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のたり
2025-05-10 13:03:53
716文字
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hrsz
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自覚した日
好きだと自覚した日を覚えている。
私は新曲をスマホで聴いていた。
ワイヤレスイヤホンをつけていたから誰の声も聞こえなくて、太陽が眩し過ぎてスマホの画面の歌詞が読みにくいな、と思っていたら、不意に影が私を覆った。
遮られた太陽にスマホの画面が見やすくなって、視線を上げたらそこに雫がいてどきりとした。もちろん私が気が付かなかっただけで雫は歩いてきたんだけれど、まるで急にそこに現れたように思えて。
雫が何か言ったけれどうまく聞き取りきれなくてイヤホンを外したら、雫は眉を下げて苦笑いした。
「ごめんなさい、何か聴いていたのね」
「今度の新曲を
……
、雫、どうかした?」
「たいしたことじゃないの。遥ちゃんも飲むかしら、と思って」
「え?」
「レモネードを作ってきたの」
ふわりと笑った雫の至近距離の笑顔にまたどきりとした。
「
……
あぁ、うん。もらおうかな」
「ええ。今日暑いから、水分補給したほうがいいと思うの」
「うん、そうだね」
心臓の音がいつもより早く小刻みに鳴る。すぐそばの雫になぜか落ち着けなかった。
「雫ー」と愛莉が少し離れたところから雫を呼んで、雫は「はーい」と答えてそちらへ早足で向かった。
雫が離れたことに少しほっとした。なのに同時に何故か寂しくて、雫の背中を視線で追う。
一度早まった心臓の音はなかなか収まらなくて、胸の奥で何かが詰まったように少し息苦しい。それを押し流すようにレモネードを飲んだ。口の中に広がる甘さと鼻に抜けるレモンの香りを感じながら、あぁ私は雫のことが好きなんだ、と思った。
今は振り向かないで欲しい。うまく笑える気がしないから。
そう思っていたのに、雫は振り向いてふっと柔らかく微笑んだ。
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