yoshi_R_K
2025-05-01 12:05:15
1407文字
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復讐心と正義

氷点下の推理のドラマ二話見ました!同期との短いやり取りだけで二人の間の絆とか今までの信頼とかが垣間見えてすっごく良かったです!!cakくんの演技は一話からすごいと思っていたんですけど、kntくんはいつも穏やかな印象しかなかったので、静かなのにすごく強い目力に思わずくらくらしちゃいました……!
原作読んでないんですけど、もしかしたら二人の間にこんなやり取りあったんじゃないかなと思って書き殴りました><

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みたいな二次創作が5億件あるって聞いたんですけど、私に界渡りの能力がないばかりに見ることが叶わなかったので書きました。原作読んでから二次創作しろ(架空のオタクにキレるオタク)
多分カプっぽくはないと思いますが、普段はカプ書いている人間なのでそのあたりは自衛してください。

ドラマの役なので同期(奏汰)の台詞が漢字です。

「本当に、あなたは無茶ばかりしますね」
 人気のない医務室で、同期の彼が血の滲んだ包帯を眺めながら呟く。先日狙撃された肩は幸い銃弾が貫通していたとは言え、そう簡単に傷が塞がるものではなかった。
 だが病院に行く時間も惜しい。今こうしている間にも犯人が新たな犯行を企てているかも知れないのだ。痛みなどないと示すため乱暴にシャツを羽織る。
「別に、こんなもの無茶でもなんでもない」
「謹慎中だったと思うんですけど?」
……おまえが、謹慎にするよう手を回したんだろう」
 何か言いたげな視線を寄越す彼に睨み返してやると、そのまま押し黙り膠着状態になる。彼の言い分だってわかっているつもりではあるが、かといってこちらだって譲れないのだ。
 しばらくして、先に口を開いたのは彼だった。
「復讐なんて、あの子たちは望んでいませんよ」
「だろうな。だからこれは俺の勝手なエゴだ。止められる筋合いはない」
 復讐なんて何も生まない。仇討ちなんて望んでいない。耳にタコができるほど聞かされた言葉だ。実際、その言葉は真理だと思う。復讐して罪を償わせたところで、失われたものは戻って来ない。
 そんな風に割り切れていたら、もっと楽に生きられたのだろう。だが、それが出来なかったのだから致し方がないのだ。
 はあ、と息を吐く声が聞こえて顔を上げれば、ひどく呆れた顔でこちらを見ていた。
「まったく……。どうしてぼくは犯罪者とあなた、両方の相手をしなくちゃいけないんですか」
「ふはは。おまえもこっちに来ればいいだろう」
「いきませんよ」
 後輩たちを可愛がっていたのは彼も同じだ。なればこそ、犯人を捕まえるのに手を貸して欲しかった。同じ情を持つ彼に、己の復讐心を肯定して貰いたかった。
 しかし彼は緩く首を振って微笑みを浮かべる。
「昔からあなたを止めるのが、ぼくの役目ですからね」
……そうか」
 懐かしそうに目を細める彼に、掠れた声でそれだけ返す。
 彼とは同じ配属になってからずっと共にいる。新米であった頃に無茶な追跡をしたり、逆上され怪我を負ったりした時にはいつも隣にいて窘めてくれていたのが彼だった。そのあと人手不足だった現場に後輩が入り、いよいよこれからだと言うときにその希望が失われたのだ。
 きっとあの時から、己の正義と彼の正義が交わらなくなってしまった。グツグツと腹の底で煮えたぎるこの思いは、彼の持つ優しさとは相容れないだろうから。
 もしも。もしも犯人を捕まえて、この復讐に決着をつけることができたのであれば。
 その時はもう一度彼の隣を歩けるだろうか。
 ……恐らく、無理だろう。己はこの復讐のため、手段を選ぶつもりはない。刑事として犯してはならないところまで手を入れてしまうだろう。その時、きっと彼の正義は許してはくれない。
 ならば、せめて、止められなかったと彼が気負うことのないように。勝手に好き勝手暴れた馬鹿なやつだと思ってもらえるように。
 ニイ、と口角を上げて目の前の男へと笑いかける。
「おまえに、俺を止められると思うなよ」
 止められるなら止めて見せろとあえて挑戦的に言えば、目を丸くした彼はすぐに笑みを浮かべて言葉を返してくる。
「見くびらないでください。絶対に止めて見せますから」
 互いを牽制するように顔を見合わせて笑いながら、この先に待ち受けるであろう苦難を思い、武者震いした。



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