ふと気づけば学園にいる利吉さん。記憶を手繰り、死んでいることを自覚。なぜか成仏していない。学園からも出られない。理由は思い当たらず。不思議と小松田さんにだけは姿が見えている。
一方で小松田さんは、長らく音信不通で死亡説も上がっていた利吉さんを信じて普段通りに仕事していた。……のに、本人が幽霊になって登場。唐突さ故に実感がない上に久しぶりに会えた嬉しさが何よりも勝ってしまい悲しむ素振りが全く出なかった(悲しさがない訳ではない)。
「私が死んだことには何も思わないのか……?」などと、マイペースな小松田さんに呆れ返る利吉さん。
やがて、自分が成仏できない理由=「生前最後の出立時に、小松田さんの出門票へサインしなかった後悔」だという未練に気づく。それを小松田さんに説明すると、「出門票を取ってきますね」と言うもなぜか帰ってこない。
探しにいって小松田さんの姿を見つけるが、猛スピードで逃げられる。もう離れ離れになるのが嫌で、成仏阻止の為に逃げまくる小松田さん。すぐに追いかけるも、侵入者追跡時レベルの身体能力を発揮されてなかなか捕まえられない。
そんな鬼ごっこを始めて早数日。ふとした拍子に、未練の理由を忘れてしまいそうになる。しかも小松田さんを追いかけている時、追うこと自体が目的となってしまっていることを自覚する。これはマズい。早く成仏しないと、自分が自分でなくなってしまうのではないか。そんな焦燥に駆られる。
ようやく追いつき、全力拒否の小松田さんに必死に説明。
利「推測だけど……現世に長くいればいるほど、自我がなくなるかもしれないんだ。このままでは何が未練かもわからなくなって、最後には“ただ未練に執着するだけの何か”になってしまう。君に危害を加える存在にだけはなりたくない。だから、どうか……どうか、“山田利吉”のままで終わらせてくれないか……?」
その懇願を受けてなお、「危険な目に遭ってもいい。ずっと一緒にいたい。もう会えない見送りを、二度も味わいたくない」と口から飛び出しかける小松田さん。でも今にも泣きそうな利吉さんの顔を見て、その本音をぐっと呑み込む。溢れかける涙を堪えつつ、笑顔で了承。
小「では、出門票と……あと、幽霊になられてからの入門と出門の分も、サインして……ッ、くださいねぇ……」
自分の最期を大切な人に委ねる……という残酷な選択をさせてしまった利吉さんは、今まで自分がしてきた行い以上に地獄へ堕ちることを望む理由になる。
小松田さんを想いながら地獄にいる利吉さんを、後から普通に往生した小松田さんがやって来て何かしらの形で救う。そんなハッピーエンド。
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