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R
2025-05-20 12:21:42
4964文字
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本ロド
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何十年経っても、君と
診断メーカー【この台詞で素敵な作品を】より
「何十年経っても、君の隣にいたいなぁ」
*出会ってから10年、付き合って8年位の本ロド
*転化や将来の事はまだ話していなかった
「何十年経っても、君の隣にいたいなぁ」
そうドラルクが言ったのは、ちょうどジョンを含めたにっぴきでくだらない話をしていたときだった。
何かの話題でにっぴきで爆笑し、ドラルクは笑い死にしながらなんとか人の形を保ち笑いすぎて出た涙を指先で拭った後の言葉だった。
俺は衝撃を受けた。今まで転化の話や何十年も先の話なんてしたことがなかったのだ。
だがきっとドラルクにとっては俺が感じたような重大な意味はなく、特になんの気もなく、思わず溢れたような言葉だったのだと思う。
その証拠に、ドラルクは驚いて固まっている俺に気が付かずジョンともう次の話題に移っていた。
「はー笑った笑った。さて、そろそろ私は夜食の仕込みを始めるとするかな。ジョン、味見は頼んだぞ」
「ヌー!」
ドラルクとジョンがキッチンに向かう背中を見送り、俺は「事務所で原稿してくるわ」となんでもない風を装って事務所に向かった。
俺は事務所の机に向かってパソコンを開くとまず転化について調べた。
転化の仕方、させ方、必要な書類、役所のどの窓口に行かなければいけないのか、VRCに届け出は必要なのか等々。
そして次に兄貴やヒマリにどう伝えるかを考えた。
しかしいい案なんて浮かばず、とにかく会って話さなければと思った俺は兄妹のグループRINEの画面を開いて二人の予定を確認することにした。
二人とも週末が空いているらしい。
俺は二人に話したいことがあること、詳しいことは当日話すことを伝えてグループRINEの画面から離れた。
「ヌヌヌヌヌン、ヌヌンヌヌヌヌ!(ロナルドくん、ご飯できたヌ!)」
そうこうしている内に大分時間が経っていたようでジョンが呼びに来てくれた。
「お、おう!すぐ行くぜ!」
ジョンの背中を見送った俺は調べたページのリンクをスマホに送るとしっかり履歴を消してからパソコンの電源を落とした。
居住スペースに向かうと、ダイニングテーブルにはボリュームたっぷりの親子丼が並べられていた。
「うっまそ!」
「ヌンヌン♡」
ジョンと一緒に手を合わせていただきます!と声を揃えて食べ始める。
親子丼は大きめに切られた鶏肉がジューシーで半熟の黄身に絡まってものすごく美味かった。
「うんめえ!」
「ヌン!ヌイシー!」
俺とジョンが美味そうに食べている姿を見てドラルクも「そうだろうそうだろう!」と嬉しそうに笑う。
「お肉屋さんに行ったらいい鶏肉が入ったと教えてくれてねえ。明日は唐揚げだよ」
「唐揚げ!?っっしゃあ!!!!!やったなジョン!!!」
「ヌー!ヌヌアヌ!!」
明日の献立を聞いてジョンと顔を見合わせる。
そうだ、と思い出して週末の予定を伝える。
「今度の日曜日、兄貴とヒマリと飯食いに行くから夜いらねえわ」
「そうかい?わかったよ。二人に会うなら手土産でも用意しようかね」
「手土産?」
「そう、クッキーとかね」
「ふうん、いいんじゃねえの」
兄貴とヒマリのためだけに作るのかな、と思うと自分で思っていたよりぶっきらぼうな言い方になってしまった。
そんな俺を見てドラルクがくすりと笑う。
「そんな拗ねた顔しなくてももちろん君とジョンの分も作るよ」
「べ、別に拗ねてねーし!?」
見透かされているのが悔しいようなわかられているようで嬉しいような気持ちでぐちゃぐちゃになり、咄嗟に「おかわり!」と丼を出すことで誤魔化した。
「はいはい」と言いながら丼を受け取ったドラルクの顔は笑っており、きっと誤魔化したのも全部バレているのだろうと思うとなんとなく恥ずかしいようないたたまれない気持ちになった。
おかわりの親子丼もめっちゃうまかった。
あの日、俺が転化について初めて考え始めた日からから一ヶ月ほどが経った。
兄貴とヒマリからは
『お前が決めたことにゃあ俺は反対せん』
『ん、応援』
と二人とも俺の気持ちを受け入れてくれた。
ジョンにももちろん伝えた。
俺の気持ち、俺の覚悟、ドラルクと、ドラルクとジョンと、永遠に一緒にいたいということ。
ジョンは『ヌヌヌヌヌンヌヌッヌヌッショヌイヌヌヌウヌシイヌ!(ロナルドくんとずっと一緒にいれて嬉しいヌ!)』と喜んでくれた。
残るはドラルクだけだった。
俺はシンヨコヴリンスホテルのレストランに予約を入れ、ギルドのメンバーにも事情を話してその日だけは絶対に呼び出さないで欲しいことを頼みドラルクに声をかけた。
「ど、どどどどどらこう!!」
「うわ声デカっ(スナァ)」
「まだ何も言ってねえのに死んでんじゃねえ!!」
「なら声のボリュームを抑えんかバカ造何年一緒にいると思ってんだ!!」
「うるせーこれならどうだ!(めっちゃちっさい声)」
「今度は聞こえにくいわ極端すぎじゃ!!0か100かしかないのかアホゴリラ!」
「殺ウホッ!!!」
「ブエー!!」
「ヌー!!」
いつもの殺し殺されなやり取りが続きドラルクがいつものように砂になる。
俺はしゃがみ込み砂山の砂をひと掬いしドラルクが死なない程度の声で話す。
「今週の日曜日、ヴリンスのレストラン予約したから一緒に行くぞ」
今日の時点でドラルクに予定がないのはジョンの協力のもと確認していた。
念の為「絶対ぇ予定入れんなよ」と念押しもしておく。
そうして迎えた当日。
俺は兄貴と一緒に選んだスーツを着込んでドラルクが起きるのを待っていた。
「な、なぁジョン、俺変じゃないか?」
「ヌンヌヌイヌ!ヌッヌヌヌッヌイイヌ!(変じゃないヌ!とってもかっこいいヌ!)」
「エーンジョンありがとう・・・!」
「さっきから何度確認するのだお主は・・・」
落ち着かなくて何度もジョンや死のゲームたちに確認する俺を見てキンデメさんが呆れたように言う。
「だってよぉキンデメさん!!俺にとって一世一代のぷ、ぷろ、プロポーズの日だぜ!?!?」
「声がでかいぞ。同胞が起きてたら丸聞こえだろう」
「ア°!?」
キンデメさんに指摘されて俺は慌てて手で口を塞ぐ。
ドラ公、起きてないよな・・・?
棺桶の中から特に何も音は聞こえず、俺は胸を撫でおろす。
「だめだ、落ち着かないから原稿でもしてくる」
「全く捗らないのが目に浮かぶぞ」
「ここにいたら余計なこと言いそうで怖ぇんだよ・・・!」
「今更な気がするがお主がそうしたいなら我輩は止めん」
「ヌー・・・」
キンデメさんの呆れた視線とジョンの気遣わし気な視線を浴びながら俺は逃げるように事務所に向かった。
事務所の椅子に座り、一瞬煙草でも吸って気持ちを落ち着かせようかとよぎったがすぐに打ち消す。
それから数時間、俺はほとんど真っ白な原稿と向き合い時折メビヤツを抱きしめたりヴリンスで渡す予定の指輪を眺めながらなんとか正気を保ちドラルクが起きるのを待っていた。
そしてついにその時は来た。
「やぁやぁお待たせロナルドくん!今日もいい夜だねぇ」
いつもの服装でいつもと同じテンションのドラルクを見て、少し気持ちが落ち着いた。
「さぁ行こうじゃないか。もちろんエスコートしてくれるんだろう?」
「お、おう!任せろ!」
そう言って差し出された手に一瞬で緊張がぶり返したがなんとか腕を差し出すと、ふふ、と笑ったドラルクがするりと腕を絡めて寄り添ってくる。
俺の恋人可愛すぎねえ??????
思わずそう叫び出しそうになったがなんとか堪え、居住スペースから手を振っているジョンとアイコンタクトを交わす。
(ジョン、行ってくるぜ・・・!)
(ロナルドくん、頑張ってヌ・・・!)
ジョンと頷きあった俺はドラルクとゆっくりと歩き出す。
大丈夫、俺はやればできる子だぜ・・・!!
ヴリンスホテルまでの道のりは事前にギルドのメンバーに頼んでおいたお陰か特にポンチたちの襲来もなくスムーズだった。
エレベーターに乗り、レストランの入口で「予約していた木下です」と伝えるとすぐに席に案内される。
席は窓際で、駅前の円形歩道橋がよく見える席だった。
「ふふ、君は変わらないねぇ。いくつになっても夜景が好きなんだから」
そう言いながらドラルクはくすくす笑う。
「べ、別にいいだろ、夜景きれいじゃねえか」
「そうだねぇ、君と見る夜景は嫌いじゃないよ」
そんな他愛のない話をしているうちに料理が運ばれてくる。
ヴリンスホテルは竜の一族御用達なだけあって吸血鬼向けのメニューも豊富で、事前に店と相談してできるだけ俺とドラルクとで同じようなメニューにしてもらいドラルクの分は量をかなり少なくしてもらっていた。
「へぇ、こんなこともしてくれるんだな」
「これならお前も一緒に食えるだろ?」
「うん、このくらいなら食べれるかな」
いつも俺やジョンの食べるものを作るドラルクとこうして向き合って一緒に食事をするのは新鮮だった。
名家育ちということもあり食事をする様子には品があり気を抜くと見惚れてしまいそうだった。
食べる量も俺とは全然違うのにうまい具合に食べるタイミングを合わせてくれて俺とドラルクの皿が空になるのはほぼ同時だった。
こういうところがずるいと思う。
メインの食事が終わり、残るはデザートだけというところで、俺はポケットに忍ばせている指輪ケースに触れる。
店には食事の相談のときに事情を説明してプロポーズが終わってからデザートを持ってきてもらうことになっていた。
よし、俺はやるぜ・・・!
「あー、その、ど、どら、ドラ公、さん」
「何かね」
「その、あー、うん、え、っと、だな、」
「うん」
「だからー、その、」
「うん」
緊張でうまく言葉が紡げずに何度も言い淀む俺を、ドラルクは優しく見つめて待ってくれていた。
急かすこともせず、からかうこともせず、ただただ優しく、俺の言葉を待ってくれていた。
そんなドラルクを見て、俺は一度大きく深呼吸をしてポケットから指輪ケースを取り出した。
「ドラルク、好きだ、愛してる、何十年経っても俺の隣にいてほしい」
「・・・何十年、か」
「!あ、いや、何十年というか、何百年というか、その、これ!」
ドラルクの反応に俺は慌てて懐に入れていた書類を取り出す。
「転化を前提に、俺と結婚してください!!!」
「!転化って君、」
「兄貴とヒマリにはもう伝えてある。二人とも応援してくれてる。ジョンにももちろん伝えた、俺とずっと一緒に入れて嬉しいって言ってくれた、あとはお前だけなんだ・・・!」
最後はほとんど懇願のようだった。
「・・・いつの間にそんなに外堀を埋めるのが上手になったんだか」
「ドラルク・・・?」
「ハムカツで、童貞で、抱きしめるどころか手を繋ぐことすらできなかった君が、ねぇ」
「えっ俺もしかしてdisられてる?殺す?」
「プロポーズした相手を殺すな!」
「うるせぇそれでお返事は!?」
「私が君からのプロポーズを断るわけ無いだろうが!!末永く私を愛したまえ!!!」
「!!よっしゃー!!!」
「あっこら声が大きい・・・!!」
嬉しくて思わず大声で喜ぶ俺を見て全く・・・とはにかむと、ドラルクはテーブルに置かれた指輪を手に取りじっと見つめる。
「・・・うん、綺麗な色だ。まるで君みたい」
「え、俺はお前の瞳みたいで綺麗だと思ったんだけど」
「へっ?」
ジョンに協力してもらいドラルクの指のサイズで作ってもらった指輪はプラチナにドラルクの瞳のような真っ赤なルビーが嵌められている。
ドラルクの瞳の色、それは俺が知っている中で一番綺麗な色だった。
しかしいまドラルクはその色をまるで俺のようだと言ったのだ。
「も、もちろんわかっていたとも!あえて言わなかっただけさ!別に君の退治人服のようで君のものになったみたいだなんて思ってないからな!?」
焦ったのかものすごく可愛いことを口走るドラルクに俺は堪えきれずに吹き出す。
「こ、こら!笑うな!」
「うっせ!プロポーズが成功して笑わずにいられるかよ!」
「!そ、それは、まぁ、確かに?」
「まーあれだ、これからも末永くよろしく頼むぜ、ダーリン?」
「ふん!当然だろうハニー」
俺達は顔を見合わせて同時に吹き出す。
こうして俺のプロポーズ大作戦は大成功を収めたのだった。
ハッピーエンヌ♡
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