三毛田
2025-05-23 12:44:50
1083文字
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1 001. うららかひだまり

1日目
君と二人微睡む

1 001. うららかひだまり

「日差しが気持ちいい……
「読書にもちょうどいいな」
「ふふふ」
「どうした?」
「久しぶりに丹恒とゆっくりできるから、嬉しい」
「俺もだ」
 手を伸ばすと、そっと握ってくれて。
 丹恒の低い体温に、本格的に眠くなってきた。
「今日はもう予定もない。ゆっくりおやすみ、穹」
 慈愛に満ちた優しい声に、意識はストンと落ちた。
 目が覚めたら、オレンジの光が部屋を照らしていて。隣には、タオルを顔に被った丹恒。
 俺が隣に来ても、無防備に――これを見てもそう言えるのかは、難しいところだが――眠っているのはそれだけ許された証。
 そーっとタオルをどけても、振り払う素振りも、反撃する素振りもない。これは、想定よりも深く眠っている。
 胸の上で組まれた手を少しだけどかし、鼓動を聞く。
 一定のリズムで、緩やかな鼓動。俺と違えば、なのとも違うそのリズム。
 長命種の鼓動は、短命種よりも遅いらしい。きちんと計測したわけではないから、詳細は不明だとか。もしくは、その資料も戦火で焼けてしまったのかもしれないと。
「ん……きゅ、う?」
「俺です」
「胸、少し、重い……
「じゃあ、全体重をかけてやる!」
 えーい! と、全身で丹恒の上に乗ってやる。
「うっ……流石に目が覚めた。寝すぎたか?」
「ううん。まだ夕方っぽい。それに、俺のほうが先に寝たから、早く起きただけ」
 そう答えながら、上からどく。少し髪がボサッとしていて可愛い。
「そうだな。一眠りすると、思考が冴える。これで読書も捗るな」
「また買い込んだのか?」
「アーカイブに記録する用の、論文や図鑑もある。新しい知識を得るのは、楽しいんだ」
 起き上がり俺の肩にもたれかかりながら嬉しそうに。
 そんな反応されたら、夜更かしはやめろとか強く言えない。でも、休まないと後々支障をきたす。塩梅が難しいところだ。
 そういうところ、パムは上手いんだよな。あと、姫子とヨウおじちゃんも。
「丹恒。不摂生でお前が倒れたりしたら、怒るからな」
「わかっている」
「本当か?」
 うろんげな視線を向けると、誤魔化すように頭を撫でて。
 丹恒、お前そうやれば俺が誤魔化されると思ってるだろ。
 仕方ないから、今日は誤魔化されてやるか。
「丹恒、キス」
「寝起きのキスは、あまり良くない」
 言葉を遮るように、唇を重ね。そのまま押し倒す。
「穹」
「今日は食事の手伝いがあるから、駄目」
 いつもは俺がねだるけど、今日は丹恒がおねだりしてきて。
 でも、パムに手伝ってくれと言われている。