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けがわ。
2025-04-25 08:43:48
1349文字
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いつかの未来を願って
Xのワンドロ企画にて書かせて頂いた作品です。
お題【記念日/これからも、ずっと】
ユキモモです。
「お疲れ様」
「おつかれー」
スタッフに挨拶をして、オレたちは楽屋に戻ってきた。
今日は記念日に向けて、新曲発表用のリリックビデオの撮影をしていたのだ。
後の仕事は特に入っていないから、このまま着替えておかりんの車で帰るだけ
……
なんだけど
……
。
「モモ、どうかしたの?」
「んー、なんか着替えるのがもったいなくて」
「そうね。今回の衣装もすごく似合ってたよ。モモ」
「えへへ、ありがとう。ユキもちょーラブリーだよ!」
「ふふ、ありがとう」
いつもより可愛らしいデザインの衣装はたっぷりとハートがあしらわれていて、まるでオレとユキのラブラブ度を体現しているみたいだ。
中指に輝くお揃いの指輪を撫でて「綺麗だね」って笑顔を向ければ、ユキも花が綻ぶように微笑んだ。
ユキの笑顔に魅せられるたびに、隣にいられる日常が、すごく幸せで、特別で、尊いものなんだって改めて感じられる。
「
……
モモ」
「うん?」
微笑みから一転、ユキの長い睫毛が影を落とすと、伏せられたブルーグレーの瞳が不安そうに揺れている。それは何かを必死に伝えようとしてくれているみたいで。
「どうしたの?」
ユキの不安を和らげるように努めて明るい声音で聞き返すと、不意に伸ばされた腕にぎゅうっと抱きしめられた。
「っ!? ユ
——
」
「黙って」
あまりにも唐突で何が起こっているのかを理解する前に、ユキの言葉がオレを黙らせる。
「モモにはずっと、僕のそばで笑っていてほしい。
……
僕が一番、君を幸せにできるから
……
」
「ひょぇ
……
」
「いつの日か、きっとモモに似合う指輪を用意するから
……
そしたら今度はここにつけて」
ユキの指先がオレの手を滑って、お互いのメンバーカラーに塗り合った指先に絡む。慈しむように薬指の付け根を優しく撫でて、それからまるで王子様がするみたいにオレの足元に恭しく膝をついた。
「っ!」
すらっとした綺麗な指先が、オレの指を持ち上げて、ゆっくりとユキの口元に運ばれていく。
ちゅっと微かに鳴ったリップ音が、じわじわと体中に熱を伝染させる。
ずるい。こんなのされちゃったら、オレ
……
。
王子様のプロポーズは、オレが見てきたどんな少女漫画よりも胸を熱くさせる。それは、他でもないユキからのもので、オレだけに向けられた愛情だから。
滲む視界の先で、顔を上げたユキが眉を下げて困ったように破顔した。
「モモ、おいで」
広げられた腕に吸い込まれるようにユキの胸に飛び込んで。
「ひっ
……
く
……
、うぅ
……
っ、」
声を殺して泣きじゃくるオレの背中を、赤ちゃんにするみたいにポンポンと叩いてくれる優しさに涙が止まらなくて。
「泣かないで、モモ」
ユキが好き、だいすき。
伝えたいのに震える喉からは嗚咽しか出ない。
せっかくのメイクも、衣装もダメになっちゃうかもしれないのに。
「ゆき
……
っ、ゆき
……
っ、」
「うん、大丈夫。ちゃんと伝わってるから
……
ありがとう、モモ」
二人で歩んできた道のりは、決して楽しいことばかりではなかった。でも、二人だから乗り越えてこられたし、乗り越えていけるんだ。
他は何も望まないから、これから先もずっと、この人と一緒にいられますように。
神様、どうか
——
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