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三毛田
2025-04-28 20:55:24
1074文字
Public
1000字3
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76 16. そっと袖口で拭う
76日目
その姿に見惚れてしまう
「今日暑くない?」
「そうだな。今日、というよりは、この場所がそうなのだろう」
「うーん
……
水分補給しないと倒れそう」
「適度に塩分も必要だ。屋台で売っていないか、確認しよう」
「はーい」
額に浮かぶ汗を、そっと袖口で拭うその仕草。
えっろ。と言いそうになって、慌てて口を手でふさぐ。
少し具合が悪そうなので、負担にならないような移動をする。
「すまない」
「いいって。なるべく涼しいところで休もう。俺はまだ大丈夫だから」
「そう思っていても、突然倒れたりする。油断はするな」
「うん。わかってる」
日陰になっているところで丹恒を休ませ、冷たい飲み物を買いに行く。
ついでに情報収取。
ここのところ毎日気候変動が激しいこと。なんだかんだ、ずっとそういう状態が続いているため、あまり気にしていない人が多いこと。
冷たい飲み物や、体調不良対策の食事ならどの店のがオススメであるとか色々教えてもらえた。
「はい、お待たせ」
「助かる」
相当冷たい物が欲しかったようで、一気に飲み干してしまう。普段であれば、俺が同じ事をしたら怒るのに。とは言わない。言えない。
俺もちびちび飲みながら、先ほど得た情報を伝えれば。
「なるほど」
と、納得した顔で頷く。
「星核は、関係ないよな?」
「お前のそこは反応しているか」
「ううん。してない」
「なら、ないのだろう。気候変動は、よその星で何か起きている場合でも、起こることがある」
「離れていても?」
「そうだ。小さな綻びが、別の場所で別の影響を与えることもあるからな」
「ふむふむ。面白いな」
丹恒と話していると、新しい発見がある。新しい知識を得られる。
「穹?」
「うん。丹恒、休んだら違うエリアで情報収集しようか」
「そうだな」
タオルで首元の汗を拭い、氷を口へ入れて。
正直、袖口で拭っている方が俺としては好きだなと思ってしまった。
「よし」
「待って待って。丹恒、飲むの早いって」
俺はまだ半分ほど残っているのに。
「ゆっくりでいいぞ」
「そう言ってもさぁ」
「タオルを濡らしてくるから、待ってろ」
「一人で移動して大丈夫? 倒れない?」
「そこまで心配しなくても大丈夫だ。すぐ戻る」
「やだ。心配だから、一緒に行く」
そう告げると、ちょっと困ったように眉を下げる。でも、手を差し出して。
彼の手にそっと俺の手を乗せ。二人でゆっくり歩く。
好きだ。
「丹恒」
「どうした」
「丹恒が、好き」
「そうか。ありがとう」
「うん」
今、返して欲しいのはその言葉じゃない。
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