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Adaps_A
2025-04-30 23:44:02
905文字
Public
ダングリのはなし
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光の通知を切ってやるダングリのはなし
「こわれた」
心の底から困っています、と言わんばかりに眉を下げて、開口一番生身の挑戦者は言った。
そう、カフェで見かけたから、ちょうどいいやとばかりに相席させてもらったのだが。
季節の新商品、イチゴのフラッペを啜りながら、挑戦者の差し出した端末を覗き込んだ。
「
……
や、コレ、別に壊れてねェけど」
端末は正常に動いているように見える。
しいて言うなら、通知が常に出ている。
……
常に?
「ずっとね、ぺこぺこ言うの」
率直に、おバズり申し上げている!
SNSの投稿につけられたいいね、引用、リプライ、その他諸々。
現れては消える通知の数々を見送り、オレは挑戦者にジト目を向けた。
「何やったの、アンタ」
「んん
……
」
困った顔で端末を操作し、一つの投稿を差し出す。
たった一言、「できた」とだけ書かれた投稿だ。
添付された動画は少し長い。
再生ボタンを押すと、カラフルに着色されたエレクトロープの置物が、動いて、飛んで、変形して、合体した。
そう、動いて、飛んで、変形して、合体したのだ。
「え、すご」
「ブルートジャスティスっていうの」
ふふん、と得意げに笑う挑戦者は、すぐにしおれる。
通知が全然止まらないから。
「これ、止まる?」
「
……
まあ、通知切ればいいだろ」
「どうやってやるの
……
」
へにょへにょの挑戦者に指示を出して、投稿の通知を切ってやる。
挑戦者は見る見るうちに元気になり、すっかり静かになった端末をつつきながら上機嫌でココアを啜る。
「ありがと」
満面の笑み。
なんだか、それだけで、元を取ったような気持ちになる。
どうしてだろう。
「お礼しなくちゃねえ」
「いいよ、そんくらい」
ほれ、とセットで頼んだイチゴのマカロンを口に突っ込んでやる。
挑戦者はしばらくもごもごとしていたが、やがてマカロンは口に吸い込まれて消える。
どうやら口に合ったらしい。
「どうしてもってんなら、また今度、障壁の外のダンスでも教えてくれよ」
挑戦者のミニドーナツを一つつまんでやれば、彼は納得して「そうする」と言った。
ミニドーナツは、いつも通りのチョコレート味だった。
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