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awase
2025-05-16 16:08:49
9445文字
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ナルサス
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【新刊サンプル】人体の勉強しよね
7/13に出す本の「Submit to the embrace of dreams」に入ってる3話目
※しょーもな下ネタが多い
※全文載ってるので、本で同じもの読みたくない方はご注意ください!
図書館、行くかあ!
珍しいことを言い出したナルトに着いて家を出たのが数十分前。
閉館間近の図書館にまでてくてくと歩いて行き、入館の受付を済ませたナルトとサスケは、目当ての棚の前で数冊の本を手に取っていた。
ここ最近ふたりの間で、肛門の奥にあるぴらぴらはなんなのだろうか、という話題がトレンドだった。挿入時、深くまで入っていると辿り着く弁のようなものがあり、そこを刺激されると息苦しいけど気持ちいい。でも、もしかしたら触っちゃいけない部分かもしれない。そういうことを話しており、では人体について調べてみようということになったのだ。
分厚い人体の本は字が細かくとてもじゃないが読んでいられなくて、ペラペラとページを捲るナルトの肩に顎を乗せ眺めていると、腸内の仕組み、という項目で手が止まった。
「お」
ナルトが指を滑らせ、腸内の名称を辿っていく。
「肛門があって〜、んでここが前立腺ね。図で見ると、前立腺すげー手前にあんな」
「
……
直腸の前のこれか?」
「んーと
……
直腸横ひだ
……
?こないだ気持ちかったとここれなんかな」
ナルトが親指と人差し指をメジャー代わりにしてサスケの腹に当てる。このへん?と位置を調整しながら言われても、素の時ではピンとこないものだ。体感では、胸下まで貫かれているのではと思うほど強烈な衝撃がある。
「
……
そこ、突かれるとくぽくぽした」
「エロ」
「うるせー」
図面で見てもよくわからないが、直腸手前のひだにペニスの先端が触れると明らかに深いところに入られた感覚があり、引っかかったカリをひだが押し出そうとするのか、ぎゅ、ぎゅ、と強く締まり気持ち良い。同時に息苦しさもあるのだが、近頃はそれを感知できずに気持ちよさだけが残っている。
「で、この横ひだの奥が直腸S状部だって」
「
……
ふーん」
「絶対入っちゃダメなとこだよな」
「入ったらダメで言ったら、尻穴自体ダメだろ」
たしかに、とナルトが大笑いする。なに安全圏から笑ってんだ。
「
……
ていうか、房中術の本にもっと詳しく書いてあるんじゃないか」
サスケが図書館のカテゴリを見渡し、列を変える。忍術の棚は膨大すぎて探しきれないが、房中術、の表記を見つけ何冊か手に取る。男の忍はくノ一ほど房中術について勉強しないが、触りだけはアカデミーでも習った記憶があった。単純なアダルト雑誌も何冊か混ざっており、パラパラと捲ったナルトがパタンと閉じたので視線を向けると、無理かも、と顔を横に振ったので雑誌を受け取る。
「
……
男の裸載ってるぅ〜」
「は?いまさら
……
」
「サスケのしか無理っ、見れない〜っ」
サスケの後ろに隠れたナルトが恐る恐る目だけを覗かせる。男同士のまぐわい方法や体位が写真で載っていたが、やはり何を今更、という気持ちだった。いつもこれと同じことをしてるというのに、新しいページを捲るたびにうっと顔を伏せるナルトは、本気で男の裸体に嫌悪感を示しているようだった。
「怖い怖い
……
」
「
……
なに言ってんだ」
たしかに多少強烈だが、客観視すれば自分たちも大差ないはずだ。最後のモノクロページで直腸の解説が載っており、そこには先ほどの人体カタログよりも下世話な表現で解説してあり参考になりそうだった。特に、直腸横ひだを超えた直腸S状部、S状結腸は、気絶するほどキモチいい!と書いてある。ナルトに見せると、文字とイラストだけのページになったことに安心したのか本を手に取った。
「ハァ
……
他のページ見せんなよ絶対」
「見せねーよ」
類似の雑誌を数冊手に取り、棚と壁側の通路に二人でしゃがみこむ。空調が効きすぎており、寒さに袖の中に手を隠すとナルトも同様にそうしていた。そのスペースが館内の冷風の掃き溜めになっているのか、極寒かと思うほどの温度にガタガタと震えながらアダルト雑誌を捲る姿は滑稽だったが、借りるのも日中読みにくることも抵抗があるので仕方ない。
寒さを言い訳にどちらからともなく寄り添いながらページを見ていると、『パートナーをメロメロにする魅惑ボディのつくりかた(ウケ編)』の項目が目についた。
アナルには保湿クリームを塗ってふっくらとさせるとかわいい、お尻のケアは見えない努力!朝晩たっぷりとボディミルクで保湿しよう、ということだ。生憎サスケにそんな暇はないし、素のままの身体が満足いかないと言うのならそのときは潮時なのだろうという認識のため、今のところ特に手は施していない。
しかし、気になる項目もあるものだ。
縦割れアナルがどうだのと書かれているページをめくり、サスケが指し示すとナルトが文字を追うように視線を滑らせる。
尻穴での性交を長いこと行っていると、括約筋が元に戻ろうとして縦に割れる現象だ。サスケも近頃そのようになっており、なんとなく機能面的に大丈夫なのだろうかという不安があった。誌面のテキストでは、縦割れアナルはパートナーのために開発することも◎。簡単に戻ってしまうので、丁寧な開発とアナルセックスを心がけよう!と無責任なことが書いてあった。ほんとかよ、と訝しげなサスケの横でナルトはあからさまに嬉しがり、大丈夫だって!と大喜びする。
「オレこれ好きなんだよな〜、すげーエロい」
「大丈夫とは書かれてないだろ」
「でもすぐ戻るって」
「信用ならねー」
「じゃエッチの頻度減らす?」
いやだ、とサスケが首を横に振るとナルトは上機嫌の限界を突破した笑顔になる。スケベすぎだろ、と思わなくもないがお互い様だ。ぐいと肩を抱き輪郭を撫でる手つきに、単純な奴、と思いつつ擦り寄ると、浮かれぽんちな唇が頬に触れた。
一連のやり取りでややムラつき始めた気配を纏ったナルトが、さっきの怯えた様子を失くしぺらぺらとモノクロページを捲るのを眺める。前立腺の触り方、というページで止まり、すりすりとこするのではなく手前に掻き出すように、というイラストつきの記述を見つけたナルトは、えっ、と小声で驚きサスケを見やった。
「マジ?えぐるの?」
「
………
知らね。どっちでもいい」
「痛くねーのかな」
「オイ、手やめろ」
中指と薬指で下品なジェスチャーをするナルトの手を掴む。帰ったらしたげる、と言うナルトにフンとしながらも期待せずにはいられなくて、手の中で変な指の動かし方をされることに性懲りも無く疼く。
自分はいつからこんなに頭を悪くさせられたのだろう。ナルト曰く元からバカらしいが、このような関係が始まる前はもっとまともだったはずだ。
「お前」
ふと目についた疑問が浮かび、ぽつりと呟くと返事の代わりにナルトが頭に頬をこすらせた。
「
……
指
……
挿れるとき、人差し指使う時と、薬指使う時あるけど、なんだ」
関節が太く浮き出た手に触れる。サスケに触れる時はほとんどが左手で、元は利き手ではないその手もだいぶ器用に動くようになってきた。丸く整えられた爪をつるつると撫でていると、ナルトが人差し指を曲げた。
「あんま考えてないけど、正常位じゃないときは人差し指使ってっかも」
「なんで」
「なんかこう
……
細かく動かしたいときに人差し指で、がっちり固定したいときに薬指みたいな」
「へー」
「こうさあ
……
わかる?」
指で輪をつくるように誘導され、やめろと押し退けると悪戯に笑う。しょうもない下ネタにも関わらず行為中の甘やかな快感を思い出しコートの中で膝を擦り合わせると、目敏く気づいたナルトの手のひらが膝の丸みを撫ですりすりとくすぐった。
「
……
やば。すげームラムラしてきた」
「
………
バカがよ」
しかし、同意だ。無性にそうされたくなってきて、ナルトの肩あたりに頭をこすらせると我慢のきかない手のひらがコートの中に忍び込む。シャツの隙間を縫って腹あたりを触られるだけで、どうしようもなく期待する。そうはいっても、こんなところで本気で盛るほど猿じゃない。ないのに、体温が恋しくて首元に擦りつきすんと匂いを吸うと、ナルトも同じようにニヤリとしてサスケの頬に鼻先を押し付けた。
「ちゅーしよ」
「ん」
「てか、帰ったら絶対ヤろ」
「ん」
数回唇をこすらせるように重ね、頃合いで舌を絡める深いキスへと変わってゆく。鼻から抜けるような吐息が漏れると、ナルトの盛りついた手が大胆に服の中に入ってくることに興奮した。
続きをしたくて堪らなくなってきて、伸ばした足先が丸椅子を蹴り僅かに揺れる。本当に服を剥かれそうになり慌ててナルトの手を掴むと、「冗談」と離れていった唇が名残惜しかった。
「他の本も取ってくる」
「
……
ああ」
触れられた部分から熱が引かない。
腰を上げ、本棚を漁りに行ったナルトを見送っても尚も体の疼きがつらくて後ろ姿を目で追ってしまう。少しも離れていたくない、だなんて、自分がそんな風に熱中するタイプだとは少しも思わなかった。
いくつかのアダルト雑誌を持って来たナルトが再び隣に腰掛けるのをすぐさま捕まえ腕を引くと、「なんだよぉ」と甘えたナルトがサスケの髪に頬をこすらせる。ふたりでいるときにしか出さない優しい声色が好きで耳を澄ますと、彼氏ヅラに余念のないナルトがサスケの肩に手を回す。カッコつけててダサいという気持ちと堪らなく好きだの気持ちが両方あり、まだ丸みの残る顎あたりの肉に噛みつくとナルトが嬉しそうに笑って、変な奴だなと思った。
「なんか男同士のエロ本あった。変なページ以外のとこ探して」
雑誌を手渡され、サスケはナルトが嫌がりそうなページを飛ばしながら参考になりそうな箇所を探す。こういうのを見ると、自分たちはこれでもそこそこマシな時代に生まれたのだな、と実感できる。
男の忍同士で若い忍をまわしたり、敵陣に男の忍をスパイとして送り込み売春をさせたり、そういった時代の名残として、図書館にも男同士のアダルト雑誌や房中術の参考書は山ほどある。それを今日まで知らなかった。本の内容はコミカルにされているが、探せば山ほど出てくるほどに昔は男も女も体を使わされていたのだ。
そう思うと、お互いが初体験となった自分たちに対し良かったという気持ちになる。
「あったぞ」
「男の裸載ってない?」
「載ってない。イラストだ」
目元を覆っていたナルトが手を外し雑誌を覗き込む。
直腸開発!と書かれたページには、やはり先ほどの雑誌と同じように、これ以外の快感が要らなくなるほどに気持ちいい、と書かれている。
「結腸までいったらすげー気持ちいいんだな」
「
……
べつに、今も満足してるけどな」
「サスケぇ、嬉しいっ、だいちゅき」
ちゅっ、と思ったより大きくリップノイズが響き、咄嗟に頭を叩くとナルトが口を抑える。閉館間近で人がいないとはいえ、いつ司書が見回りにきて見つかるとも限らない。入館申請をしているから余程でなければ閉館時間までわざわざ見にくるようなことはないだろうが、不要な注目を浴びたくはない。
「
……
バカ」
「悪ぃ」
こそこそとし直し、ページを捲る。結腸開発其ノ二!と書かれたページに20センチと表記された張型がS状結腸を貫くイラストに、ぱたんとナルトが雑誌を閉じた。
「にっ
……
!?」
「見せろ」
再びページを捲ると、直腸横ひだまでがおよそ10〜15センチ、S状結腸までは20〜25センチが必要なようだった。
20
……
?手を開いて確認する。大体親指から小指までの距離、だろうか。ナルトが持参したペットボトルのオレンジジュースを手に取り、サスケの腹に当てる。
「にじゅう
……
?」
「
……
腹破ける」
「やばすぎ
……
」
しかし、アナル開発の行き着く先とも書かれている。最上級の快感が得られ、これなしではセックスできないほど禁忌の快楽だとも。目が離せずにいると、ナルトがサスケの目を覆い雑誌を適当な椅子の上に追いやった。
「興味持ってんじゃねーかよっ」
「見てただけだろ」
「浮気者!試したら許さねーかんな!」
「でけー声出すな」
アダルトグッズの類すら許さない奴なので、そんなことをすればナルトに殺されることはサスケもよくわかっている。少しだけ興味を引かれた気持ちを押し退け、目元を覆う手を外すとナルトが不安げに見つめていて、なんだか奇妙な気持ちになった。普段あまり妬くということをせず、醜い感情を表に出さないナルトが取り乱しているのは少しだけ気分がいい。サスケがかつて里を出ていた時の強烈な執着心はなりを潜めたものだと思っていたから、胸中を探るような眼差しに悪戯心が湧いた。
「
…………
」
「
……
なに黙ってんだよ」
「
……
べつに、なんも」
「マジでぜってぇダメだから」
真剣に念押しする顔に、でも興味ある、と呟くとナルトの表情が強張る。ショックを受けたことを隠さない様子にすぐに罪悪感が湧いてきて、頬をこすらせ宥めてもナルトは緊張した空気を解かない。恐らく脳内では、サスケが20センチ超えの張型を買うんじゃないかとか、他の男と浮気するのではないか、という想像が渦巻いているはずだ。
さすがに度が過ぎたか、と僅かに反省し、嘘だと言って口端にくちづけると、ナルトが悲しげに眉を下げた。
「
……
凹む」
「オイ、本気にすんな」
ナルトを揶揄うのは楽しいが、男としての自尊心を傷つけたのはやりすぎだったかもしれない。ふいと顔を逸らし、すでに興味がないはずの雑誌を手に取りパラパラと捲る姿はかなり可哀想感が溢れており思わず笑いたくなる。そこまで傷つくか?と追い討ちをかけたい気持ちを堪え、雑誌を奪って再び椅子の上に片す。伸びてきた金髪を耳にかけ、軽く耳たぶにくちづけるとナルトが捨て犬のような眼差しをサスケに向けた。
「
……
お前、四代目に似てきたな」
「は?嬉しくねーし
……
」
失言だったか。大人の男の名前を出されたことに再びへそを曲げたナルトがそっぽを向く。しかしサスケは生まれてこの方他人の機嫌を取ったことがなく、この場を挽回する術を知らない。ナルトも完全に怒っているわけではなく、サスケからの機嫌取りを待っているのだとわかるから余計にどうすればよいかわからない。
別に今すぐ試したいとかでなく、もっと成長したナルトといずれすればよいかと考えただけなんだが。そう口にしたところで、今できなくて悪かったなと新たな切り口から怒らせることは目に見えているので口走るのは留まる。
「ナルト、機嫌直せ」
「
……
別にぃ。オレが悪いのわかってっし。こないだも、横ひだ
……
?ぴらぴらんとこ、入んないって言ったの今思い出したし
……
」
そうだった。その時もサスケが、それより先に入るかと聞いて、ナルトが入らないと答えたのだ。思い返せば失言を繰り返している気がする。こいつにも挿入側としてのプライドがあったんだな、と失礼なことを思いつつ、言葉を探した。
「
……
あんなところ入ったって困る」
「
……
入ってほしそうだったくせに」
「だめだ。充分気持ちいいのに、あれ以上しようとするお前を止めたんだ」
ぴこん、とナルトの機嫌がひとつ直った音が聞こえた気がして要領を得る。
ぜってぇ嘘、と不貞腐れつつまだ言ってほしそうな様子に、本当にアホなんだなという愛おしさが湧いた。
「嘘じゃない。お前、結構うまいしよ」
「
……
リクるほどテクないって言ってた」
「照れ隠しに決まってんだろ」
「
……
ほんとぉ
……
?」
魚釣りをしてる気分になってくる。どこに釣り針を落としてもパクパクと食いついてくる魚の様子を思い出し、もう少し釣り針の位置を変えてみたい気分にさせられた。
「そもそも、お前としかできないから安心しろ」
「えへへ、なんで?なんでオレとしかできねーの?」
「前戯長くて、挿入時間短いのが性に合ってるんだ」
「は?」
「ところで、早漏治そうとは思わねーのか?」
「なんなんだよこいつ
……
」
ムカつく!と言ったナルトが雑誌を手に取りパラパラと捲る。挿入から射精までの平均時間、と書かれたページを指差した。
「平均5分ちょい!オレってばいつも10分は持たしてんだろうが!」
「すぐ出てる時あるだろ。よって、平均5分以下だ」
「はーん。ほー。んじゃ、サスケはオレに無理に我慢してほしいんだ」
「
……
そ
………
」
「かわいそうなオレ
……
。次から我慢すんね。すげー気持ちよくても出さないようにすっからよ、期待しといて」
「
……
ぐ
………
」
そう言われると途端に嫌な気がしてくるのは何故だろう。ふんと顔を反らし、パラパラと雑誌を捲るナルトの横顔を見つめる。
気持ちよさそうに達するナルトが好きで追い立てている自覚もあるため、それが見れなくなると思うとかなり惜しい気分になる。面白半分におちょくったせいで綺麗にやり返されたことを甘んじて受け入れ、悪かった、と肩にすり寄ると青い瞳が横目に視線を寄越した。
「
………
さっきのは冗談だ」
「へー。どれのこと?」
「我慢してほしいってやつ。よさそうにしてるの好きだから、我慢しなくてもいい」
「
………
早漏とは思ってんだね」
それはそうだろ。そこが撤回されると思うのはさすがに厚かましすぎる。
身体を寄せて妙な話をしているともっとくっつきたい気持ちが溢れてきて、寒い、と言い訳をしながらナルトのアウターの中に手を突っ込むと暖かかった。
既に機嫌を直したらしいナルトがよくわからない鼻歌を歌いながら雑誌を見ている様子を見つめ、早く帰りたいような、もっとイチャイチャとしていたいようなどっちつかずの感情になる。
男同士のやつ見てらんねーわ、と言ったナルトが男女のセックス指南書に切り替え、前戯のページをあまり関心がなさそうに眺めているのを、サスケも肩に頬を預けたまま同じように眺めた。
「フェラのやり方とか載ってる」
「
……
ふーん」
「ていうか、サスケ最近あんましてくんないね」
「べつに。たまたまタイミングがないだけだ」
「するの好きじゃない?」
視線が口元に向けられているのを感じる。気まずくて顔を伏せると、サスケの機嫌が悪くなったのだと勘違いしたナルトがあやすように背を撫でる手つきに甘えたくなる。
「好きじゃなくない」
「ほんと?じゃあ好き?」
「
………
」
なんとなくナルトの左手に腕を滑らせ、手を握るとゆるく握り返される。今にも事が始まりそうなほど空気が湿っていて、いきなりすべてがどうでもよくなった。
肩に寄りかかっているせいで少し上の位置にあるナルトの顔を見上げれば、同じように視線を向けてきた青い瞳とぶつかる。僅か10センチほどの距離にある顔と見つめ合い、どちらからともなく吸い寄せられるように唇を重ねた。
さっきはわざわざ言わなかったが、しつこい前戯も好きだし、本当は早漏とは思っていないし、愛情たっぷりに触れ合う時間はどのようにしたって楽しい。だけどそれを言ったとて大して喜ばないことを知っているから言わない。ナルトは与える方に特化しており、受け皿は極めて小さいことをサスケはよく理解している。
肩に縋ると、腰を抱き寄せたナルトが上から食むようにキスをするのを受け止め、音を立てないように唇を貪り合うと興奮した。遠くで人の歩く音と、館内の時計の短針が時間を刻む音が響く。棚の影に隠れるよう身を寄せ合い、身動ぐと足先が椅子を蹴りカタと音を立てる。
は、と短く息をついたナルトが角度を変えて舌を絡める。思わず鼻から甘い声が漏れそうになるのを堪え、熱を帯びてきた指を目の前の首に滑らせるとこくりと喉が動いたことに堪らなくなった。
薄目を開けると、同じく熱を孕んだ眼差しのナルトと視線が絡む。好き、と真っ直ぐに告げられ、肌の下に熱が溜まる。首に回した手を襟から中に忍ばせると、肌を震わせたナルトがサスケの頬を親指でさするように撫でた。じっと混ざり合う視線の間、無言でいるナルトに「なに」と言葉を催促しつつ足先をぶつけた。
「
………
べつに」
「
……
なんだよ」
「サスケ好き」
「
……
うん」
言われなくてもわかってる。けど、言われた方が嬉しい。このような関係が始まった当初は、すぐに熱が冷めただの友人同士に戻るものと思っていたが、予想に反して気持ちは増すばかりだ。
音を立てないよう注意深く唇を重ね、何度も角度を変えてくちづけているとじんわりと中心部が熱くなってきて、悟られぬようコートの中で膝を畳む。ナルトの様子も伺うと、同じくボトムスを押し上げる膨らんだ箇所に自分のことは差し置いて笑みが溢れた。
「
……
勃ってる」
右手を滑らせ、膨らみを撫でるとくちづけの最中にナルトがぴくりと反応する。一瞬逃げた舌を捕まえ、尚もボトムス越しに撫でればナルトが顔を伏せて身を捩った。
「
……
こんなとこで触んな」
そして、こいつというのは案外スリルを好まない。人前では触らないことを徹底しているし、努めて友人の距離感を維持する男だ。別に全く構わないのだが、そのような秩序を見せつけられるとなんとなく揶揄いたくなる。膨らんだ部分を撫でまわし、爪の先でカリカリと生地越しにくすぐると質量が増して、明確に形を変えた。
「
……
やめろって」
「
……
やめてほしい時の勃ち方じゃねーよ」
カ、とナルトが肌を赤くする。照明が翳った棚の隅でも、日焼けした肌に熱が差したことがわかりやめ時を失った。火照った首筋に唇を押し付けるとこくりと喉仏が上下し、やわく押し返してくる手のひらを払いのけ腰の上を跨ぐ。
期待と、焦燥と、理性を侵食している欲の破片を映した瞳に煽られ、上から唇を塞ぎ服の中に手を差し込むと焦ったナルトがもがいた。
「マジでやばいからやめろ」
「声出さなきゃバレやしねえよ」
どっちが?とナルトが声を潜める。お前に決まってんだろうがとは言わずに、服の中に潜めた手のひらで胸板をまさぐり乳首を引っ掻くとナルトが小さく息を詰める。性感帯としてはまだ未開発だが、こんな場所で触られているということが興奮材料になっていることは間違いなく、これを機にと柔らかく小さいそれを捏ね回していると、嫌がったナルトがサスケの腕を掴んだ。
「離せ。てか降りろ」
「チッ
……
大人しく感じとけよ」
「なぁ〜、もう帰ろうぜ
……
」
「帰れんのか?」
ぐり、と膨らみを股の下で押しつけると簡単に息を飲む。赤くなった耳を撫で、腰を前後に揺すれば感じるのを堪えるように寄せられた眉に虐めたい欲が湧き上がる。逃げるようにもがいたせいで位置の下がったナルトが棚に頭をぶつけ、乱れたアウターを引き戻そうとするのを邪魔して尚も追い立てると、足先が椅子を蹴ってやや大きな音を立てた。
「クソ
……
変態じゃんお前」
「お前がな」
はぁ、とナルトが熱い息を漏らす。帰りて
……
と呟くその声に、たしかにとサスケも思った。どのみちここでこれ以上のことはできないし、閉館時間も迫っている。トイレで抜いてやるというのもナルトの性格上嫌がりそうだ。
仕方なしに身体を離し、身だしなみを整えたナルトが椅子の上に置いた雑誌たちを棚に戻してゆく。前屈みなその様子を滑稽に思いながら、サスケも後片付けを手伝った。
「帰ったらぜってー騎乗位しろよ」
「当たり前にするだろ」
そう言うと、ナルトがぱっと目を輝かせた。
いぇーい!ラッキー!と腕を交互に上下しながら喜ぶ姿を見て、今すぐにでも帰りたくなった。
end.
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