三毛田
2025-04-27 10:27:29
1062文字
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75 15. 水溜まりにダイブ

75日目
しても優しい仲間たち

「わっとっとっとっ。あふん」
「穹!」
 足を滑らせ、情けなくも顔面から水溜りにダイブした俺を、丹恒は慌てて引き上げてくれる。
「大丈夫? せめて顔だけでも拭かないと」
 なのは、優しく柔らかなタオルで顔を綺麗に拭いてくれて。
 二人の優しさが身に沁みる。
「帰ったら、お風呂直行だね。ラウンジを汚しちゃうからパムに怒られるだろうけど、逃げちゃだめだよ?」
「これくらいなら、列車に戻る頃には大分乾くだろう。しかし、脱いだら早めにランドリーで洗え。お前のシャツは白いから、予洗いしてからでないとシミになるだろう」
「二人ともありがとう……
 まさか、水溜りの直前で足を滑らせるなんて思ってもみなかった。
 情けなくて、悔しくて。それと同時に、体がちょっと痛くて。
「どうした。何処か痛むのか?」
「変なふうに転んだもんね。丹恒に少し診てもらおう。ね?」
 俺が俯いていると、心配そうに声をかけてくれる。その優しさに、気づいたら泣いていた。
「大きな怪我はなさそうだな。膝を擦りむいている。傷口を洗おう」
「あっちに水道があったよ」
「立てるか?」
「うん」
 丹恒に手を引かれ、先を行くなのをゆっくり追う。
「膝以外に傷は見られない。もしかしたら、明日以降、早ければ今夜にも筋肉痛の症状が現れるだろう」
「転んだだけなのに?」
「そうだ。転んだ際に、普段は使わない箇所に負担がかかっていたりするからな」
「そうなんだ」
「ああ。今日は無理せず休め。日程に余裕を持たせているから、明日以降ゆっくりでも間に合う」
「ごめん」
 謝ると、丹恒は首を横に振る。
「お前が怪我をして、それが長引くほうが後々大変なことになる。後遺症が残れば、辛い思いをするのはお前だ」
「うん、わかった。ありがとう、丹恒」
「三月にも礼を」
「わかってるよ」
 なのに案内されてついた水道で、膝を洗う。
 その後、丹恒が持っていた簡易救急キットで消毒した後絆創膏を貼ってもらい。
「しみた」
「傷口だからな」
「大怪我してなくてよかったよ」
 傷口に消毒液をかけられて、沁みて涙目になっていたら二人に生温かい目で見られた。
「丹恒、ぎゅってして」
「お前が望むのなら、好きなだけ」
「本当丹恒って、穹に対してだけ甘いよね」
 丹恒に抱きしめてもらっていると、なのは呆れた声をこちらへ向け。
「羨ましい?」
「別に。ウチは列車に帰ったら姫子にぎゅってしてもらうんだから」
 と、歩き出す。
「ほら、お前も」
 丹恒は体を離すと手を差し出してきた。