三毛田
2025-05-14 11:40:18
1074文字
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92 02. 帰り道は手を繋いで

92日目
君と歩く

「うーん……今日も頑張った! お疲れ、俺!」
「そうだな。お前はよく頑張った」
「丹恒も頑張っただろ? 偉いぞ〜」
「こら」
 ちょっとだけ乱暴に髪を撫でると、手首を掴まれる。
 まだじゃれ合いの範囲だから、掴む力は弱い。
 丹恒に本気で手首を掴まれたら、俺の骨などポッキリ折れてしまうだろう。
「じゃあ、ちょっとだけカロリーを摂取してから帰ろう。列車に着く前に、倒れそう」
「賛成だ。俺も小腹が空いた」
 珍しい。とは口にしない。
 食べるときは、それなりに食べるのが丹恒だ。
 手を繋ぎ、二人で歩く。
 初めて来た星の、見慣れぬ街。共感覚ビーコンで言葉は分かるけれど、文字までは分からない。
 それて、屋台や食堂などはわかりやすい。やっぱり食は偉大だ。
「ん〜! この串焼き美味しい!」
「何の肉だと言っていた?」
「ナントカカントカ」
「お前……
「よく聞き取れなかったんだって! でも、食用に育ててる生き物だって言ってたから!」
 口を開けて齧り付こうとした丹恒は、呆れたように俺を見て。それから、一番上の肉を一つ口へ。
「まあ、それなら。確かに、美味いな」
「だろ〜? お土産に買う? 冷めても美味いって言ってたから」
「今度は俺が買ってこよう。あの角だったな」
「うん」
 味わうように、ゆっくりと噛む。
 列車に乗ったばかりの頃にかきこむように食べていたら、パムにちゃんと噛んで食べろと怒られたので、それは守るようにしている。
 ウエットティッシュで指を綺麗にしていると、
「ひゃっ」
「ふっ。すまない。冷たかったな」
「た、丹恒〜!」
 頬に冷たいものが触れ、悲鳴を上げてしまう。
 そちらを見ると、瓶を持った丹恒が笑っていた。
「串焼きの追加を買うついでに、飲み物を買ってきた。試飲をさせてもらったが、悪くない。お前の分は甘みが強いものだ」
「ありがとう。でも、普通に渡してほしかった」
「お前がどんな反応をするのか知りたくなった」
「意地悪」
「可愛いものだろう」
「そうだけどさぁ」
 封を開け、まず匂いを嗅ぐ。
 ほんのり甘い。果実の匂いっぽい。
「ん。本当だ。甘くて美味しい」
「串焼きを食べた後に飲むと、口の中がサッパリすると店主が言っていた」
「この瓶って回収したりするのかな」
「どちらでもいいと。ただ、店に返すと少し料金が戻ってくる」
「うーん……飲み終えたら、返しに行こう。美味しかったって伝えたいから」
「ふ。お前らしいな」
 手を繋ぎ、道を行く。
 店主に感想を伝え、手を繋いだまま列車へと帰還する。