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つぐころね
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▼竜胆の咲く雪原:雪原x誰そ彼時
万華鏡のみせる白昼夢からの抜粋。
不思議な万華鏡が見せるのは不思議な夢。
誰にでも起こる事ではないけれど、誰かには起こった夢物語。それを覚えているか
――
縁が繋がるかは、誰か次第に違いない。きっと忘れてしまっても、問題ないだろう。
―――
シン、と静寂だけが広がる雪原。
耳を澄ませば聞こえるのは風の音に密やかに紛れる吐息がふたつ。
唇から零れた吐息は真っ白で、目に見える形で寒さを誇示していて。
なのに何故か寒さは感じなくて。そこで漸く夢だと気付く。
雪雲の切れ間。冬特有の澄み切った空を染める黄金色の夕陽を覆うように追いかける紫から濃青へと変わる空は、とても綺麗だけれども。きっと、あっという間に冬茜を夜へと変えてしまう、そんな短な時間。
なんとなく視線だけを横
…
というか斜め上へとずらせば、夕暮れのグラデーションの一部にも似た色を持つ友人の横顔。彼はただ、黙って夕陽に反射し煌めく雪原をまっすぐと見つめていて。ほんのりと橙に染まる横顔が何を考えているのか、ボクには分からないけれど。「綺麗、だねぇ」そう呟けば、短く「そやな」とだけ返ってくる。
きっと視線は交わる事もない。言葉も次に続く事はないと思うけれど。なんとなく、それが『この場における正解』な気がして。触れそうで触れない距離で、ふたり佇み。雪原が闇色に染まる様子を眺めていた。
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