すすぃ
2025-05-15 20:25:51
1285文字
Public ソナタくんの御茶会
 

オリズの物語


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◻︎Sクラス担当職員の記録◻︎
x月x日 本日検査した実験体は両者とも今までの実験体と比べ物にならないほど優秀な素体だ。ソナタは知能がずば抜けて高く手先も非常に器用である。ルネスタは非常に頑丈で健康な肉体の持ち主であり魔力も高い。両者とも今後に期待したい。
x月x日 新たな試みとして実験体同士の交流を許可する。彼らの過去の記憶は消しているが同じ孤児院出身のため問題なくコミュニケーションは行われるだろう。
x月x日 実験体同士の関係は非常に良好である。ソナタは紅茶に強い興味を示しており紅茶に関する本を職員から頻繁に借りている。
x月x日 ソナタは物事の習得が異様に早い。見込み以上だ。もう紅茶の完璧な淹れ方を自分のものにしている。彼の器用さは我々の実験に大いに役立つが同時に脅威にもなりうるだろう。油断することのないよう改めて部下達にも言い聞かせておく。
x月x日 同じスケルトンなのにここまで値に差が生じるとは。やはり彼らの魔力差が関係しているのだろうか。
x月x日 ソナタは実験体より職員の方が適性があるのかもしれない。彼が優秀な実験体であることに変わりないが体力や魔力が十分なルネスタにはどうしても劣る。
x月x日 後日ソナタに職員の適性検査を行う。
x月x日 ソナタの実験中に予想外の事故が発生した。彼の頭以外は塵になったが頭だけは残っていて精神世界という摩訶不思議な存在も同時に確認できた。これからは精神世界を観測することとする。
x月x日 ソナタの精神世界に影響を及ぼさないよう彼のほとんどの記憶を消去した。あくまで我々は影響を及ぼさない範囲での観測に留める。
x月x日 精神世界にソナタ以外の生命体を観測した。どうやら精神だけを転移させているようだ。まだまだ分からないことが多い。
x月x日 ソナタの紅茶に関する記憶は全く変わっておらず以前と変わらぬ手つきで紅茶を淹れ訪れた生命体に提供している。彼は生命体のことを「お客さん」と呼んでいた。
x月x日 精神世界に訪れた生命体の情報を実験に活かせないだろうか。本棚の本に細工をさせてもらう。


x月x日 何年も観測を行ってきたがこれ以上得られるものがないと判断したためソナタの奪っていた記憶を全て元に戻した。彼は施設のことやルネスタのことを思い出し大粒の涙を流して叫びながら消失した。精神世界も同時に消失した。これで彼に関する実験を終了とする。

◻︎IFルート◻︎
ソナタの実験で事故が発生せず存命すると後々ソナタやルネスタを担当していた職員から職員の適性があるとスカウトされルネスタの担当職員になる。上司から命じられたとはいえ親友に過酷な実験を強いること、実験体の頃は知ることのなかった施設の情報にソナタの心は病んでいく。一方ルネスタはソナタの心が完全に壊れてしまう前に彼を解放してあげようと考え、彼を殺害し自分自身も後追い自殺する。来世ではふたり一緒に平和な世界で過ごせますようにと願って。

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