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konbu0878
2025-05-10 12:50:39
981文字
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教室
モブ煉
グッピーを飼ってる煉獄先生のお話です
僕のクラスでは魚を飼っている。つがいのグッピーで、もういない生物の先生からもらったものだ。
小さな水槽で仲良く泳ぐ魚たちは、クラスのマスコットになっていた。
嘘みたいに暖かい春の日だった。
放課後、僕が教室に戻ると担任の煉獄先生がいた。先生はちょっと変わっているけど、明るくて面白くて男子にも女子にも人気の先生だ。
先生は僕に気がつくと
「こんな時間にどうした。忘れ物か? ちょうどいい。一緒にグッピーをすくわないか」
とおたまを渡してきた。水槽を洗うから桶に移すのだそうだ。
僕がおたまを滑らせると、グッピーはとても簡単に捕まった。
「学校は楽しいか」
「う〜ん、端的に言えばまぁまぁといったところですかね
…
」
僕の答えがおかしかったのだろうか。先生が「よもや」と笑ったとき、突然、グッピーの様子がおかしくなった。
ピチピチと体を小刻みに震えさせたかと思うと、少しも動かなくなった。もう一匹は力なく、お腹をうえにぷかぷか浮かんでいく。
「先生、グッピーが」
先生は見たことのないくらい、真っ青な顔をしていた。
「煉獄先生」
先生は慌ててグッピーを掬い上げた。手のひらのグッピーは、スーパーの魚みたいに、もうピクリとも動いていなかった。
先生と僕は、裏庭にグッピーを埋めた。クラス花壇の脇だ。二匹のグッピーは、埋め返すともう分からなくなるくらい、小さな穴に入っていった。
「
……
カルキが抜けきれていなかったのだろうか。可哀想なことをしてしまった」
と先生は手を合わせた。なぜか僕にも
「怖い目に合わせてすまなかった」
と何度も何度も謝った。
「あの、クラスのみんなにはグッピーは寿命だったって言います」
「しかし」
「大丈夫です。僕、誰にも言いません」
先生は僕の言葉に酷く困った顔をした。
「だって先生が殺したなんてこと、クラス皆んな聞きたくないと思います」
「よもや
……
」
先生はもう一度僕を見つめた。生意気な子どもだと呆れただろうか。それとも嘘をつかれて、グッピーが可哀想だとか思っているのだろうか。
先生のシャツは、水槽の水と土で酷く汚れていた。僕は、可哀想なのは煉獄先生の方だと思った。
だってグッピーの水槽に消毒薬を入れたのは僕なのだから。
僕は大きく息を吸った。生暖かい風が僕と先生の間を駆け抜けていった。
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