ろおね
2025-05-15 20:24:58
1460文字
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熱を抱えて

個性事故で炎を抱いてしまったホが、
それを忘れられなくて一人悶々と独白する話

※気持ち的にはホー炎未満
※炎は出てこない
※ホが普通に女性関係あり


ホークスは悩んでいた。

それこそ人生で一番と言っても過言ではないほどの悩みを抱えていた。

時は遡ること三ヶ月前。
エンデヴァーとチームアップで大物敵確保に挑んでいた際に起こった個性事故が原因で、ホークスはエンデヴァーを抱いた。
個性が解除された後、お互いにあれは事故だから仕方なかった忘れようと硬く頷き合いながら別れ、それからエンデヴァーとは一度も会っていない。
今までであれば何かと用を付けて会いに行っていたのだが、忘れようと誓ったあの出来事がホークスの頭から片時も離れずエンデヴァーへの申し訳なさと忘れられない自身への嫌悪でなんとか取り繕っているが常にイライラしていた。

性欲を発散すれば多少マシになるかと女性関係が無いわけではないホークスは、時々会っている中でも背が高くと赤毛混じりな黒い髪が気に入っているイーブンな関係の女性を呼び出し、事に及んだ。
結果、ヤレることはやれたが最悪なことにそのせいでホークス自身が一体何にイライラし、焦っているのかをはっきりと自覚してしまったのである。

それは、

(エンデヴァーさんを抱きたい)

もう一度あの、柔らかく弾力のある傷だらけの逞しい四肢を抱きしめながら、初めてだと言っていた通り思っていたよりずっと狭くけれど解いてやれば茹だるように熱く熟した、ホークスのものを性急に引き抜くと離したくないと言わんばかりに蠢いて媚を売ってきたあの狂おしい熱の中に、また入りたい。
個性事故のせいで強制的に発情し獣のように貪ってしまったあの最低で最高なあの夜を、今度は明確な意思を持ってエンデヴァーの弱いところを責め立て、あの低い声に甘さを与え喘がせるものに変えたいのだ。

最低なことだがホークスが女性を抱きながらずっと考えていたのは、それだけだった。

ホークスはエンデヴァーのことをヒーローとして隣で支えたいとずっと思ってきたし、その気持ちに嘘偽りはない。けれどそれはあくまで敬愛であって、情欲を孕んだものでは決してなかった。

そう、今の今までは信じていた。

そのはずなのに、今ではエンデヴァーに親しげに近づく者すべてが煩わしくてしょうがない。この三ヶ月会ってはいないがエンデヴァーの動向を情報社会を駆使して把握する行為は最早日課となっており、SNSやニュースでエンデヴァーとSKや警察、他のヒーローと活動している画像や動画が上がり、それを食い入るように見つめては焦燥を募らせる。
けれど見ることがやめられない。

(一度寝ただけで彼氏面かよ)

胸の中で吐き捨てるように自身に言ったその言葉が、ホークスの今の状態をすべて物語っていた。

あの夜までエンデヴァーのことを微塵もそんな風に見ていないはずだったのに、たった一度それも事故だったのにも関わらず自身を受けて入れてくれたエンデヴァーを誰にも渡したくないとあまりよろしくない思考回路に陥っている自覚はあった。

きっとホークスから会いに行かなければ仕事以外でエンデヴァーと会うことは叶わない。もっと時間が経てば・・・治まるのか?冷静に自己分析し自身に問いかけるが、出される答えはいつも同じ。このままこの気持ちが治まることなど、きっとあり得ない。

深い溜息を吐きながら電柱の上で西日の熱さを肌で感じ、そうしてやはり思い浮かぶのは自分を虜にしてやまないあの炎。

どうするべきか、どうしたらいいのか、どうしたいのか

自覚してしまった日から冷めることのない熱を抱え、ホークスは夕陽に向かって飛び立った。