ここは二千XXX年の地球。超高度に発展した技術は人類に非常に豊かな恵みをもたらしたが、人間の知的好奇心は少しずつ世界を蝕みつつあった…技術の発展を目的とした法倫理を無視した組織、《エクスプローラーズ》は人間の細胞組織を活性化させて強力な力を引き出す装置、《ストロングスフィア》を開発。実験として一般人にそれを使用して社会を混乱に陥れていた。
「や、やめて…!俺はそんなのいらない…!!」
「まあそう言うなってー。お前だって暴れてみたいだろ〜?」
「い、いやだ…!が…!ああああ!!!」
ピンクのツインテールを振るエクスプローラーズの幹部の一人サンゴがストロングスフィアを起動、毒々しい煙が目の前の男を包み込んでいく。そして、みるみるうちに男の体は変質していく。筋肉が膨張し、歯の一部は牙になり、両手の爪は恐竜のように太く鋭利になった。まさに怪物、怪人だ。
「あは。オニいけてんじゃーん」
「ぐるる…があああああ!!」
「おっと。あぶねーじゃんかよー…あっち行ってろ!」
男が振り抜いた腕をかわし、サンゴはストロングスフィアに搭載されたボタンを押した。すると、男はサンゴの逆を向いて走り出す。目に映る木々や建物を打ち壊して進んでいき、周囲にいた人々は逃げ惑う。その最中、ある少女が瓦礫につまずいて転んだ。男の影が少女を覆い、右腕を振り翳したその時、男の視界を数多の緑葉が阻んだ。男の動きが止まると共に、今度は葉の奥から強烈な炎が飛び出して男を吹っ飛ばした。
「もう大丈夫」
「ここは僕たちに任せて」
「あなたたちは…!」
少女の前に立つ二つの背中。水色を基調とした淡い色の装備を身に纏った長い黒髪の少女、赤と黄色を基調とした力強い色の装備を身につけた黒髪にピンクの前髪を覗かせる少年。
「私たちは!」
「世界を守る愛と正義の味方!」
順番に言葉を紡ぎ、そして二人で口を揃えて名乗りをあげる。
「《冒険船団ライジングボルテッカーズ》二番隊!!無限のロイリコ!!」
「炎歌のロイ!!」
「花手品のリコ!!」
片腕を空に掲げ、その指先を重ねてハートを作るポーズを取る。冒険船団ライジングボルテッカーズのメンバーが仲間の証として使うハンドサインに二人のためのアレンジが加わったものだ。
「エクスプローラーズ!!おかしな装置の実験はやめろ!!」
「これ以上誰かを傷つけるのは許さない!!」
「止めれるもんなら止めてみな〜?おら、やっちまえ!!」
サンゴが再びボタンを押すと、男はリコとロイ目掛けて飛びかかる。二人がジャンプして別々の方向へかわすと、今度はロイの方へ体を向けて走り出す。
「ターボシューズ起動!ニトロチャージ!!」
接近に合わせてロイが叫ぶと、彼の靴が赤く輝いて炎を吹き出す。そのままロイは男の方へ走り出す。急加速して突っ込み、男の体を掴んで後ろへ投げた。
「ぐおっ!?」
「リコ、今だ!!」
「香爆弾マジックフラワー!!」
リコが独特の形の造花を投げると、爆発と共に緑の煙が広がる。地面に打ちつけられた男がそれに包まれると、甘い香りが鼻に入り込んで表情を柔らかにして心を落ち着かせていく。
「よし…ロイ、やろう!!」
「ああ!」
「テラスタルオーブ!浄化モード!!」
二人が手を繋ぎ、もう片方の手でそれぞれ内部に特殊な結晶を置いた球体を掲げる。その名も《テラスタルオーブ》。オーブが輝くと、男の体からストロングスフィアの放つもやを吸収していき、男の体も徐々に元の姿へと戻っていく。そして、浄化完了。オーブの光が消えると共に、元の肉体に落ち着いた男はぐったりと倒れ込んだ。
「やった!!」
二人は同時に喜びを言葉にし、互いに笑顔を向け合う。繋いだ手を離してハイタッチを交わす。
「それじゃあ後は…」
「ふん!今日はこれくらいにしといてやるよ!!じゃあな!!」
ロイが睨みつけると、サンゴは球型のユニットを呼び出して乗り込み、空中へと逃げ去っていった。
「あ、待て!!」
「ロイ、深追いは禁物だよ。それよりこの人を…」
「ああ、そうだな」
そうして二人はライジングボルテッカーズ本部であり、彼らの家と移動手段を兼ねる飛行船、《ブレイブアサギ号》へと帰還した。救助した男をメンバーの一人で医者であるピンクの髪の女性モリーに託し、彼らは研究室に向かった。そこで待っていたのは紫のロングヘアーの少女でありライジングボルテッカーズの発明家、ドットだった。
「お疲れさん。早速オーブを見せてくれ」
「はい」
二人がテラスタルオーブを渡すと、ドットはそれを機械に乗せて解析を始める。しばらくして、空中に浮かぶデジタルスクリーンに二つのデータが表示された。
「見て、左が前回の《ラクリウム》吸収量…そしてこっちが今回…吸収量が格段に上がってるし、安全なエネルギーへの変換効率もかなり上がってる」
「スゴい…こんなに…」
「ってことは…」
リコとロイが口々に呟くと、ドットはくすりと笑う。
「ああ、大成功だ。お前らのラブラブパワーのお陰だよ」
「ラ、ラブラブパワーって…!言い方…!」
「愛と絆のエネルギーだぞ?間違っちゃないだろ」
「そりゃ僕たちラブラブだけどさ…恥ずかしいよさすがに」
「ロイ、まんざらでもない顔だな」
顔を真っ赤に染めるリコに対し、ロイは照れながらも鼻の下を掻きながら少し口角が上がっている。ドットはやや呆れながらも話を続ける。
「愛と絆のエネルギーを取り込んでオーブのパフォーマンスを上げる改造…ボクの見込んだ通り、二人にピッタリだったな」
「でも…さすがに部隊の名前変えようよ…毎回ハート作るのも恥ずかしいし…」
「ダメだよ。こういうのは形から入った方がいい。よし、もっと機能を上げたいし…二人とも今からもっといちゃついてこい」
「えー…まあいいけど。リコ、行こっか」
「あ、うん…けどいちゃいちゃって…どうする?」
「とりあえずパトロールついでにデートしよ!」
にこやかに笑ってみせるロイを見て、リコの口元も自然と緩む。その後、パトロールそっちのけで楽しくデートする二人がネット上で話題になったとか…
いちゃいちゃを経て、彼らの戦いはまだまだ続く…!!
Fin
※多分もう書きません
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