えたことなかったな、何だろ。」
「じゃ、さっきの花屋がオープンしたら行ってみるか。好きな花が見つかるかもしれねえだろ。」
「うん。ヤシロさんは何が好きだろ。」
───
──
─
結局、何でスイートピーが好きかは聞けないままだったな。
買ってきた花を地面に置けば、寂れた景色に色が混じる。
崩れた建物には蔦が少し手を伸ばし、上を見れば青空が覗く。
少し来ない間に随分と廃墟らしくなったものだ。
普段はここまで来ないが、少し一人になりたい気分だった。
「誕生日おめでとう、トオヤさん。」
話したいことがたくさんある。何から話そうか。何を話せばいいだろうか。
トオヤさんが借りていたアパートも引き払い、荷物も整理した。あれから時間も経った。気持ちの整理もとっくについている。
なのに、ここまで来るとなんだか言葉が喉につっかえてしまう。
毎日会っていたから、何を話そう、なんて改めて考えることに慣れていない。
「トオヤさん。私、生きてるよ。」
まだしばらく話してから帰ろうと、冷たいコンクリートに腰を下ろす。
梅雨入り前にしては爽やかな風が頬を撫でていった。
──────────────
赤星透也誕生日おめでとう!!!!!!!
スペシャルサンクス:ChatGPT
「あなたが人間のフリをしているアンドロイドだったら好きな花に何を選ぶ?」という問いに真摯に答えてくれました。本当にありがとう。
墓とか用意できないだろうけどさ、空き部屋に簡易的な仏壇みたいなものは作ってる。当たり前だよなあ。
それはそれとして、命日と誕生日は研究所跡まで足運んでる。多分命日に行くとニアミスする人いそう。会っても普通に世間話して帰る。
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