chiya_turb
2025-04-27 02:36:09
1897文字
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【#女攻めが見たいオンリーWEBオンリー】Ms.シュガーボンボンの恋愛喜劇 幕間

先輩長義ちゃんと後輩肥前くんのちょぎ♀ひぜ♂ラブコメ。
今回はちょっといちゃいちゃ多め。でもこのひぜんくん、あと一歩のところで踏ん張ってる。

出会いからいままでのはこちら。
Ms.シュガーボンボンの恋愛喜劇 1 https://privatter.me/page/66a50e45d539c
Ms.シュガーボンボンの恋愛喜劇 2 https://privatter.me/page/66a50e45d6694

後半はやっぱり後から生えてくる。
作品展示用共通パスワードから変更しました(27日 20:14)

 その日もやっぱり突然だった。
 本日も麗しの美女の、気紛れにも似た一言で始まった。
「よし、いちゃいちゃしよう」
「は?」
 出張続きだった山姥切たってのお強請りで頭皮マッサージをした、その直後の一言に手指のストレッチをしていた肥前がその体勢のまま固まった。
「なんて?」
「だから、いちゃいちゃしよう」
「どうして」
「俺が肥前といちゃいちゃしたいから」
「理由になってねぇ……
 あぁもうどうして。
 そう頭を抱えてしゃがみ込んだ肥前の上から山姥切が覆い被さるよう抱える。
 意外とふわふわな髪を撫でて、パーカーの背中をぽんぽんと叩いて。
 そうやってよしよし、なんて優しく宥める振りをして、銀の美女は今日もさらりと無茶を口にする。
「肥前がマッサージしてくれて体はリフレッシュ出来たからね。次は心のリフレッシュでいちゃいちゃしよう」
 それはもう決定事項で、覆しようが無いのだと肥前は今までの経験で知っている。
 やると言ったらやる。やらないと言ったらやらない。
 それは山姥切が肥前と出会ったときから、出会う前から変わらない。
……いちゃいちゃって、どーすんだよ」
 肥前の声は諦めが半分滲んでいる。
 それに気付いているだろうに、予想していたよりも良い返事だったのかローズピンクの唇が綺麗に弧を描いた。
 パーカーの背に頬を乗せて、声を出さずに笑う山姥切の姿は肥前からは見えない。
 けれど笑った振動が細かく伝わるものだから、肥前の眉間にはどんどん皺が刻まれていく。
 見えないはずの肥前の表情を察してか山姥切はとんとんと優しく背中を叩いていた手を外すと、肥前と向かい合わせになるようにしゃがんだ。
「君がそうやって俺とのことを前向きに考えてくれて嬉しいよ」
「あ?」
「だって、どうするんだ、ってことは俺だけじゃなく君も何かしなきゃって思ってくれたってことだろう。少し前ならどうしたいって聞いただろうし、最初の頃なら何言ってんだって言ってた」
「それ、は」
 そこまで意識してなかったのか、肥前が押し黙る。
手指をパキパキと動かして誤魔化す振りをしながら、視線は長義と合わさらない。
 心許なげに彷徨う指先を捕まえることなく山姥切はそのまま肥前を抱きしめると今度は正面からパーカーの背中をぽんぽんと叩いた。
「よしよし、順調に慣れてきているね」
 ぽん、ぽん。リズム良く撫でてはぎゅっと一度強く抱きしめる。
 何も言わないままの肥前の髪に頬を寄せて、それからひとつ息を吐いた山姥切が体を離した。
「ねぇ、俺が君に最初にプロポーズしたときに言っただろう。『俺のことを意識して貰おうかな』って。あれは、まだ覚えていてくれているよね?」
「そりゃ、まぁ。おまえ、ことある毎に言うから」
「ふふ、そうだね。うん、その様子なら大丈夫、かな」
 よいしょ、なんてわざとらしいかけ声を掛けて、山姥切が肥前の両手を取ってひっぱり上げる。
 立ち上がった際、ふたりの身長差はあまりない。
 覗き込まなくても分かる視界は、肥前にとっては便利なようで居て不便でもある。
まっすぐな青い目は、いつだって肥前のことをまっすぐに見て、山姥切自身の存在を意識しろと訴えかけてくるようで。
「それじゃあ、ちょっと一緒にカップケーキでも作ろうか」
…………ハァ?」
 突然の料理宣言に、肥前の声がひっくり返る。
 立ち上がった際にパーカーの袖口に引っ込んでいた手がにゅっと出たかと思えば、寮の個室に備え付けられた簡易キッチンを指さして。
「おまえ、あそこで湯沸かすことしかしたことねぇのに?」
 部屋には小さい鍋がひとつ、やかんがひとつ。それしかないことを、肥前はもう知っている。山姥切が寮の自室で料理をしないことをだって、肥前はこの部屋に訪れる前から知っていた。
「うん、だからね、レンジで出来るカップケーキを作ろうかと思って」
 ほら、なんて端末から『かんたん長船レシピ集』を表示した山姥切は続けて材料は冷蔵庫にあるよ、とさらりと述べた。
 冷蔵庫とレンジと目の前の楽しそうな銀の美女と。
 それを順繰りに見て、肥前は溜息をひとつ吐くと降参と言わんばかりに手を上げた。
「わぁったよ。あんたと一緒に作る」
「そうこなくてはね」
 言葉の割に、嬉しそうな山姥切がスキップでもしそうな足取りでクローゼットに向かう。
 肥前が見守る中、すっと取り出したのは黒猫があしらわれたエプロンとシンプルな青いエプロンの二枚。
「はい、これ肥前の」
 そして当然のように肥前に差し出されたのは黒猫のエプロンだった。