仮谷
2025-05-14 22:19:46
676文字
Public とうらぶCP
 

袂で眠る

どこでも皆に不仲だと思われてるけど、案外気を許してる南泉と仲良しだよと吹聴したら寄り付かなくなりそうでこらえてる長義

※尾張徳川(幻覚)→本丸生活
※ちょぎ→にゃん

が騒がしい。
何かあったのかと近くの付喪神たちに問えば、どうやら南泉を探しているらしかった。
「どちらに居るかご存じないかしら?」
付喪神の1つが、人が小首をかしげるようにあいまいな輪郭を揺らした。
あいにく、と答えると「見かけたら教えてくださいな」と残して離れていく。
やっぱり知らなかった、そうよいつも喧嘩されてばかりだし、とその後ろにほかのものが続いた。

内に意識を戻して、我が物顔で横たわる来客に声をかける。
「探されていたけれど」
どうせ大した用じゃない」
くぁ、と印象にそぐわない大あくび。もう長いことここに居る。まだ眠いようで、すぐに目を閉じてしまった。
「自分の領域に引きこもるのと変わらないだろうに、なぜ俺のところに来るんだか」
実体はない、だから感触もないはずなのに、それでも触れた彼は柔らかくあたたかい気がした。

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来客がソファーを占領している。
南泉は挨拶もそこそこに、俺が在室とわかるとするりと入ってきた。そのままソファーで丸くなって昼寝の構え。
「猫殺しくん」
「にゃ?」
「用があるわけじゃないのかな」
「ん~」
「昼寝なら自分の部屋でも変わらないだろう」
変わる、にゃ」
「何が、」
「大抵のやつはここまで探しに来ないだろ」
金緑の瞳だけがこちらを向く。ダメかと問う目に、仕方ないなとしか返せなかった。

ゆったりと上下する腹、穏やかな寝顔。熟睡だった。
手袋を外して髪に指を通してみれば、あの日思い描いた通りの感触と温度が伝わった。