薄暗い雲の多い町の片隅で、雨に打たれながら私は死ぬんだ。良い人生だったとも言わないけど、突然家族と生き別れになって野垂れ死ぬようなことになるほど悪いことをしたっけ?
「……おにいちゃ、ん」
途中まで手を繋いで走っていたはずの運動がダメなお兄ちゃんには、きっともう会えない。頬に当たる冷たいコンクリートをさらに濡らすのが雨なのか自分の涙なのか分からないけど、泥に汚れたまま一歩も動けないのが悲しくて……この場にポツンと遺る体を想像して今にも裂けそうなくらい心臓が痛い。
呻く体力も残らないまま、悲しくて苦しくて思わず握った爪が硬いコンクリートをガリッと引っ掻いて歪に割れた時。不意に滲んだ視界に影が落ちた。ぱたぱたと体に当たる雨の感触は消えないけど、誰かが傍に立った気配がしてグッと息を飲むと深く溜息を吐くような音が聞こえる。
「……今日は、ちょいと捨て猫が多すぎやしないか」
低い声は間違いなく男の人の物で、お兄ちゃんとは全然違う。誰だか分からない相手は本当に猫でも掴むように私の首裏の生地を引っ張って持ち上げた。空に近い体力なのにぎゅっと気管が絞まってげほげほと噎せ込む。
――何するの。
そう言いたくても動かない口の代わりに何とか上げた視界には、同じように雨に濡れた男の人が映っている。そして、彼のかける黒いサングラスにはボロボロの私が映っていて――その更に向こうから赤い色がジッと私を見ていた。
何も言わないまま見つめ合う……というより睨み合っていると、不意に体がふわっと浮いて彼の肩に担がれる。だらんと体を伸ばすしか出来ないまま、誰かも分からない人に胸やらお腹が当たったまま連れ去られようとしている事実に頭だけが焦っていく。
「ま……って」
枯れた喉で精一杯声を出した私に、一瞬だけ歩みが止まった足はまたすぐに動き出してしまう。ぶらんぶらんと揺れる手足に反して、落とされる気が全くしない不思議な肩の上。雨を吸っても質がいいと分かる黒い生地に赤い小さな花の刺繍が入った袍を着た男性に、私は捨て猫の如く拾われた。
いつの間にかぷつんと途切れていた意識が戻ると、白いふかふかした布の中だった。
「……?」
記憶が確かなら、今にも死にそうになっていたはずなのに……生きているどころか、人生で初めて触れるような気持ちのいい布が敷かれた寝台で目を覚ましてしまった。
――私ってば、知らない間に天国にでも来ちゃった?
寝起きと栄養不足でぼやけた頭でそんなことを思っていると、少し開いた扉の向こうから女の子の高い声が響いて聞こえてくる。
「ライト! あなたまで捨て猫を拾ってくるだなんて! うちは頭もアホなら、右腕もアホですわ!」
「そう怒るな、お嬢様。二匹もいるならどっちかは招き猫かもしれん」
「なーに寝ぼけたことを言ってますの!」
綺麗な金髪を逆立てて鉄パイプ片手に怒る女の子の前にいる人は、湯上りなのか例の黒い衣装を着ないまま上裸ではあるけど、さっき私を拾った男の人で間違いない。
ブンブンと振り回されるパイプを避けながら器用に髪を拭いていた彼が突然パッとこっちを向いた。サングラスの無い目とばっちり視線が合って肩を跳ねさせた私と違って、パシリと鉄パイプを掴んで女の子を止めた彼は少し背を屈めて彼女へ何かを囁いていた。
聞こえない会話の後、眉を寄せた彼女が細い指で私を手招くから恐る恐る二人へ近づく。すると、腕を組んだままの女の子は首を振って金髪をスっと払うと綺麗な目で私を見上げる。
「具合は良くなりまして、黒猫さん?」
「黒猫?」
「今日はココと向こうのアホのおかげで拾われてくる猫が多くって呼び分けに困ってますの。そして、あなたはあっちよりも黒いので黒猫さんですわ」
「要は名前を教えろってことだ」
隣から付け足される簡単な要約に、またキィキィと怒った彼女は、ふっと息を吐いてから私の答えを待っていた。だから、ぎゅっと胸元で手を握りながら「リン」と大切な名前を答えれば彼女は「ルーシー」と名乗り返してくれる。隣の彼が着ていたのと似たような生地の黒いチャイナドレスを着こなしたルーシーが親指でクイッと指せば、成り行きを黙って見ていた赤い視線がこっちを向いた。
「これの名前はライト。荒事中心にうちの用心棒が主な仕事ですけど基本雑用係だと思って構いませんわ」
「随分な紹介をされたもんだな」
「なにか付け足したいことがあるなら自分で言えばいいんですわ」
付け足せと言われると特に何も無いのか、軽く肩を竦めたライト……さんは私に興味があまりないのかチラリと見てから部屋を出て行ってしまった。
急なことではあったけど、命の恩人に違いない彼にお礼を言いたくて広い背中を追いかけようと足を動かす。でも、バン!と音を立てて開いた扉の向こうに現れた背の高い女性と、その後ろから顔を出した灰色の髪に体が固まる。
「お兄ちゃん!!」
「リン!?」
咄嗟に体が駆け出して、もう二度と会えないと覚悟決めていたお兄ちゃんにぎゅっと抱き着いた。ぎゅうぎゅうと抱き合う体はあったかくて、お香のような知らない香りがする。
「二人は兄妹だったのか! オレ様とライトが一緒に拾ってラッキーだったな」
快活な声に振り返れば、真っ赤な生地に金糸で獅子の刺繍が入った袖を靡かせた人が嬉しそうに笑っていた。お兄ちゃんの命の恩人、そして後々には私たち二人にとって一番の顧客になるこの辺り一帯の頭である女性は「シーザー」と笑顔で名乗った。
お兄ちゃんと奇跡のような再会をしてから数週間。
シーザーたちに拾われた私たちは、元々二人で情報屋をしていた経験も生かして彼女の管轄である土地に小さな店を構えるために日々奔走していた。小さな店に来る人から情報を仕入れて、次へ適切に回す。ボスの必要な情報があるならそれを探って仕入れてくる。そんな仕事をカモフラージュするための店舗の用意と、恩人たちの仕事手伝いを並行でしているから店と屋敷を行ったり来たりしながら駆け回る日々を暮らしている。
でも、肝心のライトさんには何故かほぼ会えていない。一度だけ重い箱をフラフラ運んでいると、横から突然現れてひょいと箱を持って行ってくれたから嫌われている訳でもないんだろうけど。
「もっと仲良くなりたい……」
「リンちゃんはライトのこと、気にしてばっかりだね!」
二つにまとめたお団子頭を揺らしながらニコニコしているバーニスに返す言葉もなく、置かれたお饅頭を齧る。もそもそと甘い生地を噛みながら渋い顔をする私の頬をツンと突っついた彼女は記憶を辿るように斜め上をひょいと見て首を傾げた。
「今日の夜は帰ってくるって珍しーく言ってたような」
「えっ、そうなの?」
「言ってなかったような……あはは! 忘れちゃった!」
「どっちなのかなぁ〜!?」
肩を揺らされながらアハアハと笑う彼女曰く、秘密のお仕事が多いらしいライトさんの所在を掴むのは難しい。こっちにいたと思っても何処かで寝ていたり、雑用で外にいたり。兎に角、会うタイミングがよく分からない相手が珍しく夜には戻ってくるらしい。若干信じていいのか怪しい情報なのが気がかりではあることを除けば、しっかりと彼にお礼を言うチャンスがやっと手元へ巡ってきた。
だから、どこから帰ってくるのか知らないライトさんを捕まえるために屋敷の玄関に座り込んで待ち惚けること何時間……うとうと船を漕ぎそうになるような深夜を「夜」といったバーニスの頬を朝になったらモチモチしてやろうと心に決めた頃、玄関口ではなく少し向こうにある裏口がガタリと音を立てた。慌てて飛び起きたせいで縺れる足を何とか動かして廊下を走る。そして、パッと覗き込んだ裏口には明かりが付いていない。でも、その奥に暗く沈むような黒い衣服とチラつく赤い花の模様は間違いなくあの日見た姿だった。
だけど、鼻につく鉄錆の匂いと目を凝らさないと見えない暗い色の髪が更に黒くなるくらいぐっしょりと濡れていることに心臓がばくばく跳ねる。履物を脱いでいたのかのそりと動いた影がこっちを向いても暗闇の中だとサングラスの奥にある目も見えなくて足が固まったように動かない。
「……なんだ、あんたか」
低く呟いた声にハッと血が巡ったのかやっと動くようなってくれた体で傍に寄ると、顔を顰めたくなるような鉄の匂いが強くなる。
「ライトさん、どこか怪我してるの?」
「俺が?」
「うん」
嫌にゆっくり動く彼が自分の体を見下ろしてから左右に首を振る。その横顔を見ながら、初めて会った時の曖昧な記憶よりも今の彼の方が顔色がずっと悪いような気がした。怪我は無いらしいのに、怪我人よりも苦しそうに見える人が心配で肩へ触れようとすればサッと避けられて黒い影は立ち上がってしまう。
――また何も言えないまま、この人は何処かに行ってしまう。
だけど、今の彼に触れると避けられる。それなら私に出来ることは一つだった。
両手を広げて彼の前に立ち塞がりながら名前を呼ぶ。ぱちりと瞬く目が見えたことにこっそり息を吐きながら彼の手を指さした。
「その手、やっぱり怪我してるじゃん」
「これぐらいは慣れて……」
「私の仕事は後方支援になったから、ライトさんが慣れてても治療するのが仕事!」
仕事を取り上げたりしないでしょう? そう言うつもりで手を広げ続ければ彼は自分のサングラスに一度触れてから、私の後ろを指さした。
「この格好の俺を治療したところであんたが汚れるだけだ」
「お湯を浴びたら絶対来てくれる?」
「あぁ……絶対に行くからそこを退いてくれ。この匂いはちと堪える」
「分かった。引き留めてごめんね」
通路の脇に体を寄せれば通り過ぎていく大きな体からは濃い血の匂いがする。でも、私なんかよりずっと悪い顔色を横に見ながら頭の中の手帳に「ライトさんは血が苦手」と書き込んだ。何も知らない恩人について知ったことが一つ増えた私は、彼に使う治療用の薬を取りに割り当てられた自分用の部屋へ足取り軽く走った。
頭の上からばさりと湯を被れば嫌な色が透明色に混ざってダラダラと流れていく。それを焦点の合わない視界で見ながら頭の中で、小柄な相手の名前を思い出そうとしていた。
「なんだったか」
一度聞いただけの名前を覚えるのは得意じゃない。その悪癖は自分の手で拾った相手にも適用されるらしく、今日まで大して興味もなかったせいか頭を回しても一文字たりとも浮かびはしない。
あの子は、いつの間にか黒猫を卒業してここで役割を得ていた。そして、どう見ても嫌な色をしていたはずの俺を見て固まりはしても傍に来た芯の強さを悪くないと思ったせいか名前を覚えていないことが多少申し訳なくなって、爪先まで赤色を落とした頃には彼女へどう言い出そうかと頭の隅を悩ませることになってしまった。
頭を悩ませながら足を踏み入れた脱衣場に置いたはずの血濡れの服はなくなっていて、代わりに置かれた清潔な軽装。それの傍にぽんと置かれた紙には、手描きの部屋割図に「ココ!」と書かれて舌を出した顔のラクガキまで丁寧に添えられている。絶対に来いという確かな圧を感じるソレを手に収めれば、握り拳の傷に改めて気がつく。
「治療……か」
人を呪わば穴二つ。それと似たような物だと思って傷付いていく腕の治療をしようと思ったこともなければ、そんなことを他人に言われたのも初めてだった。ハッと笑った自分に少し驚きながらも着込んだ衣服からは洗った後の優しい香りがする。
これも後方支援の賜物か? と彼女に直接聞けばいいと思いながら戸を潜って部屋に向かう足は帰ってきた時よりもほんの少しだけ軽かった。
律儀に響いた戸を叩く音に慌てて音の元へばたばたと駆け寄った。開けた戸の向こうにいるライトさんはスッキリとした色になっていて、顔色もさっきよりちょっとだけマシになっている。
「おかえり、ライトさん」
お兄ちゃんを迎える時と同じ言葉が自然と出た私を見下ろす目がサングラスの向こうで驚いたように丸くなる。パチパチと瞬きまで繰り返して何かにびっくりしている彼へ首を傾げれば、同じような仕草で彼も首を傾げる。
「あんた、いつの間にうちの人間になったんだ?」
「私を拾ったあなたがそれを言う?」
バツが悪そうに頬を指先で掻くライトさんを少し笑ってから手招いて長椅子へと座らせる。でも、怪我をしている右手を全く出してくれないから手本を見せるように両手を彼に向けて差し出した。
「手、出して」
「……はいよ」
そっと乗せられた右手は大きくて、指の関節がしっかりと盛り上がっている。用心棒のような仕事が主な人らしく、喧嘩慣れをしたゴツゴツと硬い人の手だった。お互いに何も言わない。私は塗り薬を彼の傷に指で広げるだけだし、ライトさんも痛みに呻くこともなければ顔を顰める様子もない。淡々と手の温度と近くにいる彼の薄い呼吸の音だけが耳に届いていた。
そして、左手にも同じように薬を塗って、もうそろそろ治療が終わるという頃に彼の指先がぴくりと跳ねた。痛かったんだろうか。そう思って顔を上げれば思ったよりも近くにある整った顔に心臓が跳ねて、右手がするりと頬に添えられたせいで跳ねた心臓が口から飛び出てしまうんじゃないかと心配になった。両手で彼の左の手を握ったままバクバクと心臓を跳ねさせていると、黒いサングラスの上にある眉がしなっと下がった。
「あー……気を悪くしないで聞いて欲しいんだが」
「う、うん」
「……あんたの名前は何だ?」
「えっ、忘れちゃったの!?」
「忘れたというより……覚えてないが正しいな」
「悪化してる!?」
違う意味でドキドキしてきた心臓を沈めるために深く息を吐いた私の頬を撫でる手は「怒らないで欲しい」と言いたげに機嫌を取ろうとしているらしいけど。動きはぎこちなくて、力の加減も不器用すぎる。
だんだん擦るような力加減になっていく手がなんだかおかしくて、くすくす笑いながらその手に頬を寄せたまま真っ直ぐサングラスの向こうの目を見つめた。
「リンです、二文字なんだからちゃんと覚えてよ?」
「リン……リン、か」
「うんうん。でも、まさか拾ってくれた人に忘れられちゃってるとは思わなかったなぁ〜」
名前を繰り返すライトさんの手を撫でながらチクッと突っついてみれば、彼は分かりやすく言葉を詰まらせた。
――なんだかとっても仲良くなれそう。
途端にくすぐったくなってくる口元が緩んでしまわないようにきゅっと結んだ私を見てさらに怒ったと勘違いしたらしい彼は頬を撫でていた手をビクつかせたあと、困ったように宙をさ迷わせていた。
翌日。私に興味が無かったらしい恩人と少し仲良くなったことに足取り軽く廊下を歩いていると「リン」と低い声に呼び止められる。パッと振り返った先にはライトさんが立っていて、近くに寄ると彼はスっと背を屈めた。
大きな手が首の裏へするりと回されて、抱きしめるように赤い花柄が近くなったことに指先までピタリと固まる。
――ちりん。
指先まで固まった私の耳に聞こえる軽い金属の音。自分の首元から聞こえた音に手を添えれば小さくてひんやりとした鈴が付いた赤い紐が揺れている。
「猫には鈴だってうちの大将がな」
「シーザーが?」
「そいつがあれば、あんたを見失うこともないうえに名前も覚えやすい」
一石二鳥だと言ってツンと鈴を突かれる。ちりんちりんと音を鳴らす贈り物に嬉しくなってつんつんと指で鈴に触れる私を、彼は静かに見守ってくれていた。
ちりんちりん……と響く音に「おっ?」と眠くて伏せていた顔を上げれば何かの帳面を見ながら歩いている黒猫が部屋に入ってくるところだった。
お〜い、そう言って手を上げようとした瞬間。リンはカツンと何かに躓いて大きく響いた鈴の音に「あらら……」と呑気に思う。でも、その後ろからヌッと伸びてきた黒い生地の男の腕が彼女を支えてリンが転けちゃうことは免れた。
「こいつの出番はないってなあ」
最近、前よりも昼間に姿を見るようになったうちの坊は気がつけばあんな風に彼女の傍にいる。いつの間にかすっかり仲良しになったらしい二人をおやつに置かれたお饅頭を齧りながら眺めていると、隣に座っていたプルクラは呆れたように溜息をふぅと吐いた。
「子猫が追いかけてたと思ったら、鈴をつけた子猫を追うようになっちまってるじゃないかい」
「雄は雌のおしりを追っかけるもんだから仕方ない仕方ない〜」
結局、そのままライトの腕に抱えられたリンは一個の帳面を二人で覗いて「あーだ、こーだ」と言っている。若者たちの微笑ましい姿にニコニコしていると、しっぽを緩く撫でたプルクラは「そういえば」と話を切り出した。
「ん〜?」
「街の方で掟が出来たらしいよ」
「掟ぇ?」
――鈴の音のする黒猫に手を出してはならない。
「何でも、間違ってしっぽを踏もうもんなら真っ赤な獣が横から飛び出してくるらしいじゃない」
ちりんちりんと音のなる黒い猫に添えられた赤い花。それがなんか色々あって獣になって伝わったらしい。
「ライトのやつ、どっかでなーんか引っ掻いてきたんだねい」
何処かにふらぁっといなくなっては何かしている後輩が元気そうならそれでいいや。引っ掻かれたマヌケはご愁傷さまって感じだけど……手を出すものを間違えるような奴はここじゃ上手く生きていけないだろうから仕方ない。
齧っていた甘ーい味が口から無くなる頃に隣から聞こえた「ところであの二人って出来てんの?」という問いには「しーらない」としらばっくれておいた。
ライトが大きな腕で猫を抱えてふらぁっといなくなってるのは知ってるけど、勝手に言っちゃったら朝まで文句を言われるからね。それに、見て見ぬふりを出来るのが大人って奴で良い先輩ってもんだから、こいつはなんにも知らないフリをしておいた。
「感謝しなあ、ライト」
ぼそっと呟いた声が聞こえたはずもないのに、パッとこっちを向いた赤い色にひらひらと手を振れば、うちの可愛ーい用心棒もひらりと手を振っていた。
――鈴の音のする黒猫に手を出してはならない。だってそれは赤い獣の大事な大事な愛猫だから……ってね。
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