【注意書き】
こいきっさ4_5で掲載したこちらの話【湿度90%の夜に】はR15レベルですが、完全版のpixivでは実はR18設定なもう一話を足して掲載しております。なのでワンクッションおきます。
そちらも合わせてご覧になりたい大人な方は下記リンクを辿って下さい➡️
【雨の夜には寝床で二人 足を絡めて晴れを待つ 】
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14573791#1
同時に掲載していた大人向け作品のご案内も載せておきます。
[R-18] 【花の蜜には触れてはならぬ 望むからには命懸け】
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15356857
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【湿度90%の夜に】
雨は降らない癖に湿気だけは90%を超える、とある不快な猛暑な夜。
公安警察官の降谷零は、恋人の榎本梓の住まいである少し古びたマンションの一室で、汗だくの裸身を晒す彼女を腕の中に抱きながら「今日も蒸すな
…」と呟いた。
彼は長期間潜入捜査しながら追っていた、《黒の組織》と呼ばれる犯罪集団を壊滅させた後昇進し、現場からデスクワークへと活躍の場を移した。当然休みは今までの多重生活に比べ比較的取りやすくなり、帰宅時間も以前の階級時よりずっと安定し早まった。
それと同時に、〈安室透〉と名乗り潜入していた喫茶店《ポアロ》で出逢い、誰よりも心を通わせていた女性・梓に己の本来の身分を明かした降谷は
――――どうせならその一連の環境の変化を活用し、彼女を口説き落とそうと思い立った。
自分がそんな平穏な時間を享受していいのかと悩んでいる内に、横から梓をかっさらおうとする人間を何人も目撃した事で、彼は遂に迷いを断ち切ったのである。
こうして降谷は梓を頻繁にデートに誘う様になり。仕事明けの時間を誰よりも共有するようにもなり。遂には彼女の心を射止め自分のものとしてしまったのである。
2人の関係がこうなってしまえば、いくら相手の女性が奥手であろうとも、健全な欲はちゃんとある〈いい大人〉な降谷が遠慮などしようとする筈もなく
――――。
昼休み等の短い時間でも、都合がつきさえすれば彼は梓の勤める喫茶店に顔を出し。出来る限り互いに定期的に連絡を取り。更には自分の勤務明けにその足で店まで彼女を迎えに行き自宅にお邪魔するなどという、ごくありきたりで幸せに満ちたプライベートを進んで満喫する様になっていったのである。
ちなみに降谷は、初めて梓の細いその体を押し開いてから間を置かず彼女を抱いていた。なので存分に互いの秘部を確かめる余裕を定期的に得られていた訳だ。
そしてそのせいなのか恋人の〈開発具合〉はとてもよく。共寝を渋る原因になりかねない大きな喧嘩をする機会も、交際開始から半年経つが未だ訪れる事はなかった。
――――その結果、先程述べた〈二人ベットの上で熱く絡まり、乱れ重なった状況〉に到っている訳なのである。組織への潜入を始めたばかりの余裕のない頃の降谷なら、全く有り得ない時間の使い方だと言えるだろう。
勿論、この淫靡な状態にされる前に、まだまだ初な梓はある程度の抵抗はしたのだ。しかしそれが実る事はなく
――――。
一日働いて汗ばんだ身体を触られたくはないと拒んだところで、興奮を抑えられない性の〈男〉である降谷が聞き入れてなどくれず。
シャワーの時間も惜しいとばかりにベットに運ばれ、結局はそれに流されてしまったのだから
――――彼女とて恥じらいはまだまだあれど、好いた相手からの押しには滅法弱いのであろう。
それに、そんな梓のゆるい部分を降谷は殊の外愛でているのだから、押しに弱い部分はむしろ大歓迎なのではなかろうか。
―――ちなみに、彼らが住む東都の夏は、どこもかしこも都会ならではのジメジメとした蒸し暑さに満ちていた。
なので、いくら普段己を律する気持ちが強い職種につく降谷でも、連日続くこの熱気と、机仕事による運動不足にはさすがにストレスが溜まってしまったのだろう。
そうなると、男としては可愛い恋人をめちゃくちゃに突いて
……もとい抱いて、体内のモヤモヤを発散したいなと思ってしまっても、仕方のない事なのではなかろうか?
そう思った瞬間には、降谷はスマホを取り出し通信アプリをタップして、梓に連絡をつけていた。
即断即決
――――それが、闇の世界の住人達すら騙し潜り修羅場を抜けてきた、トリプルフェイスと呼ばれた男のやり方なのである。
そうして訪問の約束を取り付けた彼は、仕事が終わると直ぐ様恋人の住むマンションに向かったのであった。
――――そんな訳で、梓が降谷を自宅に招き入れた瞬間、挨拶もそこそこにベットに運ばれ、互いに乱れに乱れたのであるが。
身体中自分の汗と降谷の白い体液でぐしゃぐしゃにされた梓は、さすがに風呂で水を浴びて火照った肌を冷やしてからご飯を食べたいと、強く降谷に訴えた。
ハッキリとは言い辛いが、これ以上彼の出したもので皮膚や股間をベタベタにされたままでいるのは、真夏でなくとも梓は御免こうむりたいのである。
しかし体力が有り余る当の降谷は、梓の希望を聞いても真剣には捉えていないのか「梓も水分をとれば、まだまだいけるかもしれないよ?」などと、馬鹿馬鹿しい冗談を言い出す始末で。
さすがに勝手が過ぎると、思わず梓はムッとしてしまった。
――――なのに、何故だろうか。憤慨する自分の横で、下らない事を言って楽しそうにこちらを優しく見つめている降谷を見ていると。腹は立つのに何だか許せて来てしまい。これだから恋と言うのは恐ろしいのだと、ついつい心の奥底で梓は諦めを持ってしまうのだ。
この一見非の打ち所のない男の、実は凄くわがままな所が可愛いだなんて、気づきたくはなかった
――――と、彼女は頭を抱えながら嘆かずにはいられない。
しかし、実は遥か昔から、その問いには答えが提示されていたりするのだ。
その有り様を先人は「惚れたが負け」と言い表してきた。
――――けれども年若い梓がそれに気がつくのは、きっとずっと後の事なのだろう。
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