あおーず
2025-05-21 00:47:18
882文字
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海の大冒険はいとしの人の上で

ヌヴィ空の小話

気づくとそこは美しい透明な青の世界。
ぷくぷくと泡が立ち、ゆらゆらと海藻が揺れる、魚たちが楽しそうに踊るように泳いでいる。
「うわぁー、綺麗な海だー」
旅人は感嘆の声をあげる。キラキラした海の世界、そこはフォンテーヌの海中だ。
プクプク獣が歌を歌い。ラッコたちがくるりんくるりんと回る。見ているだけで楽しくなり旅人の目がキラキラ輝く。
「ん?」
ツンツンと何かが右手の甲に触れてくる感触に旅人が目をやれば、そこには他の個体より大きめのサイズのラッコがいた。どこかヌヴィレットを思い出させるようなラッコに笑みがこぼれる。
「ついて来てっていっているの?」
旅人がラッコに返せば、ラッコは嬉しそうにくるりんと回る。
 
ラッコに導かれて海を泳いでいくと、そこでは海底がきらびやかに装飾されていた。
海藻には貝殻やサンゴなどで飾られ、大きな石には美味しそうなフルーツが並んでいる。
魚やヤドカリも、ラッコもプクプク獣も、海にいるたくさんのいきものたちがそこで踊るように泳ぐ。
どうやら彼らのパーティーらしい。
「招待してくれてありがとう!」
「どういたしまして」
先程まで一緒にいたはずのラッコから、耳慣れた声がする。振り返ればそこは優しそうに微笑むヌヴィレットの姿。
「今日は君を海のささやかなパーティーに招待したくてね」
「ヌヴィー!」
どの宝石よりもきらきら輝く瞳がヌヴィレットだけに向けられる。そして勢いよくぎゅーーっと抱きしめる。
「ありがとう、ヌヴィー! 嬉しいよ!」
「どういたしまして。さぁ、私の可愛い空。今宵は君のためのパーティーを楽しもう」
「うん!」
 
 
 
 
「むにゃあ。くるりん……くるりん……
深夜のヌヴィレットの寝台で、旅人がヌヴィレットの上に乗ってくるりんくりん転がる。
時折、旅人の肘がヌヴィレットの頬に入る事もあるが、ヌヴィレットは気にすることなく眠りについている。その顔は幸せそうだ。
「んふふふ~。ヌヴィー、だぁいすき~」
「ふふ」
 
 
旅人の真夜中の大冒険が愛しい恋人のヌヴィレットの上で今日も始まる。