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K28015048
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冰秋
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冰秋 一時的に目が見えなくなった冰河
「そなた、目が見えていないな?」
「
……
師尊、その
…
」
自身と然程身長の変わらない男の頬を両手で挟み込み顔を寄せると、おろおろとたじろぐ様子が伺えた。だが、それは沈清秋が呼吸が触れ合うほど顔を寄せているから勘づいたもので、洛冰河の瞳は何も捉えていなかった。
隠し事がバレた小さな子供のように眉を下げた男は視力を失った事よりも、隠し事が露呈した事の方が後ろめたいようだった。
目が見えていないにも関わらず、何事も無かったかのように日常を過ごしていた男に怒りがふつふつと沸き上がってくる。
五感の一つが失われるとは、大事ではないか? それを隠し通される身にもなって欲しい。
そんなに、伴侶である自身は頼りないだろうか。沈清秋は湧き上がる怒りと悲しみを抑え込みつつ、低い声で洛冰河へ問いただす。
「何故、隠した」
「し、師尊に余計な心労をかけさせたくはなく
……
」
「それを判断するのはそなたではない」
ぴしゃりと扇子を机に打ち付けると、洛冰河はビクリと肩を跳ねさせた。目が見えずとも空気と声色から沈清秋の逆鱗に触れたことが分かったのだろう。
「いいか、冰河。私はそなたを何よりも大切に思っている」
「
…
はい」
「そなたに何かあったら私は全力で支えるだろう。目が見えないのなら、私がそなたの目になろう。そなたは気を使うだろうが、私は本望だ。
……
師はそんなに頼りないか?」
「いえ!! この弟子が間違っておりました
……
師尊
…
いえ、娘子
……
不甲斐ない相公を赦して下さい」
洛冰河は大粒の涙を溢れさせながら、震える手のひらを伸ばすと沈清秋の身体を抱きしめる。
ぐすぐすと肩を濡らされながら、沈清秋は怒りを霧散させるように深く溜め息を吐いた。
一番不安なのは当人である。沈清秋が責めても視力は戻りはしないのだ。
物語の最強主人公様が視力を失う事なとあり得ない。なぁ? そうだろ系統。
そう心の中で呼びかけるものの、いつもの機械音声は聞こえて来ず、沈清秋の胸中に不安が募っていく。
一時的なものだと自分に言い聞かせながら、2人で解決策を練ろうと視力を失った経緯を問いかけた。
「
…
先日、ある魔族を処理する際、特殊な体液を浴びてしまい
……
その日は特に問題なかったのですが翌日目が覚めると既に視力がなく
…
」
「ふん、そのまま何食わぬ顔で私の元へ現れたのだな? 私が気付かないとでも?」
「それは
…
申し訳ございません
…
視力が無くとも感覚で空間は認識出来ますので、恐らく一時的なもののために師尊にご迷惑をかける訳にはと思ったのです」
冰河も一時的なものだと予測をつけているならば、そうであろうと沈清秋は内心安堵する。
時間経過で自然治癒するか、系統がもたらしたイベントであれば安易にキスでもすれば治る可能性もあるだろう。
「冰河」
「はい?
…
んぅ」
声をかけた方向に顔を向けた男へ身を寄せると、分厚い唇を奪う。目が見えていない為に近付く沈清秋に気づかなかった洛冰河は突然やって来た唇への感覚に驚き、目を見開いた。
まるで目隠し状態で口付けをされたようで、思わず頬を赤らめる。
「し、師尊?」
「まだ見えないか?」
「は、はい
……
」
口付けをして何故視力が回復するのだろうか? 洛冰河は脳内で疑問符を飛ばしていたが、再び訪れた柔らかい感触にすぐさま夢中になった。
何故だか分からないが師尊は口付けをすると視力が回復すると思っているらしい。降って湧いたラッキースケベに洛冰河は心を弾ませると、柔らかく啄んでくる薄い唇へかぶりついた。
「んぅっ
………
ふ、ん
………
」
「
……
はぁっ、師尊
……
」
薄く開いた唇を割り開き、分厚い舌を差し込むと沈清秋から悩ましげな甘い吐息が漏れ聞こえた。洛冰河は目を開き口付けを深くしながら、今この光景が見れないのは少し惜しいなと思った。
記憶の中の師尊はきつく目を閉じ切なげに眉を寄せ、頬を赤らめて自身に翻弄されている
――
。今、貴方はどんな表情をしているのでしょうか?
「
……
っは、びんは
……
? どうだ?」
「
……
視力ですか? 変化はありません」
この甘い時間が続くのならば、視力が戻っていようが嘘をつき続けたい気持ちになる。だが、愛する人を嘘を吐きたくないため洛冰河は正直に答えた。
「
…………
」
「師尊?
……
きっと明日には治ります。あまり心配なさらないでくださ
……
ッ!」
突然訪れた感覚に洛冰河は全身を氷のように硬直させた。
何を思ったのか、暫く黙り込んだ沈清秋はふと身を乗り出すと洛冰河の額から瞼、頬、顎、首筋と至る所に口付けの雨を降らせ始めたのだ!
「あぅ
……
し、師尊
………
?」
「黙っていなさい」
戸惑った声はぴしゃりと切り捨てられ、洛冰河は頬を真っ赤にしながら眉を下げた。
視覚を失い触覚と聴覚が鋭くなった今、小さなリップノイズと共に柔らかい唇で愛され、洛冰河は全身の力が抜けふにゃふにゃと蕩けるような心地に至る。
「し、しずん
………
」
「どうだ?」
「あ
……
あの、
……
この口付けには一体なんの効果が
……
? 視力が回復する前に弟子の胸がときめきで張り裂けそうです
……
」
ふぅふぅと荒い呼吸を抑えつけながら、頬を真っ赤紅潮させた弟子の姿を見て沈清秋は眉を寄せる。
「やはり
…
PA
……
までシないといけないか
……
」
ぶつぶつと小さく呟いた沈清秋は意を決したように洛冰河の手を引くと褥へと導いた。
「あ
……
あの? 師尊?」
大人しく手を引かれながら、視覚を失っているものの部屋の空間全てを把握している洛冰河は今から自分が連れていかれる場所を察すると期待に胸を高鳴らせた。
これだけ口付けをされて、褥へと向かうならばやる事は一つである。
案の定、沈清秋に優しく押し倒された洛冰河は視力を失うという災難も悪くはないとさえ思っていた。
愛する人の姿が見えないのは惜しいが、あの師尊に積極的に愛されるのも偶には悪くはない。
「こら、冰河
…
まさぐるな! 今日は私が全てする」
「ですが師尊
……
」
「お前は今、目が見えないのだ。いいからされるがまま感じていれば良い」
まるで今から抱かれる生娘のようにハワワと唇を震わせた洛冰河は、この目隠しプレイまがいの交歓に隠しきれない興奮を覚えたのだった。
ディン!!
『洛冰河の性癖に目隠しプレイが加わりました! 尚、視力は沈清秋の絶頂の瞬間に回復の予定です(^^)b』
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