Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
三毛田
2025-05-16 15:05:33
1067文字
Public
1000字3
Clear cache
94 04. すぐ隣が定位置
94日目
だと、胸を張って言えるようになりたい
指先ほどしか離れていない距離。それが俺に許された、最も近い距離。
手を伸ばせば、もっと深く触れられる。でも、それを許してくれない。ううん。許してもらえているけれど、俺が臆病でここまでしか無理。
「っと。ごめん」
「穹?」
「邪魔した?」
「そんなことはない」
指先が触れ、嫌がるかなと思って謝るとどうして俺がそれを口にしたのか? というような不思議に思っている表情。
作業の邪魔をしたかと告げれば、そうでもないと。
「お前に触れられるのは
……
嫌じゃない」
ボソボソと口にされたが、俺の意味にはきちんと届いている。
何この可愛い生き物。
クールで、必要事項以外はあまり口にしたがらない。俺となのがちょっとふざけていると、呆れたように自分は保護者です。という感じに俺たちを見ているのに。
羅浮での一件を解決して以降、俺に対する好感度でも上がったのか、前よりも向ける表情も態度も軟化している気が。
一番わかりやすいのは、俺が触れるのを簡単に許してくれるようになったこと。
そして、こうして近くにいても何も言わなくなったことかな。
羅浮に行く前は、〝何でこいつはここにいるんだ〟という表情を隠しもしなかったのに。
まあ、これからも共に旅をしていく仲間としては嬉しい変化である。
けれど、人間という物はよく深い生き物だ。
親友で、俺の一部だと言われて嬉しくないのかと問われるとかなり嬉しい。でも、それ以上を望んでしまう。
「丹恒」
「どうした?」
「好き」
「ああ。俺も好きだ」
違う。
そう叫びたいのに、嬉しそうに柔らかく微笑む彼を見てしまうと、何も言えない。
丹恒の好きと、俺の好きは違う。でも、彼はそれをわかっていないのだ。
具体的に言ってしまうと、俺の〝好き〟には邪な感情も含まれている。
手を繋ぎたい、ハグしたい。位ならまだ可愛い方。
俺の手で心も体もとろとろとに溶かして、俺以外いらないって言わせたい。
そんな、醜い独占欲。
知ってほしいと思うけれど、知られたくない。
今はまだ、彼の親友という、すぐ隣を定位置にしておきたいから。
恋人を望むには、まだ早いかもしれなくて。
「どうしたらいいと思う?」
「それはあんたと丹恒の間で決着をつけるべきであって、ウチを巻き込まないで!」
丹恒が集中し始めたので、隣のなののところへ突撃して相談したら、これだ。
「好きって言っても伝わらないから、困ってるんだって」
「押し倒せばいいじゃん」
「それで伝わるなら、俺だって苦労してないよ」
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内