たくとろ
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93話後ロイリコ妄想

概要という名の雑談
ニャビ子、ロイがちょっと引くレベルの距離の詰め方してくる女の子…周りが見えてない感じはちょっとあったし、でもあんなの見たらリコが嫉妬しちゃう…((
ロイくんニャビ子には引いてたけど、リコちゃんには終始優しい笑顔向けてて…前回の景色見てるリコを見守ってるとこもそうだけど、もう絶対リコが楽しそうにしてるの大好きじゃんね。ロイリコすぎるよ。
ニャビ子自身が距離感とか頭にないタイプだから気づかないだろうけど、ロイリコ今日も距離感凄まじかったですね…ありがとうって言うとことかもう頭ぶつかりそうじゃん??
「私とロイが選んだ道!!」はいみなさん復唱!!「私とロイが選んだ道!!」いやまあ確かに学校出た時はドットいなかったわけだし間違っちゃいないんだけどそれはロイリコポイント高すぎるだろうがよ!!!なに!?ニャビ子さんライボルの宣伝ついでにロイリコの宣伝もよろしく
あ、今回のSSは複数話ですが、1話目はただニャビ子に私が憑依してるだけですはい

⚪︎ニャビ子は考える

今日はいい一日だったなあ。最推しのぐるみんと話せて、名前も呼んでもらえて、ああなんて幸せな日だろう。やっぱぐるみん尊い。ぐるみんのことを語り合える友達もできたし
ニャビ子の頭に浮かぶのは先ほど別れたリコとロイ。怒っているポケモンたちを傷つけずに鎮めてみせた二人はとってもカッコよかった。特にリコはあのニャオハ大好きっ子!ぐるみんのことが本当に大好きで、たくさん語り合えて楽しかったロイもリコや私ほどじゃないけどぐるみんの動画を見ているらしい。時々一緒に盛り上がれて楽しかったなあ
でも、気になるのは私とリコが話している間、ロイはリコの方を見てなんだかニコニコしてたんだよね。そうあれはまさに

後方彼氏面!!

もしかしてあの二人ってそういう?実際お似合いだったし、息もピッタリで、お互いなんでも分かりあってそうな感じだった。もしあの二人がそういうのなら

「尊い!!」

めちゃくちゃお似合いだし!!ロイはイケメンだったし、リコもかわいいし!?ポケモンたちもすっごく仲良さそうでしかもどっちもぐるみんファン!!これもう実質ぐるみんが恋のキューピッドでしょ!!ユノリンって子が出てた動画でもそうだったし!!やっぱりぐるみんがカップルを生むんだあやっぱり尊いうん。決めた。

「私はぐるみんと同じくらいライジングボルテッカーズのこともロイリコのことも応援するぞー!!」

ニャビ子の叫びは青く高い空へ響いていく。電波に乗らない言葉は風と共に誰かの元へ届くかもしれない。いつか大空へ舞い戻る誰かのところへ。


⚪︎距離感

「へっくしゅ!!」
「へくちゅ!!」

抹茶スイーツのあるお店の場所をニャビ子から聞き、歩いて向かっていた道中でロイとリコは同時にくしゃみをした。大きなくしゃみをするロイと小さなくしゃみをするリコは対照的だ。二人の隣にいたマスカーニャとアチゲータもびっくりしている。

「うーん誰かが僕らの噂してるのかな?」
「悪い風に言われてないといいな
「もし言われてても、僕らで真実を取り戻すんだ。でしょ?」
「ロイうん。絶対に」

歩きながら二人は今日出会った女の子のことを振り返る。ぐるみんの大ファンのニャビ子。ライジングボルテッカーズのことの誤解も解けて、仲良くなることができてよかった。

「ニャビ子さんのぐるみんグッズほんとにスゴかったよね!!あー!作り方教えてもらえばよかったかも」
「そうだね。最初見た時はびっくりしたけど」
「私もでもほんとすごくよくできてて感動したなあ
「でも、びっくりしたといえばニャビ子さん、距離近かったなあ」

苦笑いを浮かべながらロイがそう言うと、リコは口を開けたまま足を止めた。異変に気づきロイもその足を止めて後ろを向く。リコに抱かれたパゴゴが上を向き、マスカーニャとアチゲータもその場に止まると、ロイが聞いた。

「どうしたの?」
「いやロイってそういうの気にするんだって思って」
「え?そういうのって距離感?」

リコが頷くと、ロイはなんでそれを不思議がるんだ?と言わんばかりに首を傾げる。肩に乗ったキャップも訝しむ顔だ。

「ああえっとね、別に悪い意味とかじゃないんだよ。でも、ロイって誰にでもけっこう距離近いイメージあったから
「そう?リコやドットとは友達だから普通の人よりは近いかもしれないけど会ったばかりの人にぐいぐい行ったりはしないよ」

ロイが笑いながらそう言うと、リコは真顔で黙り込む。突然無表情になった彼女に対してロイは困惑する。呼びかけても返事をしない。もしかして怒っているのかとロイの中に若干の焦りが生じた。もう一度呼びかけようとした時、リコがようやく口を開いた。

「ロイ、覚えてる?ロイが初めて船に忍び込んだときのこと」
「ああそんなこともしたっけあのときのキャップの電撃はキツかったなあ」

それを聞いたキャップは笑みを浮かべながら頬の電気袋をビリビリとさせる。ロイが苦笑いして止めていると、リコがこほんと言って話を続けた。

「その様子だと覚えて無さそうだけどね、ロイあの時私の方に勢いよく出てきて『会いにきたんだ!』なんて言うから私びっくりしたんだよ?」
「あああったねごめんごめんホゲータに会いたくて仕方がなくて

ロイの言葉を聞いてアチゲータは両手を上げ下げしながら喜んでいる。リコが呆れてため息をついていると、ロイがまた口を開いた。

「でもそっか。あの時の僕って今日のニャビ子さんみたいな感じだったんだね」
「うん。まあ好きなものに夢中になって距離感とか忘れちゃうのは分かるよ。さすがにあそこまでは私もしないと思うけど

リコの脳裏にロイの肩に乗っていたキャップにぐっと顔を寄せたり、ロイの手を掴んだニャビ子の姿が蘇る。ロイに近づき、手を掴むニャビ子。ロイの、手を。

「?リコ?」
あ」

呼びかけを受けて我に帰ると、リコは自分の右手がロイの左手を握っていたことに気づいた。咄嗟に離してあわあわと手を振る。

「ご、ごめん!!なんかニャビ子さんがロイの手掴んでたの思い出したらロイの手に触れたくなって!!あれ、私何言って!!」
よく分かんないけど、手握る?いいよ」
「えっとその

リコが目を泳がせていると、マスカーニャが肩を叩いた。振り向くと、マスカーニャはリコの腕にいたパゴゴを抱き抱えて歩き出した。その後をアチゲータとキャップが追う。

「ま、マスカーニャ
「このままだと置いてかれちゃうし行こっか」
「あ、うん……。ええと、ロイ」
「なに?」
「手、繋ぎたい」
「分かった。はい」

ロイに改めて左手を差し出され、リコは右手を出して握った。恋人繋ぎではない普通の繋ぎ方。それでもリコの心臓は強いビートを刻んでいる。目的のお店まであと十分。リコにとってはその何倍にも感じられていた。

⚪︎君の笑顔

ニャビ子から聞いたお店に到着し、ついに抹茶スイーツにありつけたリコとロイ。ポケモンたちの分も購入して与えると、やっぱりマスカーニャは大喜びで食べている。そんな様子をニコニコとしながら眺めているリコを、ロイが隣で微笑みながら見守っていた。
時は流れて夜、ポケモンセンターがあいにく満室だったため野宿となった。ポケモンたちが寝たり遊んだりをしている横でリコは今日の一日を絵日記にまとめていた。デフォルメしたニャビ子やガオガエン、ウルトとドードリオとオニドリルたち、ロイと二人で力を合わせてポケモンたちを落ち着かせた時のこと、一ページでは収まらない出来事の多さにリコも悩みつつ、そして笑顔で描いている。

「リコ、楽しそうだね」
「うん。今日はライジングボルテッカーズのことを信じてくれる人が増えて、素敵なぐるみん友達もできてその後もいっぱい嬉しいことがあったから!」
「そっか。リコが嬉しそうだと僕も嬉しいよ」

ロイがそう言って笑うと、リコの頬が少し熱くなった。早くなる鼓動に乗って、リコはロイに問いを投げかける。

「な、なんで?」
「うーんどうしてだろう。なんとなく嬉しくなるんだ。リコの笑顔が好きだからかな
「す!?」
「それに、学校で会ったときのリコ、辛そうな顔してたしさ。いっぱい笑ってる今のリコ見ると安心するよ」

熱くなった頬が緩やかにあたたかいものに変わった。ロイはどこまで優しくて友達思いなんだろう。きっと私じゃなくても友達ならこういうこと言うだろうな。そう考えて少し落ち着いた心で、リコは改めてロイの方を向いた。

「ありがとうロイ。でも、今私が笑っていられるのはロイのおかげだよ」
「どうして?」
「私ずっと私だけ時が止まったみたいだなって思っててアンはどんどん強くなって前に進んでてでも、ロイとのバトルでマスカーニャが私たちも前に進めてるんだって気づかせてくれて。それからロイと一緒に踏み出した新しい冒険のおかげで今、すっごく楽しいんだ。だからありがとう。ロイ」

彼の名を呼ぶと共に、リコは満面の笑みを見せた。頬に熱の宿ったホッとする笑顔。ロイの心臓がざわついて、彼は目をぱちりと瞬きさせた。

そっか。そう言ってもらえるなら、伝えに行ってよかったよ。僕もリコと冒険するのが楽しいんだ」
「ロイ私ね、今日思ったんだ。私とロイが選んだ道は間違ってなかったって。ロイ、これからも、一緒に頑張ろうね」
「ああ。ライジングボルテッカーズの真実を取り戻して、ラクリウムのことも全部解き明かすんだ」

何が待っていても、この道が正しかったと証明する。そして、全てを取り戻したら、その時には。

⚪︎おまけ(というか上の話で書きたかった要素だけど話のまとまり的におまけ行きになったもの)

「うーんどれから見よう

焚き火のそばで座るリコはスマホロトムをスクロールしながら悩んでいた。ニャビ子という新しい友達もできたことだしと、ぐるみんの見ていなかった動画を履修しようと思い立ったものの、一年間ろくに見ていなかったためかなりの量がある。

「ぐるみんの動画?」
「うん。ロイはどれがいいと思う?」
「どれでも楽しいと思うよ」
「それはそうなんだけど
「だったら順番に見なよ。その方がネタバレもないだろうし」
うん、そうだね。ありがとうロイ。じゃあ早速

リコは画面を高速で動かして再生履歴のついていない一番古い動画のところで止めた。タップして開くと早速おなじみの音楽と共にぐるみんが現れた。

「やっぱりかわいい
「もう楽しそうだねリコ」
「うん!ちゃんと動画見るの久々だし、もう今日ぐるみん熱高いの!!」
「そっか。じゃあ今日は夜更かしして動画一気見でもする?」
「それはさすがに明日歩けなくなっちゃうからでも見たい

ぐるみんのことで夢中なリコを見てロイも柔らかい笑顔でいっぱいだ。やっぱりリコが楽しそうにしていると嬉しい。このままずっと見ていてもいいくらいだ。

「ねえロイ!!これ見て!!」

のんきにしていると、リコがスマホロトムを持って顔と画面を近づけてきていた。これにはさすがのロイも驚きを隠せない。そのまま隣に座ったリコとは肩が当たりそうな距離だ。リコはどうやらぐるみんのことで夢中で他のことがすっぽり抜けているらしい。

「ねえこれ!!すごいよぐるみん!!こんな動きまでできるんだね!!」
「ほんとだえ、これ編集とかじゃないの?」
「違うよ!!だってこれ生配信のアーカイブだもん!!」

ぐるみんが三連続でバック宙を決めている。リコはこれが気に入ったらしく、何度もリピートしている。これはリコが全部の動画を見終えるのには相当時間がかかりそうだ。でも、その分。

リコの楽しい顔がたくさん見られる。

彼女の素敵な笑顔をずっと見られるということにロイはまた口元を緩めている。視線の先の彼女は画面に夢中で気づかない。まだお互いに自覚しきれないこの気持ちも。