Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
haru_haru0704
2025-04-26 15:15:03
9482文字
Public
Clear cache
もちもちな彼らと
CPなし 哥舒臨&カカロ&忌炎
お団子カカロちゃんに脳をやられて書いた
最後にモチ語翻訳verもついてます
四角い頭に、まんまるな両手。
大きな瞳に、小さなお口。
ボディはやわらかく、すべすべもちもちふわふわ。
おまけに、動物の耳とか尻尾とかが付いていることもあったりなかったり。
それがお団子共鳴者である。
*
「ニャウモチ」
「モチワンワン」
「グルルモチチ」
哥舒臨、カカロ、忌炎の3人は、妙な生物──否、お団子共鳴者(動物の耳とか尻尾とか付き)を困惑した面持ちで眺めていた。
対するお団子たちは、彼らには理解不能な言語でなにやらコミュニケーションしているようだ。
「モチ、ミャウウモチ?」
「モチモチクルル」
お団子哥舒臨(猫の姿)は、まんまるな手をぴょこぴょこと振った。
すると、お団子忌炎(龍の姿)がぽよぽよと小さく跳ねる。
お団子カカロ(犬の姿)はきょろきょろとあたりを見回し、何かを探しているようだ。
「モチワン・・・クゥ-ン」
「カカロ、どうしたんだ?何か欲しいのか?」
忌炎(人間の姿)はお団子カカロに話しかけた。すると、お団子カカロは身振り手振りで何かを伝えようとする。
「モチワン、モチモチ」
お団子カカロは両手を動かし、雪だるまのような輪郭を描いた。次に、右手を小刻みに動かす。
忌炎はしばしその意味を考えたが、結局お団子カカロの意図はわからなかった。
「すまない、わからない・・・」
「モチ・・・」
「腹でも減っているんじゃないのか?」
哥舒臨(人間の姿)はお団子忌炎をひょいと持ち上げた。
お団子の体はもちもちふわふわとしているが、案外重たい。
魅惑のもちふわボディに興味が湧いた彼は、お団子忌炎の頬を両手で挟んでモチモチした。
「モチ!?モチキュウウ・・・」
「こいつらは一体何を食うんだ?」
カカロ(人間の姿)が首を傾げる。お団子哥舒臨は彼の肩にぴょんと跳躍すると、耳元でモチモチと鳴き始めた。
「モチニャァァン。ミャア、モチ!」
「うっ、重い・・・うるさい」
「ニャニャモチ!」
その様子を見た哥舒臨は、お団子忌炎をモチモチしたままハハハと笑った。
「俺がそんなに騒ぐということは、やはり腹が減っているに違いない」
「モチニャン!」
「そう・・・なのか?とりあえず、重いから降りてくれないか」
「ンニャモチ」
カカロが両手を前に出すと、お団子哥舒臨は「やれやれ・・・」と言いたげな様子で腕に跳び移った。
ズシッ、とそこそこの衝撃と重みがカカロの腕を襲う。
彼は控えめにお団子哥舒臨の頬をモチモチした後、残りのお団子たちに問いかける。
「今から何か菓子でも作ろうかと思っているが、お前たちは食べるか?」
「モチチ・・・ワン」
「モチ、クルクル」
なんとなく否定っぽい鳴き方だ。お団子哥舒臨のようにモチモチうるさくもないし、腹が減っているわけではないらしい。
カカロは「食べたくなったら食堂に来い」と言い残し、お団子哥舒臨と共に部屋を出ていった。
「腹が減っているわけではないなら、いったい何を伝えようとしていたのか・・・」
忌炎はお団子カカロの瞳をじっと見つめた。お団子カカロも、彼をじっと見つめ返す。
つぶらな瞳に、ぴこぴこ動く犬耳とぱたぱた揺れる尻尾が大変愛らしい。
「そもそも俺の言葉が分かっているんだろうか?カカロ、お手」
忌炎は試しに、お団子カカロに向かって右手を差し出してみた。
「・・・ワンモチ」
お団子カカロはやや不服そうな表情を浮かべながらも、まんまるな左手をぽむんと忌炎の手の上に置く。
どうやら言葉は伝わっているし、不服を感じる程度の知能もあるようだ。あとついでに手がふわふわもちもちだ。
忌炎はお団子カカロの手をふにゅふにゅと揉みながら謝罪した。
「すまない、馬鹿にしたわけではないんだ」
「モチ」
お団子カカロはぽよぽよと跳ねた。もちふわな両手が忌炎の手を包み、ぷにぷにと優しく撫でる。
「ふふ、許してくれるのか?小さくなっても優しいな」
忌炎とお団子カカロのそんなやり取りを見ていた哥舒臨は、お団子忌炎の頭をモチモチと押した。
お団子忌炎の頭には短く小さなツノが生えているが、もちろんそれを避けてのモチモチ行為である。
「お前、言葉がわかるのか」
「モチ!モチ、グルルゥ?」
お団子忌炎はモチモチ鳴き、哥舒臨の手をどけようとしている。もちふわボディにしては、なかなか力が強い。
哥舒臨は素直に手をどけてやった。抑え込もうと思えば簡単に抑え込めただろうが、別にそこまでしてモチモチしたいわけでもない。
「クルルモチ、モチチ!ギャウモチグルグル」
お団子忌炎は勇ましく鳴くと、まんまるな右手に風の槍を出現させた。
同時に、お団子の背後を小さな青龍が飛び回る。
「お前、そんなナリで共鳴能力が使えるのか」
「モチ!モチモチ、グルルゥモチ!クルルルモチチ!」
お団子忌炎は槍をコンコンと床(実はテーブルの天板)に打ちつけた。
なんだかよくわからないが、やる気満々である。
哥舒臨は「ん~・・・」と唸りながら少し考えた後、「まあ、散歩がてら残像でも狩りに行くか」と立ち上がった。
「え?団子の俺と行くんですか?」
「何やら戦いたがっている様子だからな。そうだろう、ちびこい忌炎」
「モチ!モチグルル!」
「まあ別に、構いませんが・・・お気をつけて」
「ああ」
「モチ!」
哥舒臨は大剣とお団子忌炎を担ぐと、部屋から出ていった。残されたのは、忌炎とお団子カカロのみである。
「ええと・・・2人になってしまったな」
「モチ」
「・・・仕事でもするか。悪いな、俺と一緒はつまらないかもしれない」
「モチチ。モチワン」
*
キッチンにて。
カカロとお団子哥舒臨は、仲良くポップコーンを作っていた。
「ンニャニャモチ」
お団子哥舒臨はコンロのすぐ横に陣取り、パチパチと音を立てるフライパンを眺めている。
そんなところにいて熱くないのだろうかと思ったが、本人・・・本団子は平然としているから、きっと大丈夫なのだろう。
カカロは蓋を押さえつつ、軽くフライパンを揺すった。パチパチと弾ける音がやや激しさを増す。
「モチニャーン」
カカロがフライパンから手を離すと、お団子哥舒臨の手がにゅっと動いて蓋を掴んだ。
そのまま蓋を少しだけ持ち上げる。
「おい、危ないぞ」
「ニャッ、ング・・・モチモチ」
お団子哥舒臨は蓋の隙間から飛び出したポップコーンを器用に口で受け止め、モチモチと咀嚼した。
そして、なんともいえない表情で蓋を閉じる。お団子哥舒臨の尻尾が不服を訴えるように、たしんたしんと床(調理台)を打った。
「ニ゙ャァン!モチ!」
お団子哥舒臨の手が再びにゅっと動き、今度は近くに置いてあった塩の瓶を手に取る。
どうやら塩気が足りなかったようだ。
「塩分の高いものは体に悪・・・いや、本物の猫じゃないから問題ないのか・・・?」
「モ゙チニャ!」
「わかったわかった、後でかけてやるから」
「モッチニャーン!」
お団子哥舒臨は上機嫌で塩ポップコーンを口の中に放り込んだ。
ひょいひょいひょいひょいとたくさん口に含み、ざっくざっくと咀嚼している。
「喉に詰まらせるなよ。・・・喉・・・無いな」
「ンニャモチ!」
*
石崩れの高地にて。
哥舒臨とお団子忌炎は仲良く残像を狩っていた。
「グルルモチ!」
お団子忌炎は青龍に乗って舞い上がり、残像の上空から強烈な一撃を浴びせる。
その戦いぶりは、普段の忌炎に匹敵するほど雄々しく苛烈──はかなり言い過ぎだが、ともかく団子にしてはなかなか格好良いと言えるだろう。
哥舒臨は一応お団子忌炎の動きに注意を払いつつ、無造作に残像を斬り捨てた。
「ふん、やはり雑魚しかいないな」
それは喜ばしいことではあるのだが、やはり哥舒臨にとっては物足りない。
死の危険がつきまとうほどの強敵でなくともいいから、もう少し斬りがいのある敵はいないものだろうか。
付近の残像をすべて倒したお団子忌炎は、哥舒臨のところへ飛び戻ってきた。
彼は大剣を背にしまい、両腕を差し出す。すると、お団子忌炎はぽむんとそこに収まった。
「どうする?もう少し移動して、雑魚狩りを続けるか?」
「モチチ・・・クルクル。モチィ」
お団子忌炎は、ふうと息を吐いた。どうやら少し疲れたようだ。
「休憩にするか。そんなナリになってまでオーバーワークすることもあるまい」
「モチ」
哥舒臨は手頃な岩に腰かけた。石崩れの高地特有の、乾燥した風が彼の長髪を揺らす。
彼は腰に下げていた水筒を手に取ると、中の水をゴクゴクと飲んだ。
「お前も飲むか?」
「モチ!」
*
忌炎の執務室にて。
忌炎とお団子カカロは仲良く仕事をしていた。
「ワン。モチモチワン」
お団子カカロは、書類の入ったトレイをふわもちな手でぽむぽむした。
「ああ、仕分けが終わったのか?ありがとう」
「モチワゥン?」
「ええと・・・あとは、もし良ければあっちの本棚の埃を取っておいてくれないか?」
忌炎が本棚を指さすと、お団子カカロはぽよぽよと跳ねた。
「モチ」
もう頼んでしまった後だが、お団子カカロはどうやって本棚を掃除するつもりなのだろうと忌炎は疑問に思った。
お団子には体も脚もないし、浮遊できるわけでもない(お団子忌炎は除く)。
どう考えても、お団子カカロでは本棚の上の方には手が届かないと思うのだが・・・
「モチワン」
お団子カカロは忌炎の執務机の上に座った(?)まま、影を呼び出した。
影は埃取りを持つと、本棚の方まですーっと飛んでいく。そして、一番上の段から掃除を始めた。
「そうか、その姿でも影は呼び出せるんだな」
「モチ」
「ふぅ・・・」
しばらく書類とにらめっこしていた忌炎は、溜息を吐きながら目頭を押さえた。
小さな文字をずっと見ていたせいで、少し目に疲れを感じる。
「ワゥ?モチチワン?」
ぷにょ、ともちもちの手が忌炎の瞼に触れた。お団子カカロのまんまるな手はやわらかくて、あたたかくて、ああ、なんだかとても癒される──
「うぅん・・・眠気が・・・」
「モチワンワン」
「・・・10分だけ仮眠を取るか・・・」
忌炎はお団子カカロを抱えてソファへと移動し、ごろりと横になった。目を閉じると、もちもちやわやわな両手が忌炎の目を塞ぐ。
その感触が気持ちよくて、忌炎はふぅーっ・・・と長い息を吐いた。
*
「ん?寝ているのか。珍しいこともあるな」
「ンニャ。ニャアモチ」
「まあ、すぐに起きるだろう。座って待っているか・・・」
「帰ったぞ。・・・なんだ、みな寝ているのか」
「モチクルル」
「ふ、昼寝など幼子のようだな。・・・仕方ない。こいつらが起きるまで待っているか」
忌炎の執務室には、応接セットが一式揃っている。本来の用途で使われることがほとんどないため、主に忌炎たちの休憩スペースと化している場所だ。
今はそこに、3人の男と3人のお団子が寝ていた。
本日は、平和である。
【おまけ モチ語翻訳付きver】
四角い頭に、まんまるな両手。
大きな瞳に、小さなお口。
ボディはやわらかく、すべすべもちもちふわふわ。
おまけに、動物の耳とか尻尾とかが付いていることもあったりなかったり。
それがお団子共鳴者である。
*
「ニャウモチ(人間の俺がいる)」
「モチワンワン(ここはどこだ)」
「グルルモチチ(俺の部屋かな)」
哥舒臨、カカロ、忌炎の3人は、妙な生物──否、お団子共鳴者(動物の耳とか尻尾とか付き)を困惑した面持ちで眺めていた。
対するお団子たちは、彼らには理解不能な言語でなにやらコミュニケーションしているようだ。
「モチ、ミャウウモチ?(こいつら、俺たちの言葉がわからないのか?)」
「モチモチクルル(どうやらそうみたいですね)」
お団子哥舒臨(猫の姿)は、まんまるな手をぴょこぴょこと振った。
すると、お団子忌炎(龍の姿)がぽよぽよと小さく跳ねる。
お団子カカロ(犬の姿)はきょろきょろとあたりを見回し、何かを探しているようだ。
「モチワン・・・クゥ-ン(デバイスか筆記用具・・・ないな)」
「カカロ、どうしたんだ?何か欲しいのか?」
忌炎(人間の姿)はお団子カカロに話しかけた。すると、お団子カカロは身振り手振りで何かを伝えようとする。
「モチワン、モチモチ(デバイスか、筆記用具)」
お団子カカロは両手を動かし、雪だるまのような輪郭を描いた。次に、右手を小刻みに動かす。
忌炎はしばしその意味を考えたが、結局お団子カカロの意図はわからなかった。
「すまない、わからない・・・」
「モチ・・・(駄目か、伝わらない・・・)」
「腹でも減っているんじゃないのか?」
哥舒臨(人間の姿)はお団子忌炎をひょいと持ち上げた。
お団子の体はもちもちふわふわとしているが、案外重たい。
魅惑のもちふわボディに興味が湧いた彼は、お団子忌炎の頬を両手で挟んでモチモチした。
「モチ!?モチキュウウ・・・(哥舒臨さん!?やめてください〜・・・)」
「こいつらは一体何を食うんだ?」
カカロ(人間の姿)が首を傾げる。お団子哥舒臨は彼の肩にぴょんと跳躍すると、耳元でモチモチと鳴き始めた。
「モチニャァァン。ミャア、モチ!(俺は腹が減ってるぞ。カカロ、何か作れ!)」
「うっ、重い・・・うるさい」
「ニャニャモチ!(腹減った!)」
その様子を見た哥舒臨は、お団子忌炎をモチモチしたままハハハと笑った。
「俺がそんなに騒ぐということは、やはり腹が減っているに違いない」
「モチニャン!(そうだ!)」
「そう・・・なのか?とりあえず、重いから降りてくれないか」
「ンニャモチ(軟弱な奴め)」
カカロが両手を前に出すと、お団子哥舒臨は「やれやれ・・・」と言いたげな様子で腕に跳び移った。
ズシッ、とそこそこの衝撃と重みがカカロの腕を襲う。
彼は控えめにお団子哥舒臨の頬をモチモチした後、残りのお団子たちに問いかける。
「今から何か菓子でも作ろうかと思っているが、お前たちは食べるか?」
「モチチ・・・ワン(いや・・・俺はいい)」
「モチ、クルクル(俺も別に、腹は減っていないな)」
なんとなく否定っぽい鳴き方だ。お団子哥舒臨のようにモチモチうるさくもないし、腹が減っているわけではないらしい。
カカロは「食べたくなったら食堂に来い」と言い残し、お団子哥舒臨と共に部屋を出ていった。
「腹が減っているわけではないなら、いったい何を伝えようとしていたのか・・・」
忌炎はお団子カカロの瞳をじっと見つめた。お団子カカロも、彼をじっと見つめ返す。
つぶらな瞳に、ぴこぴこ動く犬耳とぱたぱた揺れる尻尾が大変愛らしい。
「そもそも俺の言葉が分かっているんだろうか?カカロ、お手」
忌炎は試しに、お団子カカロに向かって右手を差し出してみた。
「・・・ワンモチ(俺は犬じゃない)」
お団子カカロはやや不服そうな表情を浮かべながらも、まんまるな左手をぽむんと忌炎の手の上に置く。
どうやら言葉は伝わっているし、不服を感じる程度の知能もあるようだ。あとついでに手がふわふわもちもちだ。
忌炎はお団子カカロの手をふにゅふにゅと揉みながら謝罪した。
「すまない、馬鹿にしたわけではないんだ」
「モチ(ああ)」
お団子カカロはぽよぽよと跳ねた。もちふわな両手が忌炎の手を包み、ぷにぷにと優しく撫でる。
「ふふ、許してくれるのか?小さくなっても優しいな」
忌炎とお団子カカロのそんなやり取りを見ていた哥舒臨は、お団子忌炎の頭をモチモチと押した。
お団子忌炎の頭には短く小さなツノが生えているが、もちろんそれを避けてのモチモチ行為である。
「お前、言葉がわかるのか」
「モチ!モチ、グルルゥ?(わかりますよ!あの、そろそろモチモチするのやめてもらっていいですか?)」
お団子忌炎はモチモチ鳴き、哥舒臨の手をどけようとしている。もちふわボディにしては、なかなか力が強い。
哥舒臨は素直に手をどけてやった。抑え込もうと思えば簡単に抑え込めただろうが、別にそこまでしてモチモチしたいわけでもない。
「クルルモチ、モチチ!ギャウモチグルグル(哥舒臨さん、見てください!小さくてもちゃんと共鳴能力は使えるんですよ)」
お団子忌炎は勇ましく鳴くと、まんまるな右手に風の槍を出現させた。
同時に、お団子の背後を小さな青龍が飛び回る。
「お前、そんなナリで共鳴能力が使えるのか」
「モチ!モチモチ、グルルゥモチ!クルルルモチチ!(はい!なので、巡回に出ましょう!今の俺でも巨浪級くらいまでなら倒せます!)」
お団子忌炎は槍をコンコンと床(実はテーブルの天板)に打ちつけた。
なんだかよくわからないが、やる気満々である。
哥舒臨は「ん~・・・」と唸りながら少し考えた後、「まあ、散歩がてら残像でも狩りに行くか」と立ち上がった。
「え?団子の俺と行くんですか?」
「何やら戦いたがっている様子だからな。そうだろう、ちびこい忌炎」
「モチ!モチグルル!(はい!行きましょう!)」
「まあ別に、構いませんが・・・お気をつけて」
「ああ」
「モチ!(ああ!)」
哥舒臨は大剣とお団子忌炎を担ぐと、部屋から出ていった。残されたのは、忌炎とお団子カカロのみである。
「ええと・・・2人になってしまったな」
「モチ(ああ)」
「・・・仕事でもするか。悪いな、俺と一緒はつまらないかもしれない」
「モチチ。モチワン(構わない。俺も仕事を手伝うぞ)」
*
キッチンにて。
カカロとお団子哥舒臨は、仲良くポップコーンを作っていた。
「ンニャニャモチ(いい香りだ)」
お団子哥舒臨はコンロのすぐ横に陣取り、パチパチと音を立てるフライパンを眺めている。
そんなところにいて熱くないのだろうかと思ったが、本人・・・本団子は平然としているから、きっと大丈夫なのだろう。
カカロは蓋を押さえつつ、軽くフライパンを揺すった。パチパチと弾ける音がやや激しさを増す。
「モチニャーン(ちょっとつまみ食いしてやろう)」
カカロがフライパンから手を離すと、お団子哥舒臨の手がにゅっと動いて蓋を掴んだ。
そのまま蓋を少しだけ持ち上げる。
「おい、危ないぞ」
「ニャッ、ング・・・モチモチ(大丈夫だ、んぐ・・・もぐもぐ)」
お団子哥舒臨は蓋の隙間から飛び出したポップコーンを器用に口で受け止め、モチモチと咀嚼した。
そして、なんともいえない表情で蓋を閉じる。お団子哥舒臨の尻尾が不服を訴えるように、たしんたしんと床(調理台)を打った。
「ニ゙ャァン!モチ!(味が薄い!塩!)」
お団子哥舒臨の手が再びにゅっと動き、今度は近くに置いてあった塩の瓶を手に取る。
どうやら塩気が足りなかったようだ。
「塩分の高いものは体に悪・・・いや、本物の猫じゃないから問題ないのか・・・?」
「モ゙チニャ!(塩分をよこせ!)」
「わかったわかった、後でかけてやるから」
「モッチニャーン!(ポップコーン!)」
お団子哥舒臨は上機嫌で塩ポップコーンを口の中に放り込んだ。
ひょいひょいひょいひょいとたくさん口に含み、ざっくざっくと咀嚼している。
「喉に詰まらせるなよ。・・・喉・・・無いな」
「ンニャモチ!(うまい!)」
*
石崩れの高地にて。
哥舒臨とお団子忌炎は仲良く残像を狩っていた。
「グルルモチ!(恐れなし!)」
お団子忌炎は青龍に乗って舞い上がり、残像の上空から強烈な一撃を浴びせる。
その戦いぶりは、普段の忌炎に匹敵するほど雄々しく苛烈──はかなり言い過ぎだが、ともかく団子にしてはなかなか格好良いと言えるだろう。
哥舒臨は一応お団子忌炎の動きに注意を払いつつ、無造作に残像を斬り捨てた。
「ふん、やはり雑魚しかいないな」
それは喜ばしいことではあるのだが、やはり哥舒臨にとっては物足りない。
死の危険がつきまとうほどの強敵でなくともいいから、もう少し斬りがいのある敵はいないものだろうか。
付近の残像をすべて倒したお団子忌炎は、哥舒臨のところへ飛び戻ってきた。
彼は大剣を背にしまい、両腕を差し出す。すると、お団子忌炎はぽむんとそこに収まった。
「どうする?もう少し移動して、雑魚狩りを続けるか?」
「モチチ・・・クルクル。モチィ(いえ・・・少し疲れました。休憩しましょう)」
お団子忌炎は、ふうと息を吐いた。どうやら少し疲れたようだ。
「休憩にするか。そんなナリになってまでオーバーワークすることもあるまい」
「モチ(はい)」
哥舒臨は手頃な岩に腰かけた。石崩れの高地特有の、乾燥した風が彼の長髪を揺らす。
彼は腰に下げていた水筒を手に取ると、中の水をゴクゴクと飲んだ。
「お前も飲むか?」
「モチ!(はい!)」
*
忌炎の執務室にて。
忌炎とお団子カカロは仲良く仕事をしていた。
「ワン。モチモチワン(忌炎。書類の仕分けが終わった)」
お団子カカロは、書類の入ったトレイをふわもちな手でぽむぽむした。
「ああ、仕分けが終わったのか?ありがとう」
「モチワゥン?(他に何か仕事はあるか?)」
「ええと・・・あとは、もし良ければあっちの本棚の埃を取っておいてくれないか?」
忌炎が本棚を指さすと、お団子カカロはぽよぽよと跳ねた。
「モチ(任せておけ)」
もう頼んでしまった後だが、お団子カカロはどうやって本棚を掃除するつもりなのだろうと忌炎は疑問に思った。
お団子には体も脚もないし、浮遊できるわけでもない(お団子忌炎は除く)。
どう考えても、お団子カカロでは本棚の上の方には手が届かないと思うのだが・・・
「モチワン(兄弟)」
お団子カカロは忌炎の執務机の上に座った(?)まま、影を呼び出した。
影は埃取りを持つと、本棚の方まですーっと飛んでいく。そして、一番上の段から掃除を始めた。
「そうか、その姿でも影は呼び出せるんだな」
「モチ(ああ)」
「ふぅ・・・」
しばらく書類とにらめっこしていた忌炎は、溜息を吐きながら目頭を押さえた。
小さな文字をずっと見ていたせいで、少し目に疲れを感じる。
「ワゥ?モチチワン?(大丈夫か?目が痛いのか?)」
ぷにょ、ともちもちの手が忌炎の瞼に触れた。お団子カカロのまんまるな手はやわらかくて、あたたかくて、ああ、なんだかとても癒される──
「うぅん・・・眠気が・・・」
「モチワンワン(少し休んだらどうだ)」
「・・・10分だけ仮眠を取るか・・・」
忌炎はお団子カカロを抱えてソファへと移動し、ごろりと横になった。目を閉じると、もちもちやわやわな両手が忌炎の目を塞ぐ。
その感触が気持ちよくて、忌炎はふぅーっ・・・と長い息を吐いた。
*
「ん?寝ているのか。珍しいこともあるな」
「ンニャ。ニャアモチ(いいな。俺も寝たい)」
「まあ、すぐに起きるだろう。座って待っているか・・・」
「帰ったぞ。・・・なんだ、みな寝ているのか」
「モチクルル(珍しいですね)」
「ふ、昼寝など幼子のようだな。・・・仕方ない。こいつらが起きるまで待っているか」
忌炎の執務室には、応接セットが一式揃っている。本来の用途で使われることがほとんどないため、主に忌炎たちの休憩スペースと化している場所だ。
今はそこに、3人の男と3人のお団子が寝ていた。
本日は、平和である。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内