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usagipai
2025-04-30 15:43:51
824文字
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ルビステ 体質
ステラは、生まれつき「光に拒絶反応を示す」体質を持っていた。
太陽の下に出ると皮膚が焼けるように痛み、目が開けられず、ひどい時には意識を失うことすらあった。
医者の診断は「稀な光アレルギー」。
けれど周囲の大人たちは、それをもっと神秘的に、そして重く受け止めていた。
「この子は夜に祝福された子。光は彼女を焼くだけ
……
」
「無理に昼を歩くことはない、夜のままでいい」
――
そんなふうに、彼女は“夜だけを生きる少女”として育てられた。
人混みにもまれるのも苦手で、口数も少なく、内にこもったまま時が流れていった。
だが、歳を重ねるにつれて、体の反応は徐々に変化していった。
昼間の室内にいても、昔ほど痛みを感じなくなり、やがて遮光のある屋外にも、短時間なら出られるようになった。
けれど
――
恐怖だけは、心に根深く残っていた。
「またあの痛みがきたらどうしよう」
「急に倒れたら、誰かに迷惑をかけてしまう」
「外なんて、無理に決まってる
――
私は“夜の子”なんだから」
その恐怖に立ち向かう勇気をくれたのが、ルビーだった。
彼は陽気で、軽くて、堂々としていて、まるで正反対のような存在。
それでも彼のまっすぐな優しさと、決して押し付けない距離感が、ステラの心を少しずつ解かしていった。
「俺とさ、昼間に散歩してみない?無理なら逃げてもいいし、俺が背中、押してやるから」
――
その日、ステラは初めて昼間の街に出た。
白い帽子を深くかぶって、袖の長い服に身を包んで、緊張で手を震わせながら。
「大丈夫、ゆっくりでいい。眩しかったら、俺の影に隠れててもいい」
彼の背中越しに見た陽の光は、思ったよりも暖かくて、
空はこんなにも青かったのかと、知らなかったことに驚いた。
今でも昼間は得意じゃない。
人と話すのも、言葉を選ぶのも、すこしだけ苦手なまま。
けれど、“あの人と一緒なら歩ける”と思える日が増えてきた。
それが、ステラにとっての大きな一歩だった。
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